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【自分用メモ】リミット緩和された空牙団はどのくらい安定するようになったのか

こんにちは。ShunSです。
3月24日をもって「現環境においては許容である強さである」と判断されたウィズがリミット2指定を解除されました。ドンパ・ウィズの採用枚数を増やせるようになったことで、空牙団モンスターを引きやすくなったことを実感しています。

この記事では、リミット解除によって、手札事故率がどの程度下がるのか、それが勝率にどの程度影響しそうかを調べてみます。需要はないと思いますが、自分用に計算したプロセスや結果が誰かの役に立てば嬉しいと思い公開します。思ったよりも計算が大変だったので、先攻のときの4枚の手札だけを考えることにしました。​

空牙団の勝ちパターンと負けパターン

一般的な勝ちパターンは以下のとおりです。

・ビートから猛スピードで相手のカードを除去しながら横展開
・ワンキル
・ウィズで制圧

一方、以下のような負けパターンが一般的です。

・手札事故
・初動の展開を止められる
・3体のモンスターで場が埋まって動けなくなる
・高パワーモンスターを出される(打点・効果の面で)
・手札リソースが尽きる

これを受けて、私がデッキを構築するときは以下を考慮しています。

・できるだけビートを引くためにデッキ枚数は20枚にする→手札事故防止
・単体で機能する多用途カードを採用する→手札リソースの確保

比較する構築

2020年2月のKCカップで使った構築と、最近の構築を比較します。
ビート3枚、ビート以外の下級7枚、上級2枚、その他8枚

ビート3枚、ビート以外の下級7枚、上級3枚、その他7枚

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手札の良し悪しで勝率がどう変わるのか

過去2回のKCカップのデータを平均すると、先攻/後攻別の手札「良」「中」「悪」別の勝率の平均は以下のようになっています。ご興味があれば私の前の記事をご覧ください。

2019年11月KC(344戦)

・先攻「良」割合 55.5% 勝率 64.9%
・先攻「中」割合 36.3% 勝率 31.6%
・先攻「悪」割合 8.1% 勝率 23.8%
・先攻合計勝率 44.83%

・後攻「良」割合 68.8% 勝率 73.5%
・後攻「中」割合 27.1% 勝率 34.1%
・後攻「悪」割合 4.1% 勝率 28.6%
・後攻合計勝率 61.18%

2020年2月KC(PCでプレイした101戦目以降、277戦)

・先攻「良」割合 53.7% 勝率 61.6%
・先攻「中」割合 43.3% 勝率 32.8%
・先攻「悪」割合 3.0% 勝率 0.0%
・先攻合計勝率 47.41%

・後攻「良」割合 61.7% 勝率 67.4%
・後攻「中」割合 35.5% 勝率 38.0%
・後攻「悪」割合 2.8% 勝率 25.0%
・後攻合計勝率 55.94%

2月のKCでは、11月のデータを元に、先攻である程度戦えるよう、「悪」の割合を減らすようにした成果は出ていました。一方、ブラマジの魔導陣相手に後攻を取ったときの勝率が伸び悩み、後攻で手札が良くても勝てなくなりました。

以上から、大雑把に手札別の勝率を以下のように仮定します。

・先攻「良」勝率 63%
・先攻「中」勝率 32%
・先攻「悪」勝率 10%
・後攻「良」勝率 70%
・後攻「中」勝率 36%
・後攻「悪」勝率 27%

手札の良し悪しの定義

定量的に分析するために、そして計算をある程度簡単にするために、手札の「良」「中」「悪」を以下のように定義します。

「良」
・(1) ビートあり+その他の空牙団モンスター1枚以上
・(2) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスター2枚以上+空牙団上級モンスター1枚以上

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「中」
・(3) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスター1枚+空牙団上級モンスター1枚以上
・(4) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスターが複数種類+空牙団上級モンスターなし
・(5) 空牙団下級モンスター1種類のみ+空牙団上級モンスターなし(「悪」よりの「中」)

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「悪」
・(6) 空牙団下級モンスターなし

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計算

あとは高校数学の「場合の数」「順列」「確率」「補集合」あたりを思い出しながらひたすら計算します。同名カードもそれぞれ区別できるものと考えます。Googleスプレッドシートにあった=PERMUT()という便利な関数を使いました。

すべての場合の数は
先攻時(4枚)はPERMUT(20, 4)=116,280通りです。
後攻時(5枚)はPERMUT(20, 5)=1,860,480通りです。

