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【小さな作家たち♡】

西荻窪の音読サイコロ道場に伺う楽しみは、可愛い子どもたちと音読やサイコロ暗算が出来ることと、指導後に松永暢史先生が淹れてくださる美味しいコーヒーを頂けること。毎回お会いできる訳ではないが、いらっしゃる時はいつも手際よくコーヒーを淹れて、どうぞと勧めてくださり、「いつもありがとうございます。がんばってね。」と声を掛けてくださることを忘れない。で、先生のちょっとした隙間時間があれば、直接お話を伺えたりもする。

昨日は、そんな幸運な時間があり、松永先生から、埼玉に住んでいるある男の子の話しを伺った。その子は、学校の授業が上手くいかず、親子で悩んでいたところ、知人のつてでV-Netのことを知り、埼玉から西荻窪まで通っていた。付き添いは、お家の事情でご両親ではなく、毎回おじいちゃんが車を運転して通っていたそうだ。そうやって、男の子は音読することで大きな変化があり、当初の悩みからは解放された。が、つい最近、突然そのおじいちゃんが亡くなってしまう。いつも一緒に通っていたおじいちゃんとは、行き帰りの車の中でいろんなお話をしたりして、とっても懐いていただろうに…。男の子は大好きなおじいちゃんとの思い出を作文に書いた。「その文章が素晴らしいんだよ。」と松永先生が読んで聞かせてくれたのだ。その文は素直で、優しくて、味があって、おじいちゃんへの愛に溢れていた。聞いていると胸がいっぱいになり、涙が出てくる。
一番印象的だったのは、自分が成長して大人になり年をとって、天国にいるおじいちゃんに再会した時に、自分の子どもや孫たちにこんなことを残せましたと報告したら、おじいちゃんはきっと喜んでくれるだろうといったくだりだ。彼は、大きな生命の流れの中にある自分の立ち位置をしっかりと掴んでいる。この発想はどこから来ているのか?本当に素晴らしいなぁと思った。

松永式音読をしている子どもたちは、スラスラと作文が書けるようになる。それは、音読によって日本語の「音」と「リズム」がしっかりと身体に入っているからだと松永先生はおっしゃる。「不思議と書けるようになるんだよね。」と。
松永先生が開いている奥多摩の『焚き火の会』では、小さな作家たちが集まって、みな創作活動に勤しんでいるらしい。とても楽しそうだ。彼らはどんな大人に成長するのだろう?きっと大作家も生まれるだろう。そのほんの一端でも担えるのがまた嬉しくもある。

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