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【スマホが無い‼️♡】

2日連続で忘年会があり、眠い朝を迎える。寝坊しないようにアラームを最大音量でかけて寝たおかげで、定時を少し過ぎた時間に何とか起きることが出来た。温かいお布団からエイヤッと飛び出して、急いで身支度をして家を後にする。最寄りのバス停までは早足と駆け足で、白い息をハァーハァーと吐きながら、何とかいつものバスに間に合うことができた。うんうん、ここまでは順調だ。仕事が始まる30分前には駅に着き、いつものように駅前のマックで紅茶を飲んでひと息付いてから、職場に入った。これもいつものルーティン通りだ。

職場に着くと、上着を入り口のハンガーにかけ、荷物をロッカーに入れて、自分の机に付いてパソコンを立ち上げ、仕事の準備にかかる。高層階のガラス窓から朝日が差し込んでいて、とても氣持ちがいい。身体は疲れているが遅れることなく、いつものように仕事に取り掛かれて、ホッとした。

午前中、自分のスケジュールを確認するために席を立ち、ロッカーにあるスマホを取りに行くと…無い!「えっ、うそでしょ。」慌ててカバンをひっくり返して探してみるが、やっぱり入っていない。「どうして?」頭の中で、一氣に時計が逆回転して、今朝の自分の行動を振り返る。マックで紅茶を飲みながら、スマホを触っていたのは間違いない。まさか、マックから職場に歩いてくる途中落としたのか?いや、そんなはずはない。手に持っていたと思うが、ロッカーの中に無いのであれば、マックに置いて来てしまったのか?どうしよう?上司に言って、ちょっと抜け出して、取りに行こうか?それとも、昼休みまで待って、昼休みに取りに行くか?どこで失くしたのか?落としたのか?置いてきたのか?誰かが拾って届けてくれているのか?スマホの中には、Suicaの定期も入っているし…無くてはとにかく困る。いろんな思考が、すごい勢いで頭の中を駆け巡っていた。

結局、上司に事情を話して許可をもらい、職場を抜け出して、とりあえずマックに行ってみることにした。「どうか誰か良い人が拾って、マックで預かっていますように。」と祈る氣持ちで向かい、マックのお兄さんに「すみません。朝、こちらでスマホを忘れたようですが届いていませんか?」と恐る恐る聞いてみた。「ちょっとお待ちください。確認してみます。」と明るく言って奥に入り、程なく姿を表した。あぁ、彼の表情でわかってしまった。「携帯は届いていないようですね。すみません。」ととても申し訳なさそう。「そうですか。ありがとうございます。お手数おかけしました。」と言って店を出た。
「あっ、スマホですね。これですか?」と奥から出てくるお兄さんの笑顔を思い描いていたのに…そのような期待は木っ端微塵に砕けてしまった。

職場に戻る道すがら、今度は頭の中で、警察に紛失届を出した方がいいかしら…Suicaのオートチャージを止めないと…定期が無いのは痛手だなぁ…週末は音読の体験会があるのに、もう一人の指導者の旬子さんとどうやって連絡を取ったいいかしら…と次から次へと不安や心配事が浮かんで来る。どれだけ日々の生活をスマホに頼っていたことか、失くして分かる有り難みだ。

職場のビルに再び戻り、そういえば、ビル内の落とし物は、ビルの一階にある防災センターに届けられることを思い出し、一縷の望みをかけて、行ってみた。
「どんなスマホですか?どちらで落としましたか?何時ごろでしょう?」といろいろ聞かれることに答えたのち、
「確認したところ、そのようなスマホは今の所届いていません。こちらの用紙に記入していただければ、届いた際に連絡しますがどうしますか?」と言われ、「わかりました。記入しますのでお願いします。」と、渡された用紙に先ほど聞かれて答えた内容を全て記入した。

「あぁ、これはやっぱり警察かな」と失意のどん底に沈んで、職場のロッカーに戻った。上着を脱いで、ハンガーに掛けようとしたその時、ハンガーラックの上の棚に、見覚えのあるスマホが置いてあるではないか❣️
そうか、思い出した。上着をかける時に手に持っていたスマホが邪魔になって、なにげに棚の上に置いてそのままにしていたのだ。よかった!!あぁ、神様ありがとうございます。これで、安心して仕事に戻れる。めでたし、めでたし。

それにしても…スマホがないだけで、これだけ不安になるとは。人騒がせな自分にちょっと呆れた冬のある日のお話し。

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