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SimpleFormに参画しました&1年経ちました

はじめまして、SimpleFormの中野と申します。
こういった形で記事を公開するのも初めてなのですが、一部の皆様にしか、今何やっているのか、きちんとお伝えできていなかったこともあり、筆を執ることにしました。

本日は、6年お世話になった政府系金融機関を卒業し、SimpleFormというスタートアップに参画した経緯、1年間やってきたこと、今考えていること、などを書いてきたいと思います。

学生時代の知人に読んで欲しいくらいのものですので、内容の稚拙さについてはご容赦ください。

SimpleFormとは

主に金融機関様向けに、デジタル前提の情報基盤を提供するスタートアップです。

取引のスピードが早くなり、しかも非対面で完結する、そしてそれらがどんどん加速化する中、取引の主体となる法人や個人事業主のアイデンティティ(「そもそも存在するのか」「何をやっているのか」)を、追求し続けています。

そして、そのデータ・情報を最適な形でお客様に届ける、実際の審査業務で使えるものにする、ことに心血を注いでいます。

現在は大手の金融機関様に深く貢献できることに焦点を当て、プロダクト開発も、お客様との議論も進めています。

いわゆる「審査/調査」×「デジタル」の領域ですが、金融機関特有の規制に関する事情や、機微な情報・データを取り扱うことになることの手当、など、この領域の面白さや難しさ、この領域を我々が選択している理由などは、また別のところに譲りたいと思います。

ちなみに、サービスサイトはこちらになりますので、ご関心あればご覧ください。
https://simplecheck.site

創業から2年半、サービスの正式リリースから1年弱、3度のエクイティ調達を実施し、お客様は大手金融機関様を中心として50社近くになります。正社員は30名規模になり、オフィスは2回移転しました。

5年で社会に対して一定の価値を届けるとした創業計画に照らせば、折り返し地点です。

まだまだではありますが、強いチームメンバーに恵まれ、着実に歩を進めてられていると思います。

中野の自己紹介

長野県で生まれ、そこで18年過ごした後、大学進学と併せて上京、東京生活は10年が経ったくらいです。

長野では、主にサッカーとテストで点を取るための勉強に勤しんできました(もっと本質的な学びをすべきだったと後悔してます笑子供に託します笑)。

大学では、特に何もしていなかった1、2年生。遊びまくった訳でもなければ、単位を落とす勇気もなく笑、なんとなく人生の休暇期間と、自分に言い聞かせて過ごしていたように思います。

3年生になり、ゼミ活動が始まり、これにはそれなりに打ち込みました。HR(Hunman Resource)を研究するゼミでしたが、ディベートや海外企業訪問などの機会に恵まれ、楽しい日々を過ごしました。

4年生になり、やりたいことを見つけられていなかった僕は、就職偏差値ランキングなるものを見て、その上から受けていたような感じでした。
その中でも、当時、この人かっこいい!と思ったゼミの先輩が偶々いた政府系金融機関(SimpleFormの代表田代も会社の先輩ですが、田代ではありません笑)を受け、運よく入社させていただきました。

最初の2年間は、国内外の火力発電所に融資をする、「プロジェクト・ファイナンス」の領域に従事し、ExcelやPowerPoint、ドキュメンテーションはこの時期に学びました。

残りの4年間は、投資をする部門で、デットとエクイティの中間的な性質を持つ「メザニン・ファイナンス」や事業再生やバイアウトなどの「エクイティ投資」に従事させてもらいました。
幸運なことに、当時の上司に恵まれ、投資先に役員として派遣していただき、コロナ禍の資金調達を担うことや事業会社の大先輩たちと一緒に働く経験もさせていただきました。

SimpleFormに参画する前の24年間を総括すると、このような感じです。

ちなみに、家族にも恵まれ、SimpleFormと同じ誕生月の子供もおります笑。

SimpleFormに参画した理由

実際にはそんなに仰々しいものではなく、間違いなく楽しい、絶対いける、みんな幸せになれる、みたいな感じでしたが、あえてまとめると、

  1. 個人的な生き方との親和性

  2. 領域とチームの納得感

  3. 勘と確信

です。

1.個人的な生き方との親和性

まず、僕自身は、もともと目立つタイプではありません。
多分偉そうにしていたので、無駄な影響力を発揮するなと担任の先生から怒られた気もしますが笑、学級委員長は絶対やらないタイプでした。

目立ちたくないけど、周囲に対して影響力を発揮したい。
根拠のない自信もあるので、それを可能な限り多くの周囲に対して発揮したい。
みたいな、気持ちだったんだと思います。

目立たなくとも、社会になくてはならない存在になる、当たり前すぎて誰にも感謝すらされないかもしれない、この会社としての在り方に、自分を重ねた、というか心から共鳴しました。