新構築・先攻時

(1) ビートあり+その他の空牙団モンスター1枚以上
(a) ビート1枚の場合。
ビートの選び方は3通り。ビートの並べ方は4通り。
残りの3枚について、すべての場合の数はPERMUT(17, 3)=4,080通り。
残りの3枚について、ビート以外の空牙団モンスターを引けない場合の数はPERMUT(7, 3)=210通り。
3*4*(4080-210)=46,440通り。39.9%。
(b) ビート2枚の場合。
ビートの選び方はCOMBIN(3, 2)=3通り。ビートの並べ方は4*3=12通り。
残りの2枚について、すべての場合の数はPERMUT(17, 2)=272通り。
残りの2枚について、ビート以外の空牙団モンスターを引けない場合の数はPERMUT(7, 2)=42通り。
3*12*(272-42)=8,280通り。7.1%。
(c) ビート3枚の場合。
ビート以外のカードを7枚から選んで順列を考えるだけ。
7*4!=168通り。0.1%。
合計54,888通り。47.2%。

(2) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスター2枚以上+空牙団上級モンスター1枚以上
(a) 空牙団上級モンスターが1枚の場合。
上級の選び方は3通り。上級の並べ方は4通り。
残りの3枚について、ビート以外の空牙団下級モンスターが2枚の場合の数は、PERMUT(7, 2)=42通り。それ以外のカードの選び方は7通り。並べ方が3通り。
ビート以外の空牙団下級モンスターが3枚の場合の数は、PERMUT(7, 3)=210通り。
3*4*(42*7*3+210)=14,616通り。11.3%。
(b) 空牙団上級モンスターが2枚の場合。
上級の選び方は3通り。上級の並べ方は4*3=12通り。
残りの2枚について、空牙団下級モンスターの場合の数はPERMUT(7, 2)=42通り。
3*12*42=1,512通り。1.3%。
合計14,616通り。12.6%。

(3) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスター1枚+空牙団上級モンスター1枚以上
下級の選び方は7通り。並べ方は4通り。
(a) 上級が1枚の場合、選び方は3通り、並べ方は3通り。残りの2枚の場合の数はPERMUT(7, 2)=42通り。
(b) 上級が2枚の場合、選び方は3通り、並べ方は3*2=6通り。残りの1枚の場合の数は7通り。
(c) 上級が3枚の場合、選び方は1通り、並べ方は3!=6通り。
7*4*(3*3*42+3*6*7+3*1*6)=14,616通り。12.6%。

(4) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスターが複数種類+空牙団上級モンスターなし
直接求めるのが大変なので、ビートなし・上級なしのすべての場合PERMUT(14, 4)=24,024通りから、(5)(b)と(5)(c)と(6)(a)を引いて計算する。
24024-(3696+2184*2)-840=15,120通り。13.0%。
なお、100%から(1)〜(3)、(5)、(6)を引くとなぜか240通り分の計算が合わない。でもKCの2ndステージが始まってしまうのでこのまま公開してしまいます。

(5) 空牙団下級モンスター1種類のみ+空牙団上級モンスターなし
(a)ビート(3枚入っているカード)の場合。
1枚の場合、選び方は3通り、並べ方は4通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 3)=210通り。
2枚の場合、選び方は3通り、並べ方は4*3=12通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 2)=42通り。
3枚の場合、選び方は1通り、並べ方は4*3*2=24通り。他のカードの選び方は7通り。
合計3*4*210+2*12*42+1*24*7=3,696通り。3.2%。
(b) シール(3枚入っているカード)の場合。
上記(a)と同じで、3,696通り。3.2%。
(c)ドンパまたはリコン(2枚入っているカード)の場合。
1枚の場合、選び方は2通り、並べ方は4通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 3)=210通り。
2枚の場合、選び方は1通り、並べ方は4*3=12通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 2)=42通り。
各合計2*4*210+1*12*42=2,184通り。1.9%。
合計3696*2+2184*2=11,760通り。10.1%。

(6) 空牙団下級モンスターなし
PERMUT(10, 4)=5,040通り。4.3%。
(a) ただし、このうち空牙団上級モンスターも引いていない場合の数(4の計算で使用)は、PERMUT(7, 4)=840通り。0.7%。

