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ざっくりベトナムー進出調査 工業団地編

ざっくり進出 工業団地編

ベトナム人は真面目、手先が器用ってよく聞きますよね?今回はそんな声からベトナムで工場建設をされる企業さんが多い事からざっくりご紹介。

・・・ちなみに、日本人が一番真面目で器用です。その感覚で期待されるとギャップがおきますので注意してくださいね。

≪1.工業団地のエリアと数は?≫


北部:20エリア(Hanoi,Vinh Phuc,Bac Ninh 等)72(建設中1)工業団地
中部:12エリア(Thanh Hoa,Nghe An HaTinh等)56 工業団地
南部:19エリア(HCMC,Ba Ria,Ben Tre、Binh Dinh)158 工業団地

・・・工業団地と言っても大規模なものから小規模なものまであります。(詳細はリンクからーめっちゃページあります。)
(JETRO-北部・中部工業団地一覧)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/reports/2015/pdf/07001959/vn_industrial-park_allr.pdf
(JETRO-南部工業団地一覧)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2019/02/0b0a510cc11c4f6c.html

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≪2.工業団地じゃなきゃだめ?≫


あるクライアントさんから
「知り合いのベトナム人がうちの空地が広いからそこに工場を立てなさいと言われ手付を払ってきたんだよね。ハノイ市内だし便利が超いいんです。」
調べずに言われるがままやっちゃうと・・・。実際、このお客様の借りた土地では認可がおりない事がわかり地主との関係も悪化しました。

≪3.ベトナムでは環境問題に取り組んでいる≫


先ほどの例でいえば
ベトナムでは環境への配慮の動きが活発であり事から「環境警察」が進出済企業の環境管理に対する監視体制を強化しています。
そのため、工場の投資申請(会社設立)の際に「環境影響評価書」あるいは「環境適合証明書」を取得し、運営上環境に害を及ぼさないという証明を行う必要があります。

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≪4.ベトナム系工場と外資系工場≫


ベトナムの工業団地には国営の工業団地や外資系の工業団地があります。価格差で言えば約1.5倍~2倍違うとみていいでしょう。

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≪5.工業団地には場所によって様々な優遇がある≫


一例:ダナンハイテクパーク
製造業でハイテクパークに進出する場合、新規投資プロジェクトを実施する企業は法人税として優遇税率10%が15年間(大規模投資の場合は30年間)適用され、4年間の法人税免除とその後9年間は5%という税率が適用されるなど、さまざまな優遇措置がある。
一番の特徴は国に支払う土地のリース料が免除になる事である。
(参照)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/04/c334ad0b040f6f7b.html

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≪6.地域別特徴≫


北部:自動車は2輪、家電など大規模メーカー等が集中しておりそれに関わる中小業者の進出も目立っています。整備された大規模工業団地が多い
中部:様々な優遇措置がとられているもハノイ、ホーチミンに比べると交通の利便性はやや劣る。しかし、安い人件費や生活コストなど魅力も多く今後注目のエリア
南部:ベトナム最大の都市ホーチミンを有しており商業的にも利便性は高い。中小メーカーの進出も多い。

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≪7.工業団地を選ぶポイント≫


1.事業性:(自身のビジネス、クライアントがその場所にあるのであれば選択できない事もあります)
2.利便性:交通や、関連業者、貿易がある場合はルートなども調査しましょう
3.価格:工業団地によってまちまちですが、工場はいわゆる「固定費」になります。
ウイルスや天災で工場が稼働しないなどがあった場合、この固定費の負担は甚大になります。
4.設備:水道や電気等自分たちが使う量や排水管などの納得のいくまで調査しましょう
5.人事:人材が集まりやすい。工業団地に人材紹介等の会社がある所や各都市にも人材紹介の会社が存在していますが地域によっては人材が集まりにくいケースもあります。
6.現地駐在員:日本人の駐在員がいる場合彼らの環境も考慮する必要があります。通勤、食事、宿泊先等

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※家賃が安いからといって韓国企業ばかりが集まる工業団地に入居した場合、賃金の高い韓国企業に社員をほとんどもっていかれた・・・なんてケースもあるようで要注意です。

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≪まとめ≫


日系で最初に大規模に進出した業種は「製造業」でもあり、前回(2回)のコラムにでも紹介したようにベトナム進出業種の約半分弱が「製造業」です。大手企業は輸出用、内需用と様々な戦略で進出しています。最近では大手企業に追随してこられた中小企業もベトナムの内需向け自社商品の開発や販売など業態の変化がみられるようになってきました。

理由としては大手の受注だけでは生産が安定せず赤字になる事、ベトナムの内需が魅力的でありそのマーケットに対してのビジネス展開の両方が存在します。

工場はいわゆる「固定費」なので様々な経営リスクのシミュレーションが大切ですね。

もし、サポートいただけましたら取材等に利用させていただきます。