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「手ぶらプラン」意外としんどい問題。

週末だというのに超大型台風が迫っておりキャンセルの相談が止まりません。農業だと自然災害の保険ありましたよね?誰かアウトドア産業でもやってくれません?

冗談はさておき、ありがたいことに弊キャンプ場でも夏休みやお盆には多くのゲストにお越し頂いています。いろんなキャンプ場を渡り歩き空いてそうな場所を探してたどり着いた方や、キャンプは初めてです!いろいろ教えて下さい!!な方まで様々。

初心者でも安心!『手ぶらプラン』

初心者の方でも簡単にキャンプを楽しめるよう、弊キャンプ場でも手ぶらプランを販売しています。ちなみにぼく個人の思想から「ガチで手ぶらで来ても大丈夫なようにしたい!」と思ってプランを作りました。たまに「テント・寝袋・イス」程度のセットで”手ぶら”を謳っているキャンプ場を見かけるのですが「嘘やん!自分がキャンプするときは絶対もっと道具いっぱいやん!!!」と思ってます。焚き火台に調理器具、ランタン、最近はカセットコンロまでつけたりと奮発しています。笑

ダッチオーブンやら焚き火台やらギアがいっぱい付いたプランなので、通常の区画利用料よりお高めになっています。キャンプ場としてはこうして単価を上げることをで収益力を高めようとしています。誰でも思いつくアプローチですね。

単価アップは大成功!それでも、、、

『手ぶらプラン』はおかげ様でお盆はフル稼働状態です。予約メールを見てニヤニヤしていた僕ですが、実際に稼働し始めてみて思いました。

「なにこれめっちゃ大変やん!!!」

手ぶらプランを提供するには、各ギアのメンテナンスを自分たちで行わなくてはなりません、それもチェックアウト(11時)からチェックイン(13時)までの3時間で。不可能ではありませんが超大変、僕もスタッフも若いので3時間全力で動いてなんとか終わらせられるくらいです。

たしかに単価は上がったのですが、これはどこのキャンプ場でもできることじゃないな-と思いました。

見えないコスト

今回の反省は「見えないコスト」を想定に入れていなかったことです。もちろんメンテナンスなど多少の労力は覚悟していたのですが、想像の倍以上は大変でした。。通常のレンタル品と違いアイテムを管理棟まで返却してもらう訳ではないので、スタッフがテントまで何度も往復しながら備品の準備・撤収をしていました。※弊キャンプ場は車の乗り入れができません。

30度を超える夏の暑い日には「手ぶらプラン」の対応だけでかなり体力を削られてしまいました。

「手ぶらプラン」はやめた方がいいのか?

結論としては「マンパワーが余っているキャンプ場では有効」だと思います。

弊キャンプ場はぼくもキャンプ場管理人にしては若めですし、スタッフもぼくと同い年の子が来てくれました。ですので体力面では他のキャンプ場と比べるとかなりアドバンテージがあり、チェックアウト~チェックインが大変!と言っても頑張れば普通に終わる程度です。むしろ3時間だけ頑張れば後はわりと暇です。「マンパワー」が余っているのであれば手ぶらプランは単価向上に有効な手段だと思います!なので来年もやります。

ところが"おじいちゃん管理人”のキャンプ場ではそうはいかないと思います。若い人が採用できればいいですが1人で回しているような小規模のキャンプ場だと無理だと思います。お客さんが勝手に来て勝手に帰る普通のプランが1番利益率が良くなると思うので、単価ではなく稼働率を高めることを目指しましょう。(それが大変なんだけど←)

「手ぶらプラン」のいいところ

ちなみに超・事業者目線ですが「手ぶらプラン」は初期費用こそ掛かるもののお客さんにキャンプ用品を買ってもらえる仕組みなので余裕があるならやった方がいいと思います。金持ち父さんで言うところの「他人にローンを払わせて自分が不動産を手に入れる」ってのと本質的に同じです。

まぁキャンプ用品の寿命は長くないものも多いので増えたところでキャンプ場として嬉しいのか!?という部分はありますが、新しいギアをプランに組み込んで積極的に試してみることでユーザーの反応も分かるし色々な気付きを得られます。たとえばこんな感じ。

・ダッチオーブン意外と使われない
→予約サイト、HPには付属されていることが記載されているが、買出しの時にダッチオーブンを使ったレシピが想起されないんじゃないかと想像。ステンレスの良いやつなのに、、、笑 HPにダッチオーブンを使ったレシピを積極的に載せてみようかな?

・カセットコンロめっちゃ使う
→以前キャンプ初心者の方が火起こしに苦労しており夕食の時間が短くなってしまっていたケースがあり、カセットコンロを付けてみたけど超使う。1泊でガス缶1本使う。正月か。

・焚き火台は組み立て方間違える人続出
→購入した時に説明書もついてなかったし「フィーリングでいけるっしょ!」と舐めてたが、人間は完成イメージを全く知らない状態だと組み立てられないことを学ぶ。

↑↑4つの支柱を誤って下向きにした状態で台を載せるパターンが頻発。危険。

まとめ

近年ではグランピングなどお洒落なキャンプも流行っていたりして、これまでキャンプをしたことなかった人でも「きっかけがあればキャンプしたい!」という人は増えています。ただでさえ稼働率の低いキャンプ場ビジネスは積極的に新規層を獲得していかないと、業界としてはいずれジリ貧になること間違いなしなので体力的に余裕あるキャンプ場は初心者の方も気軽にキャンプできるプランを積極的に提供していって欲しいなと思います。


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