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ピーチの片道999円から国内全路線セールで考える。同じようなセールをウチはしてもいいの?

航空会社のピーチが「片道999円から国内全路線セール」を開始するらしい。すべてがこの値段ではないだろうが、999円とは安い!

なんか無意味に飛行機に飛び乗ってどこかにいきたくなるなあ。
…予定がもう入っていてちょっと難しいが…

しかし、本当に安いよね。999円なんて(極一部だとは思うが)。それで儲けが出るの?大丈夫??と心配もしたくなるだろう。

でも大丈夫。このセールをすることによるピーチの損失はほぼないだろう(広告宣伝費を使っていたら別だろうが)。

なぜなら航空会社の経費としては、人が1人追加で乗ったからといって増える経費はほとんどないだろうから。

人が1人増えるということは普通の会社で言ったら販売の件数が伸びるということだ。例えば文房具やさんだとしたら、シャーペンを1本売るか、追加でもう1本売れるか、といったこと。

ここで、文房具屋さんだったら、

シャーペンを1本販売するのに1本業者から仕入れをしなければならない。仮に1,000円で買って1,500円で売っているとしよう。

10本なら10,000円払う
20本なら20,000円払う
100本なら100,000円払う

こんな感じで売れる本数が増えれば増えるほど必要な費用が増えていく。これを変動費(販売数量に比例する費用)という。

この変動費がなければ(今の体制を維持する範囲で)売れる数によって経費が変動することはない。

この変動費がピーチはほぼないだろうということだ。お客様が1人増えたからといって追加でかかる費用は?手荷物のタグとかそれくらいだろう。

なのでピーチは空席がある限り999円という破格の値段でお客様を乗せたとしても損失はでないと考えられるのだ。だからこういうことをやるのだろう。

もちろんリスクもある。あまりこういうキャンペーンをやり過ぎるとお客様が正規の値段では買ってくれなくなる。

それに変動費はないとしても固定費、例えば飛行機を1回飛ばすのに使う燃料費はかかってくる。全席999円で販売したらその燃料費の方がはるかに高くなるだろう。

変動費がないから安く売って良いわけではない。
余っている席があるなら
かかる経費は一緒だから安くしてもダメージはない
そう言っているのだ。

変動費がなく、固定費が中心の会社は同じことができる可能性があるが、この点は忘れないで欲しい。余っているならだからね。

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2090


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

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