今や1年経つので、自分がそういう会社づくりの一翼を担ってしまっているのかもしれません笑。

2.領域とチームの納得感

もちろん、「金融」という自分自身が関与してきた領域であることは、非常に大きかったと思います。

課題への共感も、それを解決したい思いも、これらを自分ごととして捉えることも、かなりの解像度で感じることができました。

また、僕自身も一から事業を創ってみたいと考えていたこともあり、最初に選ぶ領域として、納得感が高かったんだと思います。

更に、そこに挑むメンバーとそこに自分がいること、その組み合わせというかチームとしての一体感が、より説得力を持って、自分の選択を勝手に後押ししたのだと思います。

自分を含めたこのチームで、この領域で社会に価値を届けていきたいと、心から思えた、ということかと思います。

3.勘と確信

少なくとも次の10年、自分と自分が現状影響を及ぼせる範囲に、最もレバレッジをかけられるのは、ここだ、と「確信」しました。

自分自身、起業を考えていたことは先の通りですが、この会社で自分が何かしらの形で作用する方がいいと思い至りました。

田代を含めたチームや解こうとしている課題、出来上がりつつあったプロダクトを改めて見て、間違いなく社会に必要だなと。

おこがましいですが、そしてこれが社会に届かないとすると、自分のせいだなとすら思いました笑。

何があってもそうなってはならない、「勘」ですが、投資家側の立場にいたこともあった自分を信じられたのだと思います。

要は、自分が生きるどの世界線がもっとも社会が前に進むか、そして自分も幸せか、ということに対しての賭けであった訳ですが、今やより強い確信に変わっています。

なんかこう書くとすごく迷っていたみたいですが、実際には一切迷ってないです笑。
他の選択肢は何か別の事業を始めようとするくらいでした。

SimpleFormでの役割

色々と担っている役割や任せてもらっていることはあるのですが、要は何をしているのか、何をしないといけないと考えているのか。

創業期に参画した方は、みんなそうだろ!と感じると思いますが、ご容赦ください。

これまでやってきたこと

一言で言えば、最初のころは、社長室長みたいな感じです。
ちなみに社長室には私しなかったので、全然、室長ではないです笑。

まだ構想段階のプロダクトの開発を、実際にお客様と議論して、改善して、修正していく。
そして、それをなんとか導入いただき、少しでも貢献できるか、検証をしていく、更なる活用余地を提案していく。

また、エクイティもデットも、ファイナンス回りを支援する。
実際に採用活動をする。拡大するチームに対する人事施策を考える。

こういったことも代表の田代と共にやってました。

その他にも、我々のプロダクトの特徴の一つであるマンパワー部隊に入隊する笑。
初めて公に出ることになる時に広報活動をする。

などもやってました。

誰もいなかったからです。

足元は、銀行様など一部のお客様を担当させていただきながら、組織・ファイナンスなどのコーポレート回りに、一層時間と脳みそを使わんとしています。

「色々な領域を死ぬ気でやる」ということで価値貢献しようとしてきましたが、これからはそうはいきません。
会社の成長のために、僕自身が、もっと進化する必要があります。

多分健全なことの表れですが、いい意味でストレスもすごくかかってきました笑。

本質的な役割

読まれたことがある方も多いと思いますが、『爆速成長マネジメント』という本の通り、創業者の比較的苦手な部分を担う(創業者は得意な部分にできるだけ特化すべき)、それこそが企業価値を一番伸ばせる、と考えてやってきました。

ちなみに、田代はどちらかというと万能型であり、総合力が高い、と僕は思っています。

そうなると苦手な領域を見つけるのは難しい訳ですが、これだけ多くの時間を過ごしていると、何となく、霞んで見えてきた気もします。

正確に言えば、苦手な領域がどこかというより、より得意な領域はここだなと分かるようになってきました。

そして、組織も拡大する今、それ以外の領域を可能な限り奪わなければと特に強く思っている訳です。

僕も、いつまでも、社長室長ではいられません。

少なくとも今この瞬間、自分が尽力すべき領域は、前よりも明確になってきており、ここで結果を出すことだけを考えています。

今特に考えていること

一言で言えば「組織」です。
結果的に大学時代のゼミの研究領域に少し近づきました。

しかし、大学時代に学んだのは、急激に規模を拡大する「スタートアップ」のHuman Resourceではありません。

枠組みだったり考え方は参考になっても、5年で社会に一定の価値を届け、10年で社会の公器になろうとする会社には、全く通用しないかもしれません。

痛みを伴うリスクも大きい、より柔軟でいなければならないことも多い。

界隈の皆様には当たり前だと思いますが、もう少し言葉を補うと「足元の成長を止めない、それでいながら長期的に強くなる組織づくり」を実現しなければなりません。

いわゆる30人の壁も近づいています。

コミュニケーションの設計、文化の継続的強化、マネジメントのマネジメント、強力な同志の採用…

周辺領域で言えば、それを実現する会社の魅力のデリバリー(広報)、全ての活動に影響を与え得る資金面の堅牢さ(ファイナンス)…

課題は山積ながら、今消すべき炎を見極め、適切な水の量で消化する。
組織活動が、真に企業価値向上に繋がるようにするために、努力する日々が続きます。

個人的な試練

僕が担おうとしている役割は、これを本当の意味で実現しようとすると、少なくともこの瞬間の僕には全く容易ではないです。

ただ、僕自身これをやりたいし、これを僕自身がやることがSimpleFormのためになると確信しています。

「人としての成熟」「抽象を扱う力」「勇気と腕力」を身に付けなければなりません。

このために、恐らく黙ってても経験することになるであろう「死線」を多く乗り越えたいと思っています笑。

人としての成熟

もはや個人的な人生の目標です。一朝一夕にはいきません。敢えて言うのもダサいですが、書きます。

ただ、どれだけ能力がすごくても、少なくとも僕は、これがないと意味がないなと、この1年で強く感じました。

日々のメンバーとのコミュニケーションや家族との付き合い方、全てに表れてくるものと思います。

未熟な僕は、家族との付き合いにおいて、これが少しだけ熟れたものになる感覚に何回か出会いました。

今もまだまだで、家族からは笑われてしまうかもしれませんが、毎日ちょっとずつ熟れていきたいと思っています。

抽象を扱う力

本来的には具体が得意なタイプです。
発散と収束で言えば、収束。

この具体・収束に自信を得てきた一方、抽象・発散には心を折られた1年でもありました。

表面的でない、血肉になる形で知識を身につけ、本当の意味で洞察し、発想していくことが必要だと思っています。

情報を得るんじゃなく、抽出して取り込む。それをきちんと使う。使う場面を最大化する。
言うは易しですが、僕にはめちゃくちゃ難しいです。

勇気と腕力

2歳の子供が喋れるようになってきて、アンパンマンのマーチや忍たま乱太郎のオープニングテーマをよく口ずさんでいるのですが、

ハッとさせられます笑。

子供から教えてもらえるとは思いませんでしたが、この年になっているからこそ、持ちにくいものであると思います。

僕自身の環境で言えば、偶々、これを十分に発揮できる環境があります。

そしてその結果として、色々と予期せぬことが起こると思います。
思えば若い頃から、こういったことは極力避けてきたように思います。
言い換えると、勇気を出した結果としての「死線」の数の少なさにコンプレックスがあります。

子供を見習って、「勇気」を振り絞って、結果としての「死線」をたくさん乗り越える必要があります。

SimpleFormの今後

SimpleFormは進化し続けています。
そして僕自身がもっと大きくなることで、更に進化を遂げるようにしていかなければなりません。

仮に10年という時間軸で見たとき、時間的にも2合目です。
ホッケースティック曲線で言えば、2合目にも達していないとも思います。

まだまだやるべきことはたくさんあり、そして、増え続けます。

何もないところから、本気で社会に価値を届けようとすれば、当たり前のことだと言われます。本当にそう思います。

それくらい長い旅に出ている、大きな船に乗ろうとしている、ということです。

さて、SimpleFormは、今後更なる価値を届けていくために、「金融ドメインへの深いダイブ」、「プロダクトの指数関数的成長」、「インフラのインフラの構築」を推し進めていきます。

「金融ドメインへの更なるダイブ」は、有難いことに多くの金融機関様に利用をいただけるようになってきた今、更にここに深く貢献していきたいというものです。
業務の複雑さやシステムの堅牢さ、変わりゆく規制への対応、など真に業務で活用いただくには、多くの乗り越えるべきハードルがあります。
非常に難しいですが、お客様と共に課題を解決していくこと、それを日本を支える素晴らしいお客様と取り組めること、とてもやりがいのあることです。

「プロダクトの指数関数的成長」は、やはりこれまでマンパワーも活用して集めてきたデータを進化させていくことに帰結します。
日々変わりゆく法人・個人事業主のアイデンティティを追い続けることは、やはりとても険しい道のりです。
ただ、我々にしか検知できない情報やデータを手にした時、さらに広大な世界が広がっていることは間違いありません。
更にはそれを適切にお客様に届けることが必要であり、それを支えるシステムやセキュリティもこれまで以上に、発展させていかねばなりません。

「インフラのインフラの構築」は、企業活動全般を指します。
ビジネスとプロダクトは、当然ながらたくましい支えがあってこそ、フルスイングできるものです。
特にSimpleFormの事業ドメインやサービス内容としては、これらが一層重要と考えています。
関係者に信頼をいただく広報も、調達余力の確保としての財務も、強い組織づくりとしてのHRも、日々大過なく進むアドミン業務も、より柔軟かつ盤石にしていく必要があります。
インフラとなろうとしている企業のインフラはどこまでも強くなければなりません。

最後に

中野もSimpleFormも非常に元気です。

今回は、所信表明的な記事のつもりでしたが、「会社のことをもって知ってもらいたい」「事業を共に創っていく方ともっと出会いたい」という想いも、途中から出てきてしまいました。

SimpleFormのことを、正しく、より多くの方に知ってもらえれば幸いです。

あまり公に出ていない、我々SimpleFormの最初にして最大の広報物である田代の創業時のnoteに準えて、こんなに長いNote投稿は最初で最後にします。

少しでもご関心を頂けた方は、お気軽にご連絡ください。
https://www.facebook.com/shunn76

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

SimpleForm
中野


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