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【備忘録】南国日記①

引っ越してから新しい寝床に体が慣れて、「安心して就寝していいよ!」と合図を出すまで、大体4日くらいかかる。珍しく今日の朝はスッキリと目覚めたのだった。ゲストハウスの他の客に聞こえないようにと、控えめなアラーム音で静かに起き上がる。僕の部屋は半個室(ゲストハウスだから完璧に個室はダメらしい)だから、どのくらい外に音が聞こえているかはわからない。ゲストハウスだから、少しだけシャワーが離れてる。近くに行くと水の流れる音がして、「昨日の深夜にお客さんがチェックインしたんだな」と気づく。

割と勢いで来た。4月終わりに「移住したい」と半ば冗談で言い出してから、何人かに連絡して、長期インターンという形で実現した。留学の時も、引っ越しの時もそうだったが、直前まで準備しないので、全く実感のないまま新天地に飛び立つ。どこか白昼夢のような、ふわふわした感じで5日間を過ごしている。全く知らない土地で、全く知らない人と、何をするかわからないまま毎日起きて、自炊もして、大学の授業も受けている。不思議だ。

ほとんど下調べもせずに福島県いわき市に来たわけだが、到着するやいなやこの場所の虜になった。いわきは東北のハワイといわれ(ハワイアンズもあるけど)、日照時間が東京よりも長いことで有名だ。まさにハワイのようにちょうど気持ちいい、暑すぎず寒すぎない風が吹いている。訛りもそこまで強くないものの、イントネーションがどこか優しい。静かな街、広い空。文化や芸術の下地もあるように感じる。野菜も魚も美味しいものが揃っている。何よりも、タイトニットなコミュニティを肌で感じられるような気がする。震災を機に、街全体で頑張っていこう!という思いで一致団結したそうだ。その覚悟は今でも伝わる気がする。

あまりうまく言葉にすることができないけど、ここはソフトパワーがある街だな、と感じた。35万人のいわゆる中都市。面白い。僕が拠点にしているのは、そんないわきのランドマーク的なレストラン兼ゲストハウス。とにかくここの社長のエネルギーがすごい。物事の本質を理解して、他人を巻き込みながらアクションしていけるような人だ。うちの大学でワクチン接種始まっちゃったから秋学期はオンキャンパスかもしれないけど、とにかくこれから3ヶ月面白いことになりそうな予感!

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