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【人間よ、自然に帰れ♡】

昨日の武田邦彦先生のワークショップを受けて、一つショックなことがあった。ショックというより、グサっと胸に刺さった感じだった。

「男と女の科学」について武田先生がお話された後、参加者で5〜6人の小グループに分かれてディスカッションする時間があった。先生のお話を受けて、感じたことや、自分の抱えている男女関係の問題や、先生に対しての質問などをいろいろ出し合って、グループ毎に発表する場があった。参加者は、老若男女様々で、いろんな年代の問題や質問が出てきた。他のグループの発表を聴いていると、夫婦や家族や親子の問題などお互い共感できるポイントがたくさんあって、みんなで「うんうん」と頷きながら聴いていた。

一方、武田先生は、前の椅子に一人座って目を瞑りながら、黙ってみんなの話しを聴いていらっしゃった。時々、寝ているような素振りもあったので、子どもみたいな先生の姿を見つけて、クスクス笑い声も起こっていた。

各グループの発表がひと通り終わって、武田先生が再びマイクの前に立ってお話を始められた。

「聞いていてね、みなさんの言葉には、人間の心が感じられません。」とさらりとおっしゃられた。

それを聴いて、何か胸にグサっと刺さったように感じた。周りも一瞬しーんとなったようだった。

先生曰く、

都会にいる我々は、自然に接することが無くなってしまった。都会じゃなくても、自然の中で狐に会ったり、嵐に遭うような経験をしなくなった。自然から生まれた人間は、自然に接することが無くなると、イライラして、精神に異常をきたし、変なことを考えたり、敵対心を抱いたりするようになる。それだけ、人間の心理は微妙なもので、例えば、この会議室は、本来、我々人間が居てはいけない空間で、頭の上に天井があり、四方は壁に囲まれていて圧迫感しかない。この部屋のデザインは、大人数の人を効率よく収容出来ることだけを考えて設計されていて、人間にとって快適な空間ではない。
四角い天井がある、ビルや家などもみんな同じで、人間にとってはストレスの多い空間になっているとのこと。

寝室の天井に電灯が付いているのも、私たちの身体は、「落ちてくるかもしれない」という恐怖を感じていて、ストレスになっているらしい。昔、日本の家にあった背の低い「行燈」や、高級ホテルのスタンドの照明の方が、ストレスが無い。また、寝室に昼間の洋服がハンガーで掛かっているのもダメで、それだけで私たちはストレスを感じている。

つまり、人間関係のストレスや悩みの原因は、関係性そのものにあるのではなく、自然から離れて、すり減ってしまった心がそうさせているということになる。なので、なるべく意識して自然に触れる時間を持つようにした方がいいというお話だった。

確かに、若い頃、スキューバーダイビングに行くようになって、会社の人間関係や仕事上のイライラや悩みが、どうでもよくなった経験がある。その事を、以前こちらに投稿したが、その時は、物事を捉える視点が変わったからだと書いた。もちろん、それもあったと思うが、一番は、自然に接することで、私自身が人間らしい心を取り戻せたからこそ、イライラが軽減されて一々悩まなくなったのが正解だったのかもしれない。

私たちは、ただ日々の生活をしているだけでも、それだけで、人間の心を無くしてしまう環境にあることを意識して、自分の中にもっと、もっと自然を取り込む工夫が必要だ。

人間よ、自然に帰れ!

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