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さんじゅう

私は19のころから早く40歳になりたかった。
そのころYUKIが40歳の誕生日を迎えていて、インタビューを読んだり楽曲を聞いたりしていた。
「40歳になったら、こんなに生きやすくなるのか!生きる力が今よりついて、厚みも増して、今みたいに息するだけでしんどいみたいなことがなくなるのか。」
その感慨のおかげで、誕生日は年ごとにどんどん楽しみになっていった。

ところが今回の30歳誕生日近辺は、めずらしく沈んでいた。
40歳までちょうど中間くらいの誕生日なのに、思ったより自分がだめだめだ~、これじゃ思ってた40歳にはなれないな…とへこんでいた。

周りに、気が重くなることや悲しいできごとが重なったのもある。
それについては好きな人に
「それがその年頃になるってことだよ。自分が歳重ねた分周りのニュースも変わってくるからさ」
と言われ、初めて
「歳をとるって経験を重ねたり老いるだけじゃなくて、人生の場面が変わってくるってことなんだ。老いるのは楽しみだったのに、こんな悲しいニュースが増えるなら、悲しいなあ」
と気づく。

ところが10日くらいたって、なんだか今誕生日を迎えたかのようにすっきりしてきた。こまごました悲しいことが、解決はしていないけど多少快方に向かったりしたのもある。
いつもの誕生日の感じだ、すっきりしてわくわくして、今回は節目なのもありまた新しい章が開いた感じがする。

そんな状態で考えてみたら、やっぱり歳をとるって楽しい。

今まで本で読んだり人から聞いた話を、自分の頭の中で考えてきたこと。
でもそれが自分の身体を通して起きるとき、全く違う感じになった。
あたりまえだが自分の身体は自分しか持ったことがないのだから、そして身体は大体の部分が人と共通するが、固有の箇所も必ずあるのだから、ほんとに自分で生きてみるしかないんだなって。
そういう生きてみる時間や、誰かと育む時間は、やっぱり重なってくるごとに味わいが深く、質感も変わっていって楽しい。

全部途中で、景色はどんどん変わっていて、でもちゃんと自分の網膜で見られる。昔書いたnoteを見返しても「こんなこと書いちゃって笑」とおもうことばっかりだ笑
でもいいんだ、とりあえずそのままで、大きくなるしかないし。
特に結論らしい結論もないけど、またこの1年楽しみたい。



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