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年の瀬の監獄へ 【前編】(2024~2025 年越し最長大回り)

最長片道切符の記事はこちら

最長片道切符【9日目】

(更新したら貼ります。)


年越し大回りとは

下図のような「大都市近郊区間」と呼ばれる指定された区間内であれば、実際に乗車した経路にかかわらず最安になる経路で計算した運賃で列車に乗車できるという特例がある。この特例を使ってあえて遠回りで乗車することを「大回り乗車」という。

東京近郊区間

そしてこのエリア内を一筆書きの要領でルートを選んだときに最長となる経路が北小金駅~馬橋駅のルートだ。距離は1,035km。しかし、このルートには一つ致命的な問題がある。あまりにも距離が長いため1日で移動しきれないという問題だ。この距離は東京駅から新山口駅や倶知安駅までにおおよそ等しい。新幹線ですら移動手段の少数派になるような距離をひたすら在来線で移動していく。

それにしても、1日で移動できない距離をどのようにして移動するのか。ミソは「継続乗車」という制度だ。これは入場後にきっぷの有効期限が切れてしまっても途中下車をしないでそのまま旅行を続ける場合に限り、きっぷの券面に表示された着駅に向かうことができるという制度だ。通常なら終電後は駅から出る必要があるが、大晦日は終夜運転が行われているため、区間によっては事実上終電がない。そのため、改札を出ずに2日間に渡って大回りをすることが可能になる。これが年越し大回りだ。

年越し大回りの最長ルートは本千葉駅から蘇我駅までの「6の字」とするものもあるが、現状では解釈が分かれている。個人的には現状では黒に近いグレーに感じているので、伝統的な?北小金駅発を選んだ。懸念されている問題が解決したらこちらのルートでも乗車してみたい。

1日目

ついに始まる。しかし、わくわく感というか、高揚感というものはない。自分がやりたくてやっているわけだが、なんとなく気分が乗らない。

いつもなら細かく予定を立てるのたが、今回は行き当たりばったりで進んでいく。全行程はおおよそ36時間かかるらしい。北小金駅では同業者らしき人がちらほらみられる。

もう後戻りできない。

まずは友部駅を目指して常磐線を下っていく。

1本目 各駅停車 我孫子行

2本目 快速 取手行

我孫子駅始発に乗り換え。

3本目 普通 高萩行

外は既に明るくなったようだ

友部駅では少し長めの乗り換え待ち。

久しぶりの水戸線。少なくとも1年ほどは乗っていないと思う。水戸線に乗ると、せっかく水戸の手前まで行ったのに、宇都宮のかなり手前に戻される感じがするのであまり乗らない。

4本目 普通 小山行

途中安全確認を挟んだものの無事小山駅に到着。両毛線への乗り換え客がぞろぞろと連なって階段を進む。

5本目 普通 高崎行

少し冷えていた体が足元から温まり、眠けを誘う。うとうとしているうちに高崎駅に。技能実習生なのか東南アジア系の人が多いように感じた。

旅路はまだまだ長いのに早いことに北関東三県はもう終了。

どうも逆光にすこぶる弱いようだ。

NewDaysで駅弁を調達したものの、ロングシートなので断念。峠の釜めしが1,400円もするのには確かに驚いたが、片手に酒を持ってワイヤレスイヤホンで電話しながら話相手に共感を求める姿は、端からみると少し怖い。

6本目 普通  普通 熱海行


前々から降りてみたいと思っている深谷駅。なかなかタイミングが合わない。

思ったよりもバッテリーの減りが早いので、確保できるうちにバッテリーを確保しておきたい。しかし、新幹線改札内にしか借りられるバッテリーが無いので新幹線改札へ向かう。

大回り乗車中でも新幹線改札に入れることは聞いたことはあったが、実際に入ったのは初めてだ。入場券を買うときにきっぷを持っているかは聞かれたが、大回り中と申告しても特に何もお咎めはなかった。大回り乗車中に新幹線改札内へ本当に入れるようだ。

無事バッテリーを入手し昼食をとってから再開。

ちょうど行ってしまったようだ。

次の電車でも八王子駅に着く時間は変わらないが、せっかくなので乗車。

7本目 各駅停車 川越行

調べた通り川越駅で少し待つことに。

8本目 各駅停車 八王子行

フードにマスク、マフラーという少し怪しい出で立ちの人が車内でひらすら電話をしているのは気になったが、無事に八王子駅に到着。

9本目 各駅停車 東神奈川行

橋本駅で相模線に乗り換え。

10本目 各駅停車 茅ヶ崎行

千鳥配置のLCDは少し不便だと思うがどうだろうか。せめて停車駅の案内くらいは有ってもいいだろうに。リニア開業の暁には湘南と神奈川県駅を結ぶ重要路線になるのだろうか。

いよいよ夜の部が始まった。

11本目 快速 高崎行

大船駅からは根岸線まわりで鶴見へ向かう。

12本目 各駅停車 南浦和行

鶴見線用のE131系の車体はストレートになっていて、相模線とは少し異なる印象を受ける。

貫通扉はダミーらしい

13本目 各駅停車 扇町行

浜川崎駅では一度改札の外に出て乗り換え。

14本目 各駅停車 尻手行


乗客のほとんどは鉄分濃いめの人だろう。

似たような黒い上着を着た集団が川崎行のホームに向かう。蟻のようだ。

15本目 各駅停車 川崎行

尻手駅→川崎駅→品川駅→武蔵小杉駅とどこか見覚えのあるルートを進む。

16本目 普通 籠原行

写り込んでいるのはバッテリー

年が明けるまであと数時間。いつもよりも少しばかり人が少ない気がする。まだまだ先は長い。

17本目 普通 久里浜行

18本目 各駅停車 武蔵溝ノ口行

武蔵溝ノ口駅にて後続の稲城長沼行に乗車。

19本目 各駅停車 稲城長沼行

年越しそばでも食べようと登戸駅で降りてみたが、改札の外だったので断念。後続の立川行に乗車。

20本目 各駅停車 立川行

神奈川県の部分は終了。立川駅の立ち食い蕎麦屋は既に閉まっていた。

21本目 快速 東京行

西国分寺駅で武蔵野線に乗り換え。

22本目 各駅停車 南船橋行

武蔵浦和駅で一度埼京線に乗り換え。ホーム上は風通しが良く、風が吹くとかなり冷える。

23本目 快速 新木場行

24本目 各駅停車 大宮行

今度は京浜東北線で南浦和駅に向かう。

南浦和駅着。

危うく乗り過ごすところだった。

25本目 各駅停車 東京行

再び武蔵野線で西船橋駅を目指して進んでいく。乗り換えの時間がかなりタイトだが、なんとか総武線に乗り換えられた。

26本目 各駅停車 千葉行

折り返し津田沼行に

年を跨ぐ前に千葉駅に着くことができた。

あと数秒。

本日は千葉まで。良いお年を。

追記

今後の更新予定

大まかに以下の順で更新していく予定です。

  1. 年越し大回り

  2. 18きっぷ

  3. 最長片道きっぷ【続き】

最終更新 2024/01/05

更新履歴

2024/01/05 記事公開

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