その1.コーポラティブハウスを通して時代背景を辿る。

(コーポラティブ50周年イベントを終えて)

日本で最初にコーポラティブハウスが建設されたのは1968年、50余年が経つ。
ちょうど高度成長時代にあたる。
当時は「コーポラティブ」というキーワードもなく、地価や建設費が上昇してきた時世にあって、皆でたてたら合理的、という考えの下に建築関係者が4名で建てた。
その後、オイルショックの折にも同様の考えでコーポラティブハウスが建てられている。

日本で最初の「千駄ヶ谷コーポラティブハウス」

次の波は昭和50年代、当時の公団(現UR)、公社らが土地を提供し集まった人々の意向を踏まえた設計を行い、公団や公社が建設した後に分譲する「グループ分譲」という形態での建設が続いた。
時は高度成長時代の後半~終わりにかけて。これまで数(住戸数)を優先してきた供給から、個性やコミュニティを重んじる動きといえる。

日本の共同住宅(マンション、団地)は人口増加、都市部への人口流動のニーズに合わせその数を増やしていき、バブル期までその数は伸び続ける。
この段階においては、手間と時間がかかるコーポラティブ方式の建設は影を潜め、民間デベロッパーが競って建設をしていった。

そして、、バブル崩壊後にコーポラティブ史として、大きな波がやってくる。
その話はその2に続く


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