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きょうだい日和(5分の3)

2番目が東京出張にきた。

晩ご飯食べながら話を聞いていると、仕事で自分の一山を越えたんだなというのが、発する自信でわかる。
いろいろ迷ったりむかついたり怖かったりしながらも、自分の目の前に現れているものに身体であたっていくと、こうなっていくんだな。
すごく励まされた。とは2番目には言ってないが、すごく励まされた。

翌日は3番目の試合を見に行った。

3番目は大学野球をしていて、今年がラストイヤーだ。
2番目とはるばる遠征しリーグ戦を見に行った。
試合ではぼちぼち活躍、チームは勝った。
夏みたいに暑い日で青空がきれいだった。

夜は3人で焼き肉、私の誕生日祝いである。

きょうだいがトリオ以上で会えるのは珍しい。
いろいろ話しながら、3番目の進路の話になる。
社会人野球の球団に内定しており、
最初の2年本気でプロにとってもらえるよう頑張る、
それ以降は他の好きなこと・興味あることを
もう一回見つけたい、とのこと。

3番目はほんとに私のきょうだいと思えないタイプ。
彼は口数が少なくいつも黙ってにこにこしてるのだが、根っから鷹揚な人間だ。
例えば私ならとっくに野球の謎の連帯責任・上下関係に唾を吐いてやめている。
彼はひどいな~そういうこともあるんだな~~と思いながら黙々と練習していると、物事がすぎていく。
そして、誰にも嫌なものを残さず、気づいたら周りの人みんなに好かれ、キャプテンに担がれるのである。(キャプテン時代もいつもにこにこしてるだけで、周りが勝手にがんばる)
ほんと性質の違いというか、自分や自分の友達に全くいないタイプなので、いつも「ほぉ~~!!」と思いながら話を聞いている。

そんな彼にも、悩むことがあるんだなあということをたまに感じる。
最近はもっぱら、「好きなことがない」ことに気づいたようだ。
野球はずっとやっていたしもちろん好きだが、三度の飯よりも~~とはならない、それやってた間に他の経験を全くしていない、と。
でもまあ、こつこつこれから、見つけていくわ、といっていた。
私は彼の、芯の芯は自分が納得するまでやめない驚異の粘り腰を知っているので、彼なら牛のように歩み通すだろう、と思った。

2番目が2泊したあとの我が家は、なんだか空気がきれいになっていた。
なにもせずだらだらしてただけなのに、なんか浄化されていて、おもしろくてふふっと笑ってしまった。

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