創作落語 ことわざ

不作の年が何年も続いた。
かつては日本、世界を代表するリンゴ農園だった青山リンゴ農園は 度重なる害虫の被害によって経営難に陥った。

園長の青山孝夫(43)はこの青山リンゴ農園の3代目
先代からの意志を継いで中学を卒業と共にこのリンゴ農園を継いだ。が…

青山「このリンゴ農園はもうダメだ…どんなに害虫駆除をしても効き目がない。もしこのリンゴ農園を閉園する事があれば俺は…」

彼の頭には、この農園無しに今後生きていくことなど頭になかった。

青山「死ぬしかない。このリンゴの木にロープをくくりつけて、死のう。青山リンゴ農園と共に、俺は…」

青山は死を決心した。彼にとって、産まれてこのかたずっと共に過ごしたリンゴ農園を閉園するのはそれ程に苦痛なことだったのだ。
ロープを片手に一本の木に向かい話しかける青山

青山「今まで本当にありがとう。守ってやれなくて、申し訳ない」

太い枝元にロープをくくりつけて首に回そうとしたその時、
黄金に輝くリンゴが1つ、青山の目の前に落ちて来た。眩しくて一瞬目を瞑る。

次の瞬間、その輝きの中からこの世の物とは思えない美しい格好をした妖精が現れた。

x「おやめなさい。あなたはまだ死んではならない。このリンゴ農園を守るのです。」

青山「…!?」

あまりの衝撃に声も出ず、手に持っていたロープも地面に落としてしまった。

x「私の話を全て聞いてからまた死ぬか考えてください。この世の全てはりんごから始まっているのです。
次の世界の幕開けはこの青山リンゴ農園かもしれないのです。」

青山「どういう事だ? 」

現状を受け入れられない青山に妖精は話し始めた

x「まずはこの世の万物の根源 アダムとイヴ

神が与えたエデンの楽園に植えてある禁断の果実をかじった事で世界が始まったとされます。その果実こそりんごなのです」

青山「君は一体何が言いたいんだ?」

青山の事を気にせず話を続けるX

妖精「次に科学の原点となる重力、
これを発見したニュートンは
りんごが木から落ちるのに月はなぜ落ちてこないのか
これを突き詰めて重力の発展に至ったと言われています。 更には現代の人間が現代の人間活動をしていく上で欠かせないインターネット 、その先導者スティーブ・ジョブズ氏は自身の会社名を Apple と名付けました。

つまり世界の発進 発展 進化 その全ての根源に りんご が関わっているのです。

青山農園のりんごは世界で1番美味しいりんごです。
次の新たな世界の幕開けはこのりんごが鍵を握っているかもしれない…」

そう言って地面に落ちているりんごを拾い上げた妖精
青山の目には涙が溢れていた。

青山「俺が作ったりんごが、新たな世界を…
なんてバカな事を考えていたんだ。もう一度頑張ろう。」

青山の頭に死ぬなんて言葉は無くなっていた。

青山「…ところで、あなたは一体?」

x「申し遅れました。わたくしは とある世界の使者です。貴方様には大変お世話になったのでこうして姿を変えて現れることが出来ました。
青山リンゴ農園の美味しいりんごを食べて育った

カメムシの妖精です🧚‍♀️

そういうと妖精の姿は徐々に消えていった…

青山「 …カメムシの妖精って、

お前らのせいで閉園を考えたんだ‼️

青山は難敵を目の前にして複雑な心情ながらも
命を救われた事に少しばかり感謝をし、
リンゴ農園は続ける事にした。

妖精脳内
(カメムシに戻ってまたりんごに噛み付きながら)
「(((((((((危ねぇ、ここが無くなったら食に困っちまうところだった…馬子にも衣装とはいい事だ
一芝居うっただけでまんまと続ける決心しやがったぜ青山のオヤジwwww 今後はもっともっと仲間増やしてより美味しく食べさせていただきますよ〜 ))))))))))」

青山脳内
「(((((((((正直今まで害虫駆除をサボってたな。
閉園なんてしなくても対策をしっかりすれば
必ず上手くいく。カメムシ妖精、感謝や。綺麗だったし…))))))))」

青山・カメムシ「災い転じて福となす‼️**」 **

おあとがよろしいようで。




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