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ありがとう2021!

高校生の夏、父親を釣りに誘った。
大学には進まず、お笑い芸人になりたいと言った。
父親はこっちを見ること無く、「大学に行け」と一言。

何を話したのか、何が釣れたのか詳しくは覚えていない。

ただ、自分には勇気がなかった。「楽しいことは、大学に出てもサラリーマンでもできる」と言われてしまい、言い返せるようなパワーがなかった。

気がつけば、あれから10年ほど経っている。
Instagramを開けば、友だちの子どもがみるみるうちに成長している。クリスマスにプレゼントを置いている写真が、なんともあったかい。

そんな中、ぼくは自分が書いたダジャレの広告を投稿した。


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あっという間に年末。
今年をすこしだけ振り返ってみたところ、これがなかなか楽しい。
そんなこんなで、ちょっとまとめてみた。お時間あれば。


・大好きな芸人さんの仕事ができた

ひょんなこと。本当にひょんなことからチャンスがまわってきた。どうして自分にまわってきたのかは分からなかったけど、「ミルクボーイをタレントに広告を作るので、コピーや企画を考えてくれ!コピーライターは君だけだから!」と言われた。会社には、ぼくが芸人を好きなこと、ミルクボーイのラジオを楽しみにしていたことはまったく知られていない。なのに、ふってきた。

日の目を見る仕事なんてほとんどなく、楽しいことがやりたいけど実現せず。そんな毎日に拗ねていた自分にとって、とても嬉しい出来事だった。

(くぅ〜〜。本当はもっと攻めた企画がしたかった。ミルクボーイがみんながベタベタ触る、USJのジュラシックパークの安全ベルトとか、ビリケンさんの足とかをもらう企画も出していたが、ダメだった。でも、ご本人もツイートしてくれていて、電車ぜんぶが自分の関わったものでジャックされて、忘れられない仕事になった!)



・メッセージをぶつけられた

奈良新聞で月に1度行われる公募に挑戦した。さまざまなテーマが出され、その中で1番になれたら本当に出稿されるというチャンス。はじめは全然ダメだったものの、挑戦を続けて勝ち取れた。それも2回も。親からは「奈良中をまわって、コンビニで新聞を買った」と連絡が来た。後で聞くと、大阪の支社でふつうに買えたそうだった。

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お題は、2021年の新入生へのメッセージ。

コロナで入学を祝えなかった、2020年の新入生のことも思って作ったもの。新聞いっぱい、15段の広告になった。なにより嬉しかったのは、SNSで、「自分も2020年の入学者なので、うれしかったです」と何通もDMをもらったこと。届いてほしい人に届く。そのうれしさは格別だった。

ちなみに水引きはデザイナーが手作りで作ってくれました。

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お題は、世界郵便デーに掲載する広告。

毎日、新聞を読んでいて、アフガニスタンのこと、香港のこと、ミャンマーのことが気になって仕方なかった。どうにか力になりたい。でも、ぼくにできることなんてあるのだろうか。こんなに遠く離れていて、新聞を読んでいるだけの自分に。そんなもどかしさをぶつけた。ハリウッド女優とはアンジェリーナ・ジョリーのこと。今もなお、気になって仕方ない。これからも、考え続けたい。何かアクションを起こしたい。そんな気持ちでいる。


ほかにも、月1で色んなものを作り続けた。頭をひねった。
届かなかったものでいっぱいだけど、考え続けないと届かない。
そういう意味では、ちゃんと、もがけていた。


・漫才のネタづくりに挑戦できた

ある日、会社からの帰り道。電話を取ると、テレビやラジオで聞いたことのある声がした。さらば青春の光の森田さんだった。「番組の企画で大学生コンビが漫才の賞レースに挑戦する。漫才を一緒に考えてほしい」というものだった。あまりに突然のお話でかなりビックリしたが、二つ返事でOKした。あの頃、漫才師になりたかった自分にとって、自由にネタを考える機会を与えてもらって嬉しかった。


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番組リスナーの大学生コンビのダンボールドルフィンと、カラオケでネタ合わせをした。難しい。お笑いは難しい。ぼくが頭の中で考えていたようには上手くは進まない。言葉のいいづらさ、ニュアンスの弱さ、パンチの効いてなさ。ぜんぶがあからさまになる。何より、自分がスベるのではなく、この2人がスベることになる。それはなんだか辛いなぁと思って、一生懸命やった。「何を必死に」と笑われてもいいけど、「できませんでした〜笑」と言うのは嫌だった。

結果は負けてしまった。予選を通過できず敗退。だけど、ぼくにとっては限りなく青春に近かった。森田さんは番組で「あいつは、会社に通勤するだけの刺激のない毎日やから!」と言っていたが、わりと図星だった。だからこそ、一生懸命やれたと思う。

(いや〜漫才考えるの難しい〜。本当に難しい〜。でも楽しかった〜。もっとやりたい〜!って思った。自分が喋ってやってもみたい〜!)

