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英語のプライバシーポリシーやクッキーポリシーを自動作成してくれる海外サイトまとめ

EUのGDPRをはじめ、最近はカナダやオーストラリア、アメリカのカリフォルニア州などでもユーザーを保護する観点から独自のデータプライバシー保護法が制定され、グローバルにWebサービスを展開したい企業にとってはそれら全てに対応する規約をゼロから作成するのは大変だなーと、自分たちでSaaSを開発している身としてはヒシヒシと感じています。

実は日本語でもプライバシーポリシーなどのテンプレート(雛形)があるように、英語でもたくさんあって、最近はブラウザベースのジェネレーターとしてそういったポリシーを自動作成してくれるサイトが非常多いです。

今回は自社のWebアプリの英語でのサービス展開を踏まえ、いろいろな英語版ポリシージェネレーターを調べてみたので、それをまとめました。

多くはプライバシーポリシーだけでなく他の規約の作成にも対応しています。

また、最近はジェネレーターで一回作ってはい終わり、はなく、サブスクリプションモデル(SaaS)としてサービス提供されているものもあります。SaaSは毎月費用が発生しますが、法律が変わってもサービス提供側が自動で規約をそれに合わせた形でアップデートしてくれるので運用が楽というメリットがあります。(自分も今後はSaaS利用を検討しようと思っています。)

Googleで検索するとポリシージェネレーターサイトは大量に出てきますが、その中でも自分がある程度しっかりしていると思ったサイトのみ取り上げています。

※サイトは全て英語です。あと内容は記事公開時点での情報なので、その後にアップデートされた内容もあるかもしれません。

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GetTerms.io

やたらとキレイでかっこいいサイトで、