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韓国視察2019〜その2 ナショナルパラリンピックトレーニングセンター〜

韓国パラリンピック協会(2005年設立)は、2009年、仁川に世界で初めてのパラリンピック専用のトレーニングセンターを設置した。

KPCの本部はロッテワールド近くのオリンピックパーク内にある。
設立の目的

①障害者スポーツ発展のための基盤施設の造成

②国家代表選手と一般アスリートのための専門トレーニング施設の確保

③生涯スポーツの普及と向上のための基盤施設拡充

④障害者スポーツ専門家教育と訓練

障害を持ちながらもスポーツに参加する為に、いろんな工夫がなされている。

カーリングでは杖を使ってストーンを押し出している。射撃では観客も楽しめるように電子銃を使い、ディスプレイにゲームの進行を表示している。ゴールボールでは、ボールの中に鈴が入っており、音でボールを認識している。また、コートの位置は、コート内にひかれているラインに導線が埋め込まれており、選手は文字通り手探りで位置関係を把握している。

サッカーでも、「ボイボイ(いくよの意味)」など独特の掛け声をかけながら他人とぶつからないように工夫している。驚いたのは、相手チームの選手は声の違いで覚えているとのことだ。人間ってすごい。

パラリンピックの種目についての説明はこちら

https://tokyo2020.org/jp/games/sport/paralympic/

センター内には競技に使用する道具の質向上を専門に研究するセクションもある。

センター内には、視覚障害者らが、カフェを運営しており、選手達の憩いの場になっている。

特筆すべきなのは、同センターでは障害を持つ人たちへの社会からの偏見を変えていくためのプログラムが用意されていたり、引退後に不当な評価や差別をされた場合の相談窓口もある。つまり、福祉施設でもあるのだ。

背景には韓国の障害者差別解消法やインクルージョン教育(韓国では統合教育と呼ばれている)などが関係している。この点に関しては後に述べたい。

スポーツ用品のレベルを上げる研究する部門も併設されている。

ナショナルチームは寝泊まりしている。医師も常勤でいる。

同センターはアスリートだけでなく、技術者や指導者、審判などの育成も同時に行なっている。

市内に拠点を置く財閥であるサムソンがお金出している印象を受けた。施設内にサムソンの広告が散見され、サムソンのトレーニングセンターのようだった。

また、ソウル中心街から離れている(車で1時間弱)ため、広大な土地が確保されている。

地域からも全国からも利用者がいるという。障害の有無にかかわらず利用できる。年間5万人が利用していると話すが、国際大会なども開かれているので、それもカウントされているのではないか。

最後は記念撮影。パラリンピアンのカレンダーも記念にいただきました。ありがとうございました。


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