『闘う君の唄を』(中山七里、朝日文庫)
『闘う君の唄を』
(中山七里、朝日文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022648945
中島みゆき風の(というか「ファイト!」そのものの)タイトルと、大矢博子さんの解説にひかれ、はじめて中山七里さんの小説を読んでみました。
解説にあるように、前半は「お仕事小説」で、いったいどのように展開するのかがわからなかったけれど、中盤の「衝撃の告白」以降はミステリ仕立てで楽しく読めました。ただ、ミステリといってももうすでに答え(犯人)は出ているようなものなので、犯人当てという意味では不満が残りました。
大矢さんの解説といえば『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ)がアタマにあったので、どうしてもあの衝撃を期待してしまったかな。そういう意味で、文庫の場合は「解説者バイアス」というようなものがあるなぁと気づいた一冊でした。
ところで大きな不満がひとつありました。作中に出てくる3歳児たちの行動や感情の動きが、ぼくの印象では6歳児くらいでようやく成立するかなというようなものばかりで、かなり非現実的に思えました。それとも来るべき「AIキッズ世代」はこんな感じなのでしょうか!?
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