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第8回 私のHow to おもしろい     ~第7話 介入者 狩野①~

 マンガにおける「おもしろい」とはなにか?マンガ制作を通して学んだマンガを面白くする方法を考えていきましょう!

 このレポートは『雨の犯行 7話 介入者 狩野①』に関する制作レポートです。レポートを読む前に投稿した作品に目を通していただくと、より今回のレポートが分りやすくなると思います。

~第7話 介入者 狩野 目次~

①構成 作者の頭を整理せよ

②群像劇 縛りではなく柔軟な思考で

③キャラクター 第三者 三谷くん

④セリフ 「6」それは悪魔の数字

⑤おわりに


①構成 作者の頭を整理せよ

 7話では前原の携帯で登場してた男「狩野 正」が主役です。名前だけの登場だったので「誰だこの人」となった人も多いでしょう・・・

 その話はさておき、7話はネームの段階でかなり苦労した話です。一番苦労したのが「どの情報を開示するのか」情報の作中での出し方・取捨選択でした。ネーム1校ではそこがあやふやになってしまい、彼が何をしようとしているのかわからないネームになってしまいました。

 連載では各話ごとに必要な情報を入れる必要があります。これをうまく入れることによって、物語の面白さが大きく変わっていくと僕は思っています。 ということで今回は7話で入れるべき情報をまとめてみました。

  これが7話で入れるべき最低限の情報です。これをキャラクターを動かしながら読者に理解してもらうのが7話の目的の1つです。いつもはここまで図にしてまとめることはありません。しかし今回はするべきことが多かったので担当ゼミ教授の指導の元、図にしてまとめました。

 作者という人間は物語を知り尽くしてるので、その場の勢いで話を進めたり必要な情報をカットしてしまったりと知ってるが故に読者を置いてきぼりにしてしまうことがあります。まずは作者の頭を整理するこれが大事だと7話で学びました。



②群像劇 縛りではなく柔軟な思考で

 「雨の犯行」は群像劇です。なので、それを利用した同じ時間の別視点でのキャラの様子を今まで描いてきました。しかし「群像劇だから別キャラとの繋がりをしっかり描かなければ!」という縛りをいつの間にか作ってしまい、作品の流れがおかしくなるという問題が起こってしまいました。

 7話では携帯でのやり取りで少女編との時間の繋がりが明らかになります。私が7話の群像劇表現で描きたかったのは時間の繋がりです。少女が何をしているときに狩野が何をしていたのか…。やりとりの内容は少女編で分かっているので時間の繋がりさえ読者に分かるように描けていれば良い。詳しく描く必要はない。群像劇だから…という思考に囚われず一番そこで伝えたいのは何か、柔軟な思考で考えていくことが大切でした。

(画像7ページ)2コマ目でさっきまでやり取りをしていたことを示す。元ネームではもっと長いやり取りだった。


③キャラクター 第三者 三谷くん

 7話では狩野の他に三谷というキャラが登場します。

 「7話 介入者 狩野」。題名の通り7話の主役は狩野ですが、三谷もなくてはならない人物です。もし彼を主役とするなら題名は「第三者 三谷」になります…。そう、彼は物語が始まった時点で主要人物の中で唯一の「第三者」なのです。加害者とも面識がなく、名前すら知りません。第三者であるが故に読者に一番近い考え方を持ち、第三者であるが故に俯瞰で物事を考えることができるのです。

 三谷の存在意義は第三者だけではありません。7話では狩野の会話相手が必要でした。母親編とは違い心情を中心とした話ではないのでキャラの会話で物語を進めていかなければなりません。つまり相方が必要だったのです。三谷は雑な性格で目上の人に対してもあまり敬意を払いません。社会人としてはダメな人間ですが敬意がない代わりに疑問に対して誰にでも直球で食いついていきます。そんな彼だからこそ狩野の相方となり物語に欠かせない人物になったのでした。


④セリフ 「6」それは悪魔の数字

 「①構成」で書いたように7話では描かねばならない情報が多く、それはキャラクターを動かしながら表す必要があったのでネームの段階で自然とセリフが多くなっていきました。「6行」これがフキダシに入れてもいい最高行数です(もっと入れてもいいが文が目立ってしまう)。なので長いセリフは何度も読み直し分かりやすく、そして短くして校正していきました。

例に6ページのある1コマを載せておきます。

元のセリフは長いうえに分かりずらいので校正しました。

「夜中に書いたラブレターは朝に見直せ」という言葉がありますがセリフも同じで、書き終え時間を空けて読み返して違和感を直していくのがよくあります。中には写植をする段階で直すのもあります。

 こうやってセリフを1つ1つみていき、より分かりやすくしていく。分かりやすさも面白さに繋がっています。セリフ直しは描く以外での神経を使うポイントでした。



⑤おわりに

 今回は制作話的なものが多かった気がします。制作の際に大事だな、と改めて思ったところがあったのでレポートにまとめました。

 卒業制作としてのレポートは今回が最後ですが、中途半端は嫌なのでこれからも趣味の一環として話をアップするごとにレポートも書いていきたいと思います。

 さて、ネームはほぼ全話完成してます。卒制シーズンが終わり次第また描いていきます!早く皆さんに続きをみせたいです!


すずき野


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