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かつての繁栄とその後を伝えるもの 松前市

松前市。
松前藩がかつて治めていたこの土地は、行ったタイミングや天候に影響されたのか、実際そうだったのかわからないけれど、驚くほど静かな街だった。



北の小京都と呼ばれ、米ができない藩であっても北前交易により大いに栄えた。ここから運ばれた昆布は琉球を越えはるか中国まで届いていたという。幕末期にはアイヌとの衝突や北方警備、幕府による貿易主導権剥奪などの理由により縮小解体の憂き目にあう。


当時の華やかだったろう街並みの面影はなく、史跡や資料館、再現館など巡ったけれど、どれもこの土地の履歴を体感するのは難しかった。



帰りがけにみた、半ば放置されたおびただしい墓標の群れが、この土地のかつての繁栄とその後を今に伝えているように思えた。

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