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電卓の桁落ち

 計算機は無限に数を扱うことができないからどこかで手を打たないといけない。

 今回は一般電卓の興味深い仕様を見てみよう。

 12桁の電卓の場合は1000億を置数してください。10桁なら10億、8桁なら1000万です。


1000億


10億

 次の数を引いてみましょう。
12桁 99,999,999,999.9
10桁 999,999,999.9
 8桁 9,999,999.9


99,999,999,999.9


999,999,999.9

 この計算の答えはお分かりですね。0.1になります。簡単ですね。=を押して確かめて見ましょう。


1


1

 ※8桁の電卓も同じ結果です。

 えっ?1。おかしいですね。電卓が答えを誤るなんて。故障やバグだSNSにバグだとかインスタ映えすると投稿しないほうがいいでしょう。一笑に付されます。もしかして、大量のリツイートやいいねをもらえるかも。

 種明かしすると、故障やバグではありません。《桁落ち》という性質から来るものです。減算の場合、引けるけた数が減る。どうしてかは各自調べてみましょう。計算機の仕組みが1つ分かります。

 例示した計算の場合、小数部の0.9が無視つまり切り捨てられて計算します。12桁の場合、1000億-99,999,999,999.X(Xは小数点以下第1位)はXに1〜9が入ってもすべて99,999,999,999の整数値として扱われます。

 では、99,999,999,998.9なら1.1が出るのかといえば出ません。これも小数部が切り捨てられ2がでます。

 どういう場合に出るか見てみましょう。

12桁 10,000,000,000.1以上
10桁 100,000,000.1以上
 8桁 1,000,000.1以上

で引いた場合起きます。

 まとめるとこのような条件の引き算に桁落ちが発生します。

一般電卓整数値の最大桁−一般電卓整数値の最大桁−1と小数部

 各自確かめて見ましょう。その他、一般電卓ではどのような条件で桁落ちが発生するか探してみましょう。発見したらSNSに投稿して喜びを分かち合いましょう。

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