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『シン・ニホン』アンバサダー養成講座を終えて

この度『シン•ニホン』アンバサダー養成講座を終えて、アンバサダーとして就任させていただくことになりました。簡単に経緯を振り返ってみようと思います!

■本との出会い

「あ、俺まずいかも」

それが最初の感想だった。
手に持っていたのは、書店に並び始めたばかりの『シン・ニホン』。白とオレンジを基調としたその本の副題には「AIxデータ時代における日本の再生と人材育成」と書かれていた。

巷にAI、ビッグデータ、機械学習、ディープラーニングというタイトルの書籍が並んで久しい。そうした類の本が自分にどんなインパクトをもたらすのか実感できていなかった私がその本を手に取った理由は、今となっては定かではない。茫漠とした不安が、自分の中に形成されていたのだろうか。

そうした、今にしてみれば「なんとなく手に取った本」がその後の自分の思考や行動を変え、素晴らしい人たちとの出会いに繋がっていくとは想像だにできず、奇縁を感じている。

■危機感

『シン・ニホン』が言及している事柄は多岐に渡る。一読して私は焦りを感じた。

具体的には
「理数系のリテラシーが無いと、近い未来に人材の波の中に埋もれてしまう」
「自分はさらにコモディティ化してしまう」
「何者でもない者になってしまう」
などだ。

私はいわゆる文系大卒のサラリーマンだ。大学受験の際は理系志望だったので初歩的な数学は習っているが、大学で講義は取っておらず知識は錆び付いている。専門的な技能はなく、第三者に証明できる理数系のリテラシーは無い。しかしこの本には、「データxAIの世界で戦うにあたり、日本には理数のリテラシーをもった人材が少なすぎる。これからはそうした人材を増やしていく必要がある。そして日本の未来を担うのはそうした理数系の素養を持った人たちだ」という趣旨のことが書かれていた。(少なくとも自分はそう受け取った)
現状に照らしてみると『シン・ニホン』が思い描く日本再興の未来の中に自分はいない、そんな気がした。

■行動、そして養成講座へ

何をやれば良いかわからない。しかし何かしなくてはいけない。そうした曖昧な焦燥感に突き動かされた私は、ひとまず『シン・ニホン』でも言及されている「データxAIの力を解き放つスキルセット」である「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の内、理数(統計数理)が含まれる「データサイエンス力」にリソースを割き行動した。

具体的には以下のようなことだ。
①大学教授が講師となる統計学の有料講義を受講(9万くらいかかった)
②統計検定へトライ(ネットでは「楽勝」と書かれていた3級が不合格だったときはさすがに凹んだ)
③CourseraでRや機械学習、データアナリスティックの有料講義を受講。特に機械学習はまだ私には手に負えず、初歩的な線形代数、行列から勉強する必要があるとわかった。

行き当たりばったりの当時の行動を振り返ると恥ずかしい限りだが、自分が「データの収集やそのファクトをどのように読み解き解釈をするか」という分析が好きなことがわかり、自己の再発見に繋がったのは収穫だった。
また、非常に大雑把ではあったが、自分が抱いた不安を解消することが出来始めてきたような気がしていた。
そうして、ここで1つの問いが私の中に浮かぶことになる。
「他の人はこの本を読んで何を感じ、どんなことをやっているのだろう」
そうしてある意味不純(?)な動機で私はシン•ニホンアンバサダー養成講座へと参加した。

■養成講座

シン・ニホンアンバサダーとは、主に読書会を通じて残すに値する未来を参加者と考えていく存在だ。
養成講座では、毎週木曜21時から約2時間にわたって、『シン・ニホン』に関係する「問い」と呼ばれるテーマについて、ファシリテーターを立て、メンバー間で議論をする。「問い」はあらかじめ決まっているものではなく、メンバー相互の意見交換の中から滲み出してくる。

自分以外の人たちはどんなことを考えているのだろうか、という単純極まりない好奇心で参加した私だったが、そこには、さまざまな年齢層、バックグラウンド、そして(自分の動機が恥ずかしくなるような)深い課題意識を持った素晴らしい方々がいた。

魅力あふれる方々とお話しできたことには、大変な刺激を受けた。ときには有志で居残り、深夜にまで話が及ぶこともあった。養成講座が終わって時間が経った今、心に喪失感を覚えている。

■主語を「私」から「あなた」へ
“I”から”YOU”へのインターフェースとしての『シン・ニホン』

『シン・ニホン』に影響を受け学習し、養成講座に参加し、たくさんの人たちと意見交換をしたこれまでの数ヶ月を振り返ると、冒頭の私が感じた焦りの主語は、あくまでも「自分(わたし)」だったことに気付く。

さまざまな課題意識を持っているメンバーと養成講座で議論を繰り返す内に私の『シン・ニホン』の受け取り方は「個人の生存戦略」から「私たちの子孫に対し、残すに値する日本の未来を『みんなで』どのように形作っていくか」を論じた本である、というものに次第に変わっていった。

日本を変えていくアクションを担う主語は、最初は「わたし」でいいのかもしれない。しかし個の力には限界があるのは周知の通りだ。次のフェーズにおいては、「わたし」から「あなた」へとバトンを渡していくことが必要条件だといまは感じている。

この世の中には、私たちと同じベクトルで考え行動している人々、逆に日本に絶望し、諦めている人々などさまざまな考えの方がいると思う。
私はこの『シン・ニホン』を、そうした人たちとの対話をつなぐインターフェースとして活用していければ良いと考えている。

自分の中の足りないを埋めるための単なるモノローグの道具ではなく、ダイアローグのツールとして。

最後に、アンバサダー養成講座をともにしたメンバーを、自分なりの言葉で紹介してみたい。

・強靭な思考力と少年心を持つチャーム溢れる「おっくん」さん
・海外生活やスポーツで培った広い視野と好奇心、度胸を持った長男の「けいじ」さん
・一度この人の授業を受けてみたい、そう思わせてくれる「しんや」さん
・柔らかい空気、地に足付いた切り口で議論を作っていた「ここなっつ」さん
・丁寧に議論を進めようとしていた姿が印象的な「たつき」さん
・ご自身の持つ課題意識と向き合い続け、突き詰めていく思索家の「ひで」さん
・議論を俯瞰して”so what?”を投げ込み、場を活性化させていた「yurina」さん
・その行動力とエネルギーに周囲の誰もが影響を受ける「もんちゃん」さん
・傾聴と包容力、ユーモアの心で毎回の議論を楽しく牽引されていた「さゆさん」
・圧倒的なご経験と利他の心で安心感溢れる「ゆうや」さん
・愛され上手、チャーム溢れる「なるみん」さん
・貴重な海外勢、時差に負けない熱い人「めぐみ」さん

また、この運営を担ってくださった方々には感謝してもし切れない。
・優しさの中にもズバッと本気度が伝わる言葉を放てる人、「いーぶん」さん
・的確なコメント、ユーモアたっぷり銅像建てたい「だっちー」さん
・その一挙手一投足、発言に全員が注目していた「ふるふる」さん
・場を和ますプロ、チャームの塊「えみちゃん」さん

一読者として、書店で著者からのメッセージを受け取り、ワクワクと焦燥感入り混じる気持ちになったあの時を忘れずに、これからも影ながら活動をしていきたい。

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