あと、去年自分が、さらば青春の光につけたキャッチフレーズが、あちこちオードリーでテロップにまでなるという、とんでもない出来事も。

関西では放送されてなくて、翌日起きて教えてもらって、めちゃくちゃ驚いたのを覚えています。

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・大好きなラジオが褒めてくれた

もう随分な期間、ハライチのターンという番組を聴いている。メールも投稿していて、ハライチのふたりに読んでもらっている。ふたりの掛け合いが好きで、澤部さんの家族の話が好きで、岩井さんの嘘の話が好きだ。先日のM-1グランプリは一生懸命に応援したし、その後のハライチのターンは、radikoのタイムフリーで何度も何度も聴いている。聴くたびに、番組内で流れていたスピッツの“グリーン”の歌詞をかみしめる。自分も情念が溢れてくる。ものづくりに、打ち込もうという気持ちがムクムクとわいてくる。この記録だって、ハライチのふたりのおかげで溢れた情念が書かせている。


そんなハライチのターンで、うまい棒川柳というコーナーがあった。内容はそのまんま。うまい棒の川柳を送ること。毎週1通のメールが表彰されて、その人にはうまい棒が600本送られる。

ぼくは、この手のコーナーで選ばれることがほとんどない。1番になれない。突き抜けるような面白さ、上手さが足りないので、いつもチョロっと読まれるぐらいなのがお決まりだった。でも、今回は違った。岩井さんが選んでくれた。それだけじゃなく、番組アカウントで行われたリツイート企画で1番にしてもらい、ハライチのターン賞に選ばれた。「大賞が駄作」という矛盾を起こせて一人で喜んでいたら、翌週、澤部さんがちょっとだけ触れてくれたので、そこも最高潮でした。

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(うれしかった〜!あんまりはしゃぎすぎないようにしてたけど、うれしかった〜!ハライチのターンで選ばれたのがうれしかった〜!)


・しっかりアホをやれた

今週ぐらいから、自分の書いたコピーで作られた、バーゲンの広告が阪急梅田に貼られる。動画やwebはもう出てる。


憧れている広告がいっぱいある。好きなキャッチコピー、好きなCM、好きなデザイン。見た人を勇気づけたり、見た人を明るい気持ちにしてくれる。朝まで語れる。次の日の夜まで語れる。それぐらい広告が好きだ。でも、だからといって、自分がそういうものを作れるわけじゃない。悲しいかな、思いつかなかったり、頓挫したり、理解してもらえなかったりする。自分ができることは、自分の憧れているものとかけ離れている。その悔しさばっかりがのこる。

何を基準に、いい仕事ができたと思うか。何を基準に、ちょっとだけ胸をはるのか。誰かが表彰してくれたら良いけど、そうそう上手くもいかない。上には上がたくさんいる。そう考えると、自分がどんどんちっぽけに感じる。

そんな中、プレゼンを勝ち残って、こうやって日の目をみたダジャレ。ぼくはとても誇りに思う。「しょうもな!」と鼻で笑われても、頭を使って、なんとか辿り着いた自分なりの表現だからだ。


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今年よく聴いた曲のなかに、こんなフレーズがあった。

こんな俺を認めてくれるか?あの頃の俺は惚れてくれるか?

あの頃とは10代の自分だ。釣りに行ったあの日の自分だ。選ばなかった道があって、選んだ道があって、今こうやってジタバタしている。

あの頃の自分がいまの自分を見て、ちいさい頃から何度も通った梅田に、こんなダジャレのポスターを大真面目に考えて出しているのを知ったらどう思うだろう。頭を抱えて、残業して、ダジャレに苦しんでいるのを見たらどう思うだろう。そんなことを考えてしまう。

答えはたぶんこう。「アホやなぁ」。

それでいい。アホであろう。Instagramで子どもの成長を投稿できなくても、芸人として誰かを笑わせられなくても、みんなが見ているテレビCMがつくれなくても、誰も耳を貸してくれなくても。10年前の自分が「アホやなぁ」と言ってくれる大人に。ガッカリされないような大人になってやろうと思うんだ。

いまは、とにかく情念が溢れている。
ものを作ることへの愛と、できないことへの憎しみが混ざってる。

こっからだ。来るとこまで来てしまった。

ルーキーと呼べる年でもない。胸をはれるほど達者でもない。
それでもなお、アホな大人でいなければ。

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最後にいろいろかんがえたり、書いてみたりしたものを載せておきます。

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2021年の夏休みが楽しみになる広告

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環境の日の広告

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敬老の日の広告

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防災の日の広告

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2021年をポジティブに感じられる広告

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佐久間さんのテレ東退社に動かされて書いたもの
(画像は勝手にお借りしてます)

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大好きなラジオ、ダイアンのよなよなが終わると知って書いたもの。

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ほかにもいっぱい考えて、なにごともなく消えてった。
憧れにはまだまだ遠い。

でも楽しかった。今年はいろいろよかった。

ありがとう2021年!


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