物語への感謝

小学生の時分、
私が毎月もらっていたお小遣いは、
駄菓子を買うための数百円の小銭と、
コロコロコミックを買うための
キラキラした500円玉でした。

始まりはおもちゃの付録目当てでした。
『コロッケ』『ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん』
『ドラベース』『宇宙人田中太郎』など
次第に中身の漫画にも惹かれていきました。

本格的に漫画を読むようになったのは
中学生の頃からです。
当時も大流行していた少年ジャンプ。
月曜日になったら朝から友達とジャンプの
感想を言い合うのが習慣になっていました。

『ワンピース』『NARUTO』『BLEACH』
『D.Gray-man』『銀魂』など

この時はじめて、人と物語を共有する喜びを
知りました。
この時の喜びが、今でも私の中で、
キラキラとした宝石のような輝きを放っています

そして次第にサンデーやマガジンなど、
読む漫画の幅が広がっていきました。

『金色のガッシュ!』『ハヤテのごとく!』
『結界師』『焼きたて!! ジャぱん』

『FAIRY TAIL』『シバトラ』
『さよなら絶望先生』

そして、中学生からしたら少しアダルトな、
ヤングマガジンも読むようになりました。

『彼岸島』『カイジ』

妙に記憶に残っているのが、
『赤灯えれじい』という漫画。
当時の私からすれば少々刺激的な描写も多く、
ドキドキしながら読んでいました。

高校生になり、
読む漫画の幅はぐっと広がりました。
モーニング、スピリッツ、ヤングジャンプなど、
週刊雑誌はほぼ全て網羅的に読んでいました。

また、連載中の作品だけでなく、
既に連載が終了している過去作品も
読み漁るようになりました。

小学生からバスケットボールをしていたにも
かかわらず、この時はじめて『SLAM DUNK』を
読みました。

『ドラゴンボール』『幽遊白書』
『HUNTER×HUNTER』
『RAVE』『エアギア』『あひるの空』
『バキ』『BADBOYS』
『BECK』『ヒミズ』
『GANTZ』『キングダム』『孤高の人』
『おやすみプンプン』『ホムンクルス』
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『ピンポン』
『ピアノの森』『ヴィンランド・サガ』
『プラネテス』

私の人生の中で、
恐らく一番漫画を読んだであろうとされる時期は
高3から浪人時代にかけての大学受験期でした。
今考えたら何やってんだっていう話ですが、
まさにこの時期に、今の私を形成している
多くの素晴らしい漫画と出会いました。

『寄生獣』『ベルセルク』『預言者ピッピ』
『宇宙兄弟』『リアル』『バガボンド』

ミギーの知性と勇敢さ、
ガッツとグリフィスを取り巻く喜びと憎しみ、
ピッピの未来予知、
ムッタの夢、
久信の栄光と挫折、
武蔵の苦悩。

全てが現在の私の血肉となり、
私の生命を支えています。

大学生、そして社会人になって、
ある程度お金の自由が利くようになり、
買う漫画の量も増えました。

『無限の住人』『ドロヘドロ』『東京喰種』
『竜の学校は山の上』『3月のライオン』
『聲の形』『BEASTARS』
『火の鳥』『ブラックジャック』『デビルマン』

漫画だけではなく、映画・小説・ドラマ・音楽
などの芸術作品、あるいはエンタメ作品は、
その時の精神状況、外部環境、夢、恋などの
様々な要素によって、
出会うべくして出会うものだと考えています。

例えその時面白く感じないものでも、
しばらくたって見返したら、面白く感じるかも
しれません。
逆に、昔は面白く感じなくても、今見ると面白いと
思えるものがあるかもしれません。

一方で、決して変わらないものもあります。
あの時、キラキラした500円玉を握りしめて
毎月15日になると本屋に向かっていた自分。
そしてあの時、
大人たちが憎んでいた暗くて憂鬱な月曜を、
1週間の内で最も素晴らしい日に変えてくれていた
海賊や忍者や死神や侍たち。

あの時のワクワクが今でも私の中で生きていて、
私の命を強く前へ突き動かしています。

この世に存在する全ての物語に感謝します。

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