上記より、新構築・先攻時に予想される手札は
「良」47.2+12.6=59.8%
「中」12.6+13.0+10.1=35.7%
「悪」4.3%

旧構築・先攻時

(1) ビートあり+その他の空牙団モンスター1枚以上
(a) ビート1枚の場合。
残りの3枚について、ビート以外の空牙団モンスターを引けない場合の数はPERMUT(8, 3)=336通り。
3*4*(4080-336)=44,928通り。38.6%。
(b) ビート2枚の場合。
残りの2枚について、ビート以外の空牙団モンスターを引けない場合の数はPERMUT(8, 2)=56通り。
3*12*(272-56)=7,776通り。6.7%。
(c) ビート3枚の場合。
ビート以外のカードを8枚から選んで順列を考えるだけ。
8*4!=192通り。0.2%。
合計52,896通り。45.5%(-1.7%)

(2) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスター2枚以上+空牙団上級モンスター1枚以上
(a) 空牙団上級モンスターが1枚の場合。
上級の選び方は2通り。上級の並べ方は4通り。
残りの3枚について、ビート以外の空牙団下級モンスターが2枚の場合の数は、PERMUT(7, 2)=42通り。それ以外のカードの選び方は8通り。並べ方が3通り。
ビート以外の空牙団下級モンスターが3枚の場合の数は、PERMUT(7, 3)=210通り。
2*4*(42*8*3+210)=9,744通り。8.4%。
(b) 空牙団上級モンスターが2枚の場合。
上級の選び方は1通り。上級の並べ方は4*3=12通り。
残りの2枚について、空牙団下級モンスターの場合の数はPERMUT(7, 2)=42通り。
1*12*42=504通り。0.4%。
合計10,248通り。8.8%(-3.7%)。

(3) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスター1枚+空牙団上級モンスター1枚以上
下級の選び方は7通り。並べ方は4通り。
(a) 上級が1枚の場合、選び方は2通り、並べ方は3通り。残りの2枚の場合の数はPERMUT(7, 2)=42通り。
(b) 上級が2枚の場合、選び方は1通り、並べ方は3*2=6通り。残りの1枚の場合の数は7通り。
7*4*(2*3*42+1*6*7)=8,232通り。7.1%(-5.5%)。

(4) ビートなし+ビート以外の空牙団下級モンスターが複数種類+空牙団上級モンスターなし
100-(45.5+8.8+7.1+10.0+6.8)=22.0%(+9.0%)

(5) 空牙団下級モンスター1種類のみ+空牙団上級モンスターなし
(a)ビート(3枚入っているカード)の場合。
1枚の場合、選び方は3通り、並べ方は4通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 3)=210通り。
2枚の場合、選び方は3通り、並べ方は4*3=12通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 2)=42通り。
3枚の場合、選び方は1通り、並べ方は4*3*2=24通り。他のカードの選び方は7通り。
合計3*4*210+2*12*42+1*24*7=3,696通り。3.2%。
(b) シールまたはリコン(3枚入っているカード)の場合。
上記(a)と同じで、3,696通り。3.2%。
(c)ドンパ(1枚入っているカード)の場合。
1枚の場合、選び方は1通り、並べ方は4通り。他のカードの選び方はPERMUT(7, 3)=210通り。
1*12*42=504通り。0.4%。
合計3696*3+504=11,592通り。10.0%(-0.1%)。

(6) 空牙団下級モンスターなし
PERMUT(11, 4)=7,920通り。6.8%(+2.5%)。

上記より、旧構築・先攻時に予想される手札は
「良」45.5+8.8=54.3%(-5.5%)
「中」7.1+21.8+10.0=38.9%(+2.8%)
「悪」6.8%(+2.5%)

まとめ・考察

・手札が「良」の確率が 5.5% 増え、勝率の変化量は 63 * 5.5% + 32 * (-2.8%) + 10 * (-2.5%) = +2.3% になることが予想されます。
・環境の変化やプレイイングの方がよっぽど勝率に影響しそうですが、手札が安定するだけで例えば勝率が52%から54%になると考えるとかなりの変化です。
・気力がなくて計算していませんが、後攻はもともと手札がよい確率が高いことを考えると、勝率への影響は1.5〜2%くらいだと推測します。
・リコンをもう1枚増やしたりするとまた確率は全然違ってくると思います。
・初手でリコン2枚だけを引く事故率が減ることを予想していましたが、ドンパ2枚だけを引く確率も上がっているため、その影響は限定的のようです。
・ドンパのシャインがもう1枚欲しいので、今後も月に650ジェムずつ(ランク戦の報酬分)ミニボックスを引いていきます。

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