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第12回 私のHow to おもしろい    ~12話 少年⑤~

 マンガにおける「おもしろい」とはなにか?マンガ制作を通して学んだマンガを面白くする方法を考えていきましょう!

 このレポートは『雨の犯行 12話 少年⑤』に関する制作レポートです。レポートを読む前に投稿した作品に目を通していただくと、より今回のレポートが分りやすくなると思います。

~12話 少年⑤ 目次~

①背景 キャラがいる場所

②設定 「それ」があるところ

③構成 デジャブが好き

④おわりに


①背景 キャラがいる場所

 私はキャラより背景を描いているときの方が楽しい時が多いです。キャラを描いているときは瞳や髪の毛など失敗したらバランスがおかしくなるような、緊張する場所が多いのでかなり気を使うのです…。それに比べて背景はほとんど定規で線を引きますし、結構気楽にできるのでキャラより好きです。

 それだけでなく、作業の順番的にキャラの後に背景を描くので、背景を描き終えた後にコマが完成するこのプチ達成感がたまらないのです。

 背景はマンガで欠かせないものです。私はできれば全部のコマに背景を描きたいくらい背景が好きなんですが、その理由が先程書いたのとは別に、背景を描くことでキャラクターがどこにいるのか分かるからです。

 キャラクターがどこにいるのか示すのが背景ですが、背景は場所を示すだけではなく湿り気・空気の重さなど、目だけではなく肌で感じ取る質感を読者に感じさせてくれるモノです。雨が降っていれば湿気があり、太陽が強く照らしているのなら眩しさを感じることができる。私は読者にキャラが何を見ているのか、肌でどう感じ取っているのか伝えるために背景に手は抜きませんし。抜くことは許されないと思っています。以上、背景信者の話でした。


②設定 「それ」があるところ

 また背景に関係ある話なのですが、この物語の舞台は私の母校周辺です。背景を描く際に実物の資料が近くにあった方がいい、という理由でそう設定しました。ですが、舞台とその元になる場所は設定したのですが実際に物語で使用する場所の設定(今回で言えば学校)を怠っており、12話で学校の外を描く際は改めていろいろ考えて設定し直さなければならなくなり大変でした。学校だけではなく、少ししか出てませんが車内の様子なども一応参考にしていた画像はあったのですがそれを紛失したため、前の話数からできるだけ再現するというめんどくさい作業をしていました。

 フィクション・ノンフィクションに関わらず物語の舞台設定はできるだけ細かく設定し、まとめるべきだと改めて学びました。



③構成 デジャブが好き

 完全に私の好みの話ですが、12話の学校に行くシーンからの会話の流れ、これは1話を意識しています。めんどくさいからトレースした、なんてことではなく、わざと似せて描きました。これは雨の犯行のプロットの時から考えていたことで12話で実現できて嬉しかったです。

 それだけでなく、シンクロさせるなら似つつも違いがあった方がおもしろい、ということでセリフとかの言い回しを変えてみたり。やりたかった構成を思う存分楽しみながら描きました。

 私自身マンガを読んでいてデジャブシーンを理解した際にニヤニヤしてしまう人だったので、これもおもしろさにつながると思いプロットの時点からニヤニヤしながら作中にデジャブシーンを入れることを決めていました。


④おわりに

 あと1話で雨の犯行は完結になるのですが、この時点でネームは半分しかできてませんでした。大学卒業の時点ではネーム1校目しかディスカッションに回してなかったので(しかもいい評価ではなかった)順番としてはまったく褒められたことじゃないですが、12話を描き終えてから最終話のネームに取り組みました。

そしたらなんとまぁ・・・あんなことになるとは。

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