残念ながら友達です。
私には1人の変な友達がいます。
高1のクラス替えの日、前の席だった。
高2のクラス替えの日、また前の席だった。
高3のクラス替えの日、またまた前の席だった。
つまり3年間出席番号が前後だったのです。
別にしゃべりはするけど仲良くなかったし、
お昼を食べたり登下校する友達は他にいる。
ただ何かにつけて独特のからみ方をしていた。
そして大学にはいったら、
あろうことか借りた物件が徒歩1分だった。
なんの相談もしてないのに!!
私たちは、自分たちを、
「残念ながら友達です。」とよく言ってた。
なにかが不服なわけではないんだけど、
残念ながらという言葉の不本意さ・自らの意志に依らなさが、私たちにぴったりくるのです笑
つるみはしないけれど、
お互いがピンチのときよなよな駆けつけた。
私が全身アトピーで皮膚がなくなったとき、
自身のためには一生しないであろう自炊を
私のため一緒にしてくれた。
あの時スーパーのレシピで作ったタコのカルパッチョ、初めてカルパッチョという単語を知った。
私がすべての人と連絡をたったとき、
彼女ともう一生会えないと思った。
それが悲しくて悲しくて、
でもしょうがなくて、
スピッツの「僕はきっと旅に出る」をずっと聞いていた。
そんな彼女と何の因果かまた出会い、
こうしてよなよな話を聞いている。
私がすごした全身やけどみたいな日々が、
思いがけなく彼女の助けとなる。
生き方もセンスも違うのに、
人生のタイミングと心根のある一点が合致している。
そういうことから深まる景色を見るたびに、
宇宙の整合性を垣間見る気がする。
そしてこれから続く長い旅に彼女の気配があろうことを、
残念ながらとても嬉しく思う。
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