僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズミッションを観た感想

観た後の昂った気持ちのまま書き殴った文章なので、観てない人にとって何言ってるかわからんかったらすみません(観ている人もなにいってだこいつってなるかも)。

ヒロアカ現放映中のアニメを観ている人向けにあらすじを簡単に説明すると、個性が世代を経て進化していくとそのうちコントロールできなくなるっていう個性終末論とかいうソースがないものを信じてる今回の敵の親玉「フレクト・ターン」がカルト宗教(ヒューマライズ)の指導者で、人類救済(笑)と称して無個性だけの世界を作ろうと個性持ちの人たちを暴走させる爆弾を全世界にバラ撒いたんで、それをあらかじめ察知して世界規模で動いていたヒーローたちが止めるよ!って感じの話。

今回要になるオリジナルキャラであるロディがデクと出会い、衝突しながらも共に過ごすうちに信頼するまでになり、最後はデクとのチームワークで勝利をおさめるというわかりやすいが、ここがかなり重要になるというアツいストーリーになっている。

まず一番最初に話したいことは、ロディの個性を開示するタイミングが秀逸で、終盤になるまで明かされないんだけど、それまで爆弾を止めるためor今回の敵役(フレクト・ターン)を怯ませるようなカギになる個性なのかなと思わせるような構成になっているのが素晴らしかった。少なくとも俺はずっとそんな感じで疑ってた。

結局その正体は、ずっと一緒にいた鳥(ピノ)に自分の本音が反映されてしまうという個性で、恐らく見返せばずっとピノのリアクションがロディに反したものになっているはず(弟妹の前ではロディと同じかも)。

この個性が役に立つのは、デクを奮い立たせる最善の一手になるわけだけど、この直前くらいに明かされる個性なので、明かされたとき「そうきたかー!」と思わず心の中で唸ってしまった。
もっと直接的に干渉する個性(と言っても何も検討はついていなかった)だと思っていたので本当に不意を打たれた感じ。ピノがただのマスコットではなくなった瞬間だし、その裏切り方は思いつく限りで一番最高だったと思う。わかった人おるんかな。

それと観てるとき俺察し悪すぎたなぁと思ったことがあって、フレクトはロディの父親なんじゃないかとか思ってたけど、そんなことはなく、ロディは父親が自らフレクトの元に行ったせいで自分たちが苦しんできたと思い込んでずっと過ごしてきた背景があったんだけど、実際は研究者だったため無理矢理拉致されて爆弾開発のために働かされており、悪いのはすべてフレクトだった。なんかフレクトの背景が描写されないから、たびたび出てくるロディの父親との思い出シーンが意味深に思えてフレクトと親子かなんかなんじゃないかと思ってた。思い返せば父親の名前が出ていたり、パズルを解いて出てきたのが解除キーなんだから悪いやつじゃないってのはすぐわかるんだけど、ちゃんと頭で整理出来ていなかったんだなと思う。

その他の魅力としては、とにかく最初から最後まですべての事柄を力技で解決していくところ。
エンデヴァー事務所のインターンであるデク・爆豪・轟くんが最終的に敵の本拠地に攻めざるを得ない状況になって、それぞれ分かれて敵と戦うんだけど、全員ほぼ気合いと根性だけで最後は倒し切る。これがめっちゃアツくて良い。こまけぇことはいい!とにかく全世界の人達のため俺たちが負けるわけにはいかねーんだよ!っていう気持ちがめちゃくちゃ伝わってくる。
これはこの三人だけじゃなく、世界中で散らばった爆弾をなんとかしようとしてるヒーローたちもそうで、とにかく皆が一丸となって立ち向かってる姿が描かれているので、サブタイトルである「ワールドヒーローズミッション」というのが説得力を増していたように思う。
三人が本拠地に向かう理由も、最初にデクのヘルプメッセージに気付いた轟くんが勝手な行動で爆豪を引っ張って行った結果なんだけど、あそこで他の人に報告はしてるし、他のヒーローは別に対処中で行けないって理由付けはされている。
無理矢理に感じる人もいると思うけれど、この辺をちゃんと描写しているのは素晴らしいなと感じた。

