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さつまいもみたいな女の子

今日は2番目の誕生日。
我が家の大黒柱、ちいママ(笑)の生まれてきた日です。

2番目が生まれ母が退院してきたとき、
私は2番目めがけて温度計を投げつけたそうだ。
(もちろん自分では全く覚えていない)
母がナイスキャッチしなければどうなっていたことか…
それまで世界は自分のものよ!とばかりに
周囲の愛を独り占めしていたところを、
謎の未確認物体に奪われそうになっている、
ということを察し、危機感を覚えたのだろう。

それから当分の間、私たちはおしゃまな姉と純朴妹というコンビだった。
好奇心のかたまりでぴょんぴょんはねて回る私。ついてきていちいちまねする妹。
それは即ちいじわる姉・べそかき妹のコンビでもあり、妹が心底うっとおしかったわたしは、めちゃくちゃいじめたおした。
いちいちかばう母親のことも、ほんとうにうっとおしかった。
3、4番目が増えていっても、その感じはあまり変わらなかった。

時は流れて、私が親元を離れたあと。
私は全くそんな意識なかったが、妹は
「これからなんとなく姉ちゃんのまねをしとるだけじゃだめじゃ、しっかりせんにゃ」
と思ったそうだ。
そしてまもなく、ソフトボール少年団で、
父兄や監督からの壮絶ないじめにまきこまれ、
2番目は変わった。
たくましく、どんなことがあっても折れない、
マッチョになった。ゴリラになった。
(2番目は当時の記憶が抜け落ちている)
それは私にとって、とてもショックなことだった。
けど、私も私で寮にてマッチョ改造中だったので、
何の助けにもならなかった。

それから、お互いの人生をこつこつ歩み、
お互いの転機をそれぞれ迎えた。
マッチョな2番目に会うのが恐ろしくて、
連絡を絶った年月もある。
でもなぜか少し似たような道をたどり、
彼女も彼女でいろんな気づきがあり、
たまに会うと話がつきない間柄になった。
お互いが気づいたら勝手に中華圏と縁を深くしてたり、
周りから見たら「きょうだいね~」という感じなのだろう。

この奈良美智さんが描いた女の子、 
小さいときの妹にそっくりではっとした。
ほんとうに、こんな子だった。

私があんなにもいじめ倒していた頃、
妹はさつまいもみたいなかわいい女の子だった。
内気で、ずっとにこにこしていて、心が優しくて。
噛めば柔らかい甘みのある、かわいいかわいいさつまいもだった。 
今だから分かる、ほんとうにほんとうにかわいかったのだ。

今もたくさん背負ってリハビリの最中の妹。
だけど会うとやっぱり、大変そうなその奥に、
あの日の女の子がいて嬉しくなる。

誕生日おめでとう。
いっぱいいじめてほんまにごめん。
安心と、のんびりのある、
すてきな1年をすごしてね。
今年もいっぱい楽しい時間を
一緒にすごそうね。

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