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【他社戦略】「強み」とは…なんて考えても意味がない!見るべきものを整理しよう!

水曜日なので今日のブログは【他社戦略】!

強み
よく聞く言葉だけど、ちゃんと強みを考えられているだろうか?

強みというのはその言葉だけから考えていても意味がない。今日はそんなことが分かる事例をご紹介。

花王の衣料用洗剤「アタックZEROパーフェクトスティック」が好調だ。粉末洗剤を水溶性フィルムで包んだ棒状の商品で、計量が必要なくそのまま洗濯機に入れて使える。共働き世帯など家事の「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する層の需要を取り込もうと、年によっては大きく伸びる計量不要タイプの潜在ニーズに着目。2023年8月の発売から約4カ月半で1億本を出荷した。

商品のアイデアが生まれたのは19年ごろ。「洗濯をもっと楽にしたい」という消費者に応えようと着目したのが計量がいらない「ワンショット型」と呼ばれる洗剤だ。「国内市場が1割以上伸びる年もあり、必要とするお客さんがいると確信していた」と開発を担当したファブリックケア事業部の服部裕紀さんは語る。

しかし、既に強大なライバルがいた。P&Gジャパンの「ジェルボール」だ。14年発売の同商品に対抗するには、さらなる強みが必要だった。

そこで打ち出したのが「圧倒的な洗浄力」。消費者の半数程度が頑固な皮脂汚れを落とすため前洗いをしていることに着目し、その手間を省いても襟の黄ばみなどを落とせる点を訴求しようと考えた。

日経MJ 2024/2/5 P4

計量不要タイプの洗剤ってたしかに需要はあると思う。私の妻もこの記事に書かれているライバル商品「ジェルボール」を使っている。

計量不要というお客様のニーズは把握していても、ライバルが強力だから考えなければいけなかったのだろう。だから「強み」をしっかり考えられたのだろうね。


【今回の注目ポイント】
「お客様」と「競合」を捉えて強みを考えている点


<注目した背景>
※何度も読んだって人は読み飛ばしてね
今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」から。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明する。

戦略BASiCSの解説

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論。この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深い。ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけ。詳しくは是非佐藤義典先生の本を読んでみてね。

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多あるが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論。その5つを一貫性具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論。その5つは以下の通り

attlefield (戦場・競合)
sset (独自資源)
trength (強み)
i
ustomer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」。それぞれを簡単に説明すると、
 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし
 :競合が真似できない強みを支える独自な資源を構築し
S :資源を強み(買ってもらえる理由)にし、
 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し
Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう
とこのような考え方で構築される理論。

「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のこと。だけど、これを自社で考えると難しい。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要。

例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたら?『安さ』といっても、高品質なもの。ユニクロと比べて安いか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないよね。

一貫性を5つ全てでとるというのは、非常に難しい。この一貫性だけど、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなる

※3つの差別化軸
佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかない
商品軸:(競合より)高品質・新技術
密着軸:(競合より)個別ニーズに対応
手軽軸:(競合より)早い、安い、便利
強みはこの3つのパターンしかないので、これを考えることで一貫性がとりやすくなる。

例えば、先ほどの縫製技術の話だったら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じ(具体性はないが…)。

これは①商品軸の例。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていくことで、BASiCSの一貫性がとれるようになる。

簡単ではないが、できればとても強い経営戦略となる。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけ!是非この「戦略BASiCS」考えてみよう!!


「強み」を作りましょう!
「強み」を伸ばしましょう!
そんな言葉を言われるけども、「強み」とは何か把握しているだろうか?定義できているだろうか?

佐藤義典先生の戦略BASiCSでは強みはこう定義されている。
お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由

この定義から分かる通り、強みとは
「お客様」と「競合」がしっかり分からなければ作りようがないのだ。

しかし、一般的に「強み」を作りましょうという言葉で、「我が社の強みとは…」と強みそのものを考えてしまっている。それではアイディアが浮かばない。

強みは「お客様」と「競合」が分かってこそ、お客様が求める範囲内で競合よりどこが良いか?という質問に答えるものだ。

「アタックZEROパーフェクトスティック」はその質問に答える形でできたものだろう。しっかり自分たちはどんな強みを持つか?を考えた結果だ。

お客様は計量不要の洗剤を求めている。それは分かった。しかし、市場には強力なライバルがいる。では私達が訴求すべきポイントはどこか?

こんな形で考えていったのだろう。「お客様」も「競合」も考えているよね。

私達も「強み」を考えるのではなく、「お客様」と「競合」をおさえた上で選ばれるポイントは?と考えていこう。それが業績にもつながる考え方だからね!

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2103


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

ご質問等ある方はコチラまで!



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