で、敵の本拠地で戦う三人なんだけれど、皆倒す直前までめっちゃ苦戦する。これがいい。敵が本当に強そうで「えっ、これ勝てないんじゃね?」と思わせる。負けるわけないと思いながらも勝つヴィジョンが浮かばない。いや本当に。それくらい敵が強かった。

特にデクと対峙する敵役であるフレクト・ターンは反射の個性を持っているんだけど、マジで全ての攻撃を跳ね返すんでどうやって攻略すんのかわからんかった。デクも考えてるんだけど全然答えが出ない。劇中でこいつに関して触れる場面が殆どないので弱みになりそうな事柄に予想が出来ない。

デクとの戦闘している最中(前だったかな)に己が世界を変えようとしている理由は吐露するんだけど、その理由が「生まれたときから反射の個性を持っていて両親やその他大切な人たちに触れることさえ出来なかった。こんな個性を望んでもいないのに持ってしまった自分は不幸だ。個性なんてこの世からなくなればいい」って感じで、最初にこれ聴いたときは正直そりゃ辛いわな。って同情した。個性終末論を掲げるだけの理由はちゃんとあるんだなって思った。メタ的な見方だけど、個性ってあるだけで危険だと思うしね。普通に考えたら持ってるだけで危険視されて隔離されるような存在だと思う。とある魔術の禁書目録の学園都市みたいにね。この作品の世界ではヒーローを始めとした色んな機関で人々を守ってるんだろうけど、ヒーローだって完璧に使いこなせてない人が多いのに、自分の望まない個性を持って不便してる人はたくさんいるよなぁっていう説得力があった。

その後ボロボロになったデクの前にロディが来て、弟と妹が住んでいる地域だけは爆弾を起爆しない条件で解除キーを渡すように見せかけて、最初に書いた本音を隠せないピノのおかげで嘘を言ってることに気付いたデクが不意打ちを仕掛けて、その隙にロディは爆弾のメインコントロールに解除キーを使うため走る。ここがマジでアツくて、ロディの個性とデクへの信頼が明確に描かれた素晴らしいシーンだった。

そして気合いで復活したデクはパワーアップして反射の個性をも上回るほどのパワーでついには押し切って勝利する。その際にフレクトの堕ちた理由に対していくら反射する個性でもこうして打ち破れる。お前はそれを諦めたんだって言ってて、こいつ自分の行動で相手に何も言わせない説得力を無理矢理作りやがったってなった。最後まで力技。フレクトも何も言えない。

そのやり方は君だから出来たのであって、流石にちょっとフレクト可哀想じゃねーかなぁと思ったけど、デクのやり方じゃなくても何かしら道はあったのかもしれないなとは思った。

デク含め三人共勝つんですけど、とにかく最後まで諦めない気合いだけで勝ちをもぎ取ったって感じで、その泥臭さはむしろ清々しくて良かったように思う。

いやー本当に最後まで絡め手を使わないまっすぐなストーリーでとても見やすく、そしてアツくなれた良い映画だった。ヒロアカかくあるべしって感じで個人的には三作中ダントツでこの映画が一番面白かった。

不満は殆どないというか、個人的にはないんだけど、熱心なファンには今回メインになったエンデヴァーインターン組以外のキャラにはあまりスポットが当たらなかったのが不満に感じるかもしれない。インターンに行っているいくらかのキャラには見せ場のシーンはあるが、数カットなので物足りない!って思う人もいるかも。それを考慮しても一丸となって皆で戦っている感はすごく出ていたと思うし、大きな不平不満は生まれないと思いたい。

何はともあれ、今年観たアニメ映画では随一の面白さと満足度だった。感想を拙いながらも書こうと思わせるくらいの映画だったので、多分一生忘れないと思う。

観たあとで思い返しながら書いた感想なので、間違っている部分もあると思います。大きく間違っていない限りはご容赦いただけると幸いです。

最後まで読んで頂いた方がいらっしゃれば本当にありがとうございます。こんな拙い文章、しかもほぼ書き殴っただけのものを読もうと思って頂いただけで嬉しいです。もし少しでも興味が湧いたらこの映画を観てみてください。

それでは。

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