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天皇シャーマン説は誤解に過ぎません

やあ、ボクは國學院大學卒業生の悪意表出ソムリエだよ、よい子のみんな元気かなー?

前回は皆さんが拗らせてる【ボクの私の国家神道】を粉砕しちゃって御免なさいネ。

今回は【天皇はシャーマンだから否定されねばならない】という勘違いに反論させて貰いますよ。

前回の記事【天皇という職業】

まず、シャーマンの定義ってご存知かしら?
日本国内では現世利益を保障するオカルト系呪術サービスを提供する職業と看做されてるんだよ。
オカルト系呪術サービスは、占いとか御神託(口寄せ)とか悪魔祓いとか呪殺なんかのことだよ。
これら呪術サービスは今現在、皆さんの迷信心につけ込んだ霊感商法でもあるから、詐欺とほぼ同じってこと、リテラシーの高いよい子は知ってるよねー?
でも、詳しくないよい子のために説明しましょっかー。

◆宮司と拝み屋は分業

皆さんは神社の宮司を除霊屋さんとかオカルト屋さんだと思ってませんか?
それは誤解ですね。
ほとんどの神社では、オカルト系呪術サービスを提供しません。
特に神社神道の派閥では、呪術サービスを提供するのは宮司の禁じ手とされています。
もちろん反動の大きな個人崇拝につながり易いので、大まかにはそれを避けるため禁じ手とされています。
宮司が神(現人神)になりかわってはいけないんです。
神社の宮司が氏子の方を集めて、自分を崇拝させたのが発覚すると、あっという間にクビになるでしょ?
そういう事件がある度、報道されてるじゃないですか。
詐欺などと同じで、人さまの心の隙間に付け入る犯罪行為なんですよ。

宮司は神に頼みごとをする職業であって、清浄な状態を保つ必要があります。
宮司は現世利益を一切保障しませんし、心のお悩み相談も受けません。
心のお悩み解消だって、現世利益の範疇ですよ。
それに、個人のお悩みを宮司が一々抱えていたら、赤の他人の心の闇を背負うことになりますよね?
対面で人さまの悩み事を聞くのは、心身の負担がとても重たいことです。
本来ならカウンセラーや相談員に聞いてもらうべき呪詛を、直にドロドロと流し込まれるんですから。
神に頼みごとをする以上、神社の空間や宮司の心身から闇や穢れを除去し続ける必要がありますので、そういうのは却下している訳ですよ。

オカルト系呪術サービスは個人的な心の悩みを解消するために受けるものであって、医療が発達する前の時代までは、主に拝み屋が受け持っていました。
「のんのんばあとオレ」で、しげーさんに妖怪の話をたくさん教えるお婆さん(のんのんばあ)が拝み屋ですね。
のんのんばあのおうちは、オカルト系呪術サービスを生業にしている拝み屋の世帯なんですよ。
宮司が現世利益を保障しない分、迷信深い人たちの迷信心補填や不安解消が必要で、そのために拝み屋が生業として成立するのです。

神への頼みごとは宮司へ、個人的な頼みごとは拝み屋へ、そういう分業が成り立っているんですよ。

拝み屋の食い扶持を奪うのも避けないといけませんよね?
この分業を無体に統合する必然性もないでしょ?
拝み屋と同類の職業は元々たくさんありますよね?
沖縄のユタ、青森のイタコ、高知のいざなぎ流祭文、祈祷師、陰陽道、密教調伏などなど。
みんな、宮司と違う分野を受け持って来た拝み屋で、元々は彼らが呪術文化の担い手な訳ですよ。

◆呪術各種紹介

ものすごく大雑把に言うと、日本の呪術は、他者や外界を遠隔操作する技術を指します。
ほとんどが非科学的な旧い手法で、客観的に見てどれも信頼性に欠けます。
現世利益を望むにしても、神頼みなら自分の足でお百度参りする方がよっぽど達成感があると思われます。

・占い
未来の様子や他者の心中などを外側から推し量るのが占い。
「もののけ姫」でアシタカの村のお婆さんがやってますね。
あてずっぽうな当て推量であって、これは賭け事と同じです。

・霊媒、口寄せ、御神託
他者や外界の力を乗り移らせる媒介道具がメディウムつまり霊媒、そして自らメディウムとなる職業が霊媒師。
霊媒の口を通じて死者との対話を叶えるのが口寄せ。
神の声を代弁するのが御神託で、自らを霊媒として神を乗り移らせ、神の言葉を出力する口寄せです。
口寄せと御神託、これらは変性意識(トランス)状態となる様式が多く、ヤクでラリってる人の妄言を聞くのと同じで、客観的な信頼性が全く担保出来ません。

・悪魔祓い
憑物を落とすのが悪魔祓いですが、憑物に憑かれていると呼ばれる状態こそが精神的な疾患の証左であり、本来なら患者として医療に繋げるべきです。
悪魔祓いと称して患者を虐待するなど以ての他、ただの暴力に過ぎません。

・呪殺
呪文や儀式などによる遠隔操作で他者の心身を破壊し、死に至らしめること。
多くはパフォーマンスに過ぎません。
つまり、やってるフリ。
こんな不確かなもので大金を取るのは詐欺行為です。
世相の乱れた時に行われる密教調伏系の呪殺パフォーマンスが存在しますが、実際に殺す事が目的ではありません。
アレは一種の抗議活動で、【今の世の中は危険だよ】という注意喚起目的で行っている様なものですから。

・スピリチュアルカウンセラー
キリスト教圏の神懸り的な教義を持つカルト的なホメオパシーの類いです。
日本国内では無免許で治療者を騙る霊能詐欺師でしかありません。
スピリチュアルカウンセラーの本場はイギリスという事なので、日本国内の宮司がこの分野に手を染めていたら、宮司職の資格を返上のうえ、イギリスへ渡って禄を食んで頂くのが筋かと。
例えば江原啓之とか、江原啓之とか、江原啓之とか。

◆天皇はシャーマンの仕事をしない

天皇はシャーマンの仕事をしません。
天皇は宮司の日本代表であって、神に頼みごとをする職業、飽くまでも清浄な素面の人間です。

宮司職日本代表であれば、清浄さを保つ必然性も日本で一番ですよ。
天皇はシャーマンの仕事で個々人の闇を引き受ける訳には行かない、そういう事はフツーの理屈で判るんじゃないの?

今は信仰心や宗教で国をひとつにまとめる必要なんてありません。

シャーマンを別個に立てるスタイルは古代の責任回避方法であって、21世紀の現在に於いてそれをやってしまうのは余りにも危険が多い。
信仰心という心の隙間につけ込んで、誰かを人柱にするってことなんですから。
それが今のいま、許されると思いますか?

政教分離の原則は、そうした過去の反省から定められたものですよ。
神道文化が権力闘争に取り込まれてしまうからこそ、戦後以降は天皇が象徴とされているんじゃないですか。
忘れてもらっちゃ困りますよ。

皆さんがそう闊達に天皇シャーマン説を唱えるんなら、敢えて、天皇がシャーマンの仕事をすると仮定しましょうか?
そしたらどの呪術サービスをやる可能性があると思います?
前段で呪術の信頼性をひとつずつ潰したばっかりですよね?
天皇が担うなら、やっぱり御神託ですか?

自身が霊媒となって神をおろすのは、当人の素面が保てず、記憶も覚つきません。

対策として記録係やら別の霊媒やらを揃えて云々?

それは大川隆法の霊言のやり方ですよね?
アレを本気で信用して構わないんですか?
むしろ、あの様式のどこに信頼性があるのか、教えて欲しいくらいです。
大川隆法の処では、徹底的に下調べをしてから、霊言の本番に臨むのだそうです。
それは原稿ありきの予定調和であって、何一つ御神託ではないですよね。
紙芝居と大差ないので、わざわざ実行する必然性は皆無ですよ。

責任逃れのための御神託分業なんてね、そんなのは最も卑怯なやり口です。
縦割り行政の縦割り数をまた増やすんですか?
誰が受け持つにしても却下ですよ、却下。

ATG映画「卑弥呼」をご覧なさい、一神教で国を牛耳って行きたい政治家たちによって、御神託を受け持った呪術師が闇に葬られますから。
架空の世界を丸ごと信頼しろなんて言いませんけどね、起こり得る事態のヒントにして置くのはアリなんじゃないですか?
それもフィクションの役割の内ですよ。

皆さんは天皇や皇族に対して、そういう事を本気で望むんですか?
天皇にシャーマンの仕事を受け持たせ、皆さんの憎むアベさんの代わりに詰め腹を切らせたいんですか?
アベさんの政権をそんなに長く続けさせたいんですか?
そこまで嫌らしい事を想定してるんですか?
何のために?

責任逃れのための分業なんてそんな甘っちょろい事、誰にも許してはなんねーよ。
誰も赤の他人の人柱になりたくないんだよ。
人口は減るのだから、無駄な犠牲も減らしてかないと。
だからこそ、21世紀の大人は自分で責任取らなきゃいけないんですよ。

それとも何ですか?
占いの結果通りに莫大な資金を投じて年がら年中遷都したら、皆さんは満足なされるんですか?
そんな事したらね、験担ぎのために国が破産しますよ。
本末転倒この上ないことですね、下らない。 (´<_` )

◆形だけの神道

お参り、初詣、挙式、葬式、墓所、これらの迷信心問題が全て解消しない限り、形だけ神道を使う人はいなくなりません。

お子さんの通過儀礼や初詣など、定期的に神社へ行きたいんでしょ?
それで気持ちをスッキリさせたいんでしょ?
今はそれで気が済むんでしょ?
自宅よりも清浄な空間に出掛けて、リセットしたいんでしょ?

それらの動機を迷信として破棄して行けば、神道や神社の役目は終わるんですよ。

他に何をどうしたくて、辞めろだの続けろだのを求めてるの?
その動機や理由、意外と誰も説明しないですよね?
自分で説明出来ないんなら、それは保留しとかないと後悔する事にならないですか?
何となくのノリで大きな事を決定してたんじゃ、後悔する羽目にしかならんですよ?

様式だけでも当面残す必要があると、前回言った通りですよ。

天皇や皇室への信仰や忠誠心を強制されている訳じゃなし、どうしてそんなブラック経営者のやる気搾取みたいに糾弾しなくちゃいけないのか、当方は理解に苦しみますよ。
他の人が何かを信仰するのはその人の勝手です。
信仰しないのも勝手だし、別にそれはいいんじゃないですか?
個人の私生活や内面に公の手を入れさせたら、どれだけ不自由な事態になるのか、考えたことあります?

信仰心の欠落した当方が考えている事だって、霊感商法や似非科学の被害を減らす為にも迷信を減らし、神道文化の様式がもうしばらく残った方がいい、その程度なんです。

もうちょっとドライに行けませんかね?

そして、天皇家があるため差別されるとか、天皇家があるから同性婚が出来ないとか、その様な思い込みをされている方々、どんな理屈でそうなるのか、お教え願えないでしょうか?

なお、この記事への反論は、ある程度の説得力を持っているケースのみ対応致します。
単なる逆上はスルー致します、悪しからずご了承下さい。

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【参考文献】

水木しげる「のんのんばあとオレ」講談社漫画文庫
小松和彦「日本の呪い」光文社知恵の森文庫
山岸涼子「日出処の天子」白泉社
楳図かずお「イアラ」小学館 Kindle版

【参考資料】

「卑弥呼」
監督 篠田正浩
主演 岩下志麻 草刈正雄
アートシアターギルド配給
1974年公開

allcinema
卑弥呼のページ
https://www.allcinema.net/cinema/144656

旧い時代のシャーマニズムのあり方を脳内シミュレートの様に提示してくれる映画作品。
全体的には、愛憎と権力争いのグチャドロ古代世界が推測で描かれている。
映画マニアには不評だが、諸星大二郎ファン必見の一作。
土着の神に土方巽が配役されている事が意味不明と解釈されがちだが、暗黒舞踏がキリスト教成立以前の土着信仰をテーマとしている故、この配役は正解なのである。

【大川隆法霊言の仕組みソース】

YouTubeえらてんチャンネル

大川隆法氏ご長男宏洋氏による解説動画

https://youtu.be/EdkRjUm6HmQ

(ごっつのボインファイブみたいに呼ぶのやめいっw)

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【奥付】

天皇シャーマン説は誤解に過ぎません
2019年11月7日初版発行
記憶・考案・記述・権利保有
©夙谷稀

※引用の要件を満たす場合は権利者の許諾を不要とする。
但し、盗用剽窃行為に対しては、法的措置を執らせて頂く。
言葉盗人知識盗人の方々はお覚悟召されよ。

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アテクシは一介のサブカルクソ野郎で結構で御座いますよ。