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【他社戦略】お客様の止まっているポイントを改善しよう!「行動」関門を考えた有隣堂!

水曜日のブログは【他社戦略】の内容でやると決めている。
【他社戦略】は新聞記事などから他社がやっているやり方を学んで自社に活かしていこうという趣旨で書くブログ。

別業界でもやっていることは考え方を押さえれば他社でも活かせる。なので他社のやり方からしっかり学びましょう!

今日紹介するのは「書店」。苦しい業界ですが、どうにかしようと頑張っている。そんな書店の取り組みをご紹介。

老舗書店チェーンの有隣堂(横浜市)は書籍だけではなく雑貨やカフェなどを併設した複合店を広げている。10月に関西初の店舗を神戸市の百貨店「神戸阪急」にオープンし、2024年3月には東京都中央区の東京五輪・パラリンピック選手村跡地に建設中の商業施設にも出店する。松信健太郎社長は「集客できれば書店員の選書力に共感してもらえるはず」としている。
~中略~
有隣堂はJR桜木町駅前の商業施設内の「ストーリー・ストーリー・ヨコハマ」など書籍、雑貨、カフェなどが融合する複合店を広げてきた。東京の日比谷、日本橋、上野でも新しいコンセプトの店舗を運営する。
~中略~
ストーリー・ストーリー・ヨコハマの正面は雑貨が並び、カフェと隣接する。書棚は窓際に配置した。蔵書は2万冊あるが、売れ筋の語学本や学習参考書などはない。ポピュラーミュージック関連本を取りそろえた書棚を作るなど選書はユニークだ。名智理店長(43)は「いまの時代に読んでほしい本を自分の責任で選んでいる」と話す。

日経MJ2023/11/29  P6


有隣堂さんが自信を持っているのは「選書」なのでしょう。年間7万冊の新刊が発売されている現代では、「何を読めばいいか分からない」状態になっている人も多いはず。

そこで信頼できる書店員さんが、いい本をおススメしてくれたら利用側としても嬉しいでしょう。

ただ、良い本があっても来てもらえなければ意味がない!だから雑貨などを置いているんだろうね。

【今回の注目ポイント】
書籍以外を使って「行動」を促していること


<注目した背景>
※何度も読んだって人は読み飛ばしてね
今回これに注目した理論的な背景は佐藤義典先生の、「マインドフロー」から。

*例によって、理論が分かりにくかったら、 佐藤義典先生の理論のせいでなく、私の説明の力量不足。その場合は佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。

マインドフローの解説
販売の理想は、自社(もしくは自社の製品・サービス)のファンを増やすこと。ファンが増えれば当然売上は伸びる。ファンが増えれば、良い口コミを広げてもらえ、さらにファンを増やす原動力になる。

「マインドフロー」とは、お客様が製品やサービスを買ってもらい、ファンになってもらうまでのお客様の「心の動き」を表したもの。

お客様がファンになるまでの「心の動き」は以下の7つの関門を通る。

①認知:お客様が自社の製品を知る
②興味:お客様が自社の製品に、興味を持つ
③行動:お客様が自社の製品に具体的な行動をしようと思う
     (ホームページを見る、パンフレットを受け取るなど)
④比較:お客様が自社と競合他社を比較する
⑤購買:お客様が比較の結果、自社の製品を買う
⑥利用:お客様が自社の製品を使う
⑦愛情:お客様が自社の製品に愛情を持ち、ファンになる。

これだけでは分かりにくいと思うので、私の実体験をもとに新しいラーメン屋のファンになるまでの心の動きを例示。

①<車で走っていて>
 「へ~、こんなところに新しいラーメン屋できたんだ」(認知)
②<ラーメン屋ののぼりを見て>
 「肉そばか~、俺、肉好きだし、おいしいかも」(興味)
③<車をそのラーメン屋に向けてハンドルを切る>
 「昼飯あそこのラーメン屋どうかな?ちょっと見てみよう」 (行動)
④<店の入り口のメニューを見て>
 「ラーメン屋いつも行くとこあるけど、どっちがいいかな?」(比較)
⑤「肉がたくさん入ってそうだなあ。おいしそう!ここで昼飯にしよう!
 肉そばひとつお願いしま~す」(購買)
⑥<ラーメン到着>
 「いただきま~す!おいしそう!」ズルッズルッ(利用)
⑦<食べ終わって>
 「おいしかった!このラーメン好き!よし、また来よう!!」 (愛情)

どうだろうか?例示のように、確かにこの流れで心の中が動いていないだろうか?お客様は、このような心の動きをするので、このどこかで流れが止まるとファンになってもらえない。

先ほどの例で言えば、(興味)のところでのぼりがなかったら、(興味)はわかなかったかもしれない。そうであれば、そのラーメン屋は、私にとって「そこにあることを知っている」だけのお店になってしまう。

お客様にファンになっていただくには、この流れを止めないようにする必要がある。流れが止まっているようなところには必要な対策をしなければいけない

これが、佐藤義典先生の「マインドフロー」なのだ。


今回の有隣堂さんの「強み(お客様に競合ではなく自社が選ばれる理由)」は「選書」にあると考えているのだろう。

これは製造業でいえば「良い技術を持って良い製品作っている」ということだろう。だけど、いい製品があるだけでお客様がくるだろうか?

答えは来ない
なぜか?お客様が知らないから


なんでお客様は良い製品があると知っている?知っているわけがないよね。使ったこともないのに。

これと同じで書店も「入るまでは選書が良いかなんてわからない」のだ。だから大事なことは一度足を踏み入れてもらうこと。「行動」を促すことだ。

そこで有隣堂さんは書籍だけではない店を作っているのだろう。足を運んでもらうために。マインドフローでいったら「行動」関門を超えてもらうために。

「良い商品があれば売れる」そう考えている人はまだいるかもしれない。でも使ってもいない商品が良いかどうかなんて分からない

せめてまずは目にしてもらわないとね。だから有隣堂さんのように「行動」を促すことが大事なのだ。

皆さんの会社ではお客様が止まるポイントはないだろうか?しっかり考えて対策をしていこう。

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2040


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

ご質問等ある方はコチラまで!



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