第10回 私のHow to おもしろい    ~9・10話 合併号~

 マンガにおける「おもしろい」とはなにか?マンガ制作を通して学んだマンガを面白くする方法を考えていきましょう!

 このレポートは『雨の犯行 9話 少年と母』『10話 介入者 狩野③』に関する制作レポートです。レポートを読む前に投稿した作品に目を通していただくと、より今回のレポートが分りやすくなると思います。

~9話・10話 合併号 目次~

①構成 10話できるまで

②構図 ノリと勢いほどほどに

③構図2 見せ場の画面

④おわりに


①構成 10話ができるまで

 10話はもともと9話の後編を伸ばしたもので、元々の9話は母と少年のやり取りの後に、場面が変わって車内で狩野と三谷がそれを聞いている、というものでした。

 しかし、時間経過が分かりにくいという意見や狩野と三谷が母親の遺体を置いて通報もせずにその場を去るのは社会人的にダメである、と結構反対的な意見を多くいただき、その結果できたのが予定になかった10話でした。

 なので今回のレポートも9話と10話の合併号であり、10話のページ数も12話という一番少ないページ数になったのでした。


②構図 ノリと勢いほどほどに

 内容はサブタイトルの通りです。ネームを書くときは描く内容が大体決まっているのでノリと勢いで描いてました。しかしノリと勢いで描いたせいか下描きをする時にちょっとした問題に当たります。それが構図問題です。

 10話の冒頭ですが、倒れている狩野の横には机がありました。しかしネームでは三谷が机側におり、三谷の位置を変えるとその後の構図に問題が生じてしまうので原稿の際は机を動かし三谷の位置を机の方に移動したのでした。

 ノリと勢いは大事なものですがきっちりモノの場所や人の位置を考えていきたいものです。

③構図2 魅せ場の画面

 10話の見せ場シーン。一枚絵で魅せる場面ですが今回は完成までに3回変更していきました。少し見ていきましょう。

 9話初期ネームは母と少年のやり取り後に車内に場面が変わり最後のページがこのようになってました。このページが〆なので何やら切なく悲しい場面を出したかったので引き気味に構図を設定しました。

 10話初期ネームの構図は少年が見下ろして不気味さを出したかったのですが、①にも書いたように時間経過がわかりにくく録画を聞いているはずがリアルタイムで物事が進行しているように読者に読み取られてしまう恐れがあったので没に。

 そして原稿版では構成をガラッと変え、驚く狩野と主人公の目をアップにし緊迫感の演出を試みてみました。

 見せ場の場面は毎回構図に悩みます。正解がないものですし、意図した演出がうまくできていたらと願うばかりです。


④おわりに

 物語も終盤。あとは少年・少女の行く末を見守っていくだけです。

次に描きたい作品も温まってきましたし、最後に向かって頑張っていきたいです。


すずき野

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