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【ご心配おかけしました♡】

2日に93歳の伯母が亡くなった。私の父の姉にあたる人だ。父は末っ子で、長男の伯父と真ん中の伯母と三人兄弟だった。私の祖父である「お父さん」は戦時中、早くに病気で亡くなっているので、長男である伯父が父親代わりとなって、家族を支え、下の二人の面倒をみてくれたようだ。「兄貴には頭が上がらないよ。」と、父がよく口にしているのを聞いた。そんな父ではあるが、なぜかお姉さんの伯母に対してはいつも辛口で、「姉貴は何を考えているのかさっぱり分からない。」と不満らしきことをを漏らしていたのを子どもながらに記憶している。まぁ、詳しい事情はよくわからないが…伯母と父は少し距離を置いた関係だったようだ。

姪の私から見た伯母は、いつもケラケラとよく笑う明るい朗らかな人だった。裏表のない、あっけらかんとした性格で、二人の息子のお母さんだった伯母は、女の子がいない分、私をとても可愛がってくれた。私にとっては、優しくて、楽しい伯母だった。

年の離れた三人兄弟の末っ子の父は、たぶん甘えん坊だったのだろう。伯母に対するきつい言葉も、今にして思えば、一種の甘えだったのかもしれないなぁと想像できる。

甘えん坊の末っ子の父が一番先に病気で亡くなり、次に伯父が亡くなり、いつも朗らかで、たくさんのお友だちとゲートボールを楽しむ伯母が最後に残った。

私の母が病気で亡くなってまもなく、父の癌が発覚して入院することとなった。主治医の先生に呼ばれて私と弟で治療の方針を相談に行く時に、心配して、わざわざ遠くから足を運んで一緒に付き添ってくれた。弟も私も母を失ったばかりで、心の行き場がなく、何とも頼りない時だったので側に居てもらって、とても心強かったし有り難かったのをよく覚えている。その後も時々、様子を見に病室にお見舞いにも来てくれて、その後に、伯母と二人で外にお昼を食べに行く時も、いつものように明るく、朗らかに接してくれる伯母に励まされた。

伯母の旦那様も病気で早く亡くなり、二人の息子を女手一つで育て上げた苦労人だったが、私の記憶の中には、明るい笑顔の伯母しかいない。二人の息子たちは立派に成人して家庭を持ち、孫にも恵まれた。晩年、伯母は次男の家族と同居して幸せに暮らしていたが、その次男が突然病気で亡くなるという悲劇に見舞われる。それでも、伯母の明るい笑顔が失われることはなかった。

今回、同居してしていた次男のお嫁さんから、伯母の訃報の知らせを受け取ったのだが、「まだ、受け入れられなくてね。実母の時より哀しみが深いかも知れません。」とメッセージが書き添えてあった。伯母がとても愛されていたのが伝わってくる。

93歳の伯母は、強く、明るく、家族から愛されて生き抜いた。あの世で、旦那様と次男と、伯父と弟(私の父)と義妹(私の母)と笑顔で再会を果たしているだろうか。

そう言えば…なかなか嫁に行かない私をいつも心配してくれたのも伯母だったけ。すみません。ご心配ばかりおかけして。>_<

心からご冥福をお祈りいたします。ありがとうございました。(合掌)

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