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データアナリストという名のクエリライターにならないために

多くの組織でデータアナリストという職種ができてきたように思う。しかし、データアナリストとは名ばかりのクエリライターになってはいないだろうか?

データアナリストとは何なのか

データアナリストをまず定義する必要があるように思う。私の考える定義は「経営やプロダクトにおける意思決定に際して、データにを用いた提案業務を行う」である。

クエリライターとは何なのか

クエリライターとはその名前の通り、ただSQLを書いてほしいという依頼に答えるだけの人のことである。意思決定をするのは他の誰かであり、その他の誰かが作りたいストーリーに必要なデータを抽出するだけの存在である。

データアナリストをクエリライターに変身させてしまう原因

原因は2つ。1つが依頼者のデータアナリストに関する理解、もう1つがアナリスト自身のマインドである。もし分析組織がある場合、マインドにはチームのスピリットも含まれる。依頼者がデータアナリストと仕事をしたことがない場合、意思決定の目的を明確にしないまま、とりあえずデータ抽出を頼むケースが非常に多い。本来どのデータを抽出し、定義し、分析するのかは意思決定者とデータアナリストが共に考えるべきだが、ここの理解をしていない人が依頼すると「依頼する人とクエリを書く人」という構図になる。こういった場合なんとなく知りたい指標が羅列されているケースも多く、数値を出しても使われないことも多い。

もう1つはアナリストやチーム自身のマインドである。「意思決定に資する分析しかしません」という態度が重要で、依頼者の雑さを受け入れてクエリを書くだけになるかそうはならないようにするかの瀬戸際である。初回で依頼者を啓蒙し、「データアナリストとはこういうものだ」と理解してもらうこと。また、それに見合ったアウトプットを出すこと、これらをすることでクエリライターにならずにすむ。また、最初の一人がクエリライターになってしまうとその後その組織における「データアナリスト」は全員クエリライターになる覚悟を持たなければならない。

最後に

なぜこんなことを書いたかと言えば、アナリストスピリットが最高レベルの会社から、自分と数人しかクエリを書くことができない会社にやって来たからである。当然自分の職務とは関係ない(メインはプロダクトマネージャーとオペレーション構築であるため)「クエリ書いて」がたくさん飛んでくる。忙しさを理由に「オッケー、かいとく」とやってしまうと何も面白くない「クエリライター」という仕事をこの世の中に増やしてしまうことになる。気を付けよう。

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