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【一音一音に意味がある♡】

日本語音読指導者としてスタートを切ってから、日課にしているのは、カタカムナの音読だ。5首と6首を最大限の大きな声で音読する。家でやる時もあれば、職場からの帰り道、暗い夜道で誰もいない事を確認して唱える時もある。もし誰か聞いていたら、きっと変な人だと思われているに違いない。

ヒフミヨイ マワリテメグル ムナヤコト
アウノスベシレ カタチサキ
ソラニモロケセ ユヱヌオヲ
ハエツヰネホン カタカムナ

最後の「カタカムナ」の前までに日本語の基底音の四十八音が一回ずつ出てくるようになっているので、これを完全に発声出来きれば、日本語の原音を全て正確に体得できたことになる。

これが、私たちが伝えている「日本語音読」の基礎となっている。音読の読み方もいろいろあって、カタカムナ読み、一音一音切り読み、スラスラ読みなどがある。

さて、これを毎日音読するとどうなるのか?

普段、開催している日本語音読の体験会では、『日本語の了解力が良くなって、子どもの学力がずば抜けて良くなる』と究極のメソッドとしてお伝えしているが、大人の私が実際にやってみて、どんな変化があったかと言うと…まず言葉の響きに敏感なり、人の話す声や発音、響きにすごく反応するようになったことだ。日本語はとても特殊な言語で、母音、子音の一音一音に意味があって、私たち日本人は、その一音一音の意味を聴き分ける能力がある。だからこそ、和歌、俳句などの短い文の中で、様々な情景や感情などを豊かに表現し、鑑賞することが出来るのだ。

古の人たちは、一音一音の細かい響きの粒子に寄り添い、感じ取り、共鳴して、察することが出来たのだと思う。それだけ、私たちは繊細だし、わずかな違いに美しさを見出していた。
外国人には理解し難い「わび」や「さび」の感覚も、その繊細さの中にあったに違いない。

大きな声でたくさん音読をすることで、古い記憶にスイッチが入り、この”特殊な”感覚が呼び覚まされる。

普段、何氣なく使っている日本語、当たり前に話している日本語だが、「響き」を意識すると、感じ取る世界が変わってくるのが面白い。

正しい発音の音読で、超古代日本語のカタカムナに触れ、古典に触れることで、日常、自ら新しい発見が出来るのは、まさに、温故知新「故きを温ねて新しきを知る」とても楽しい大人の学びでもある思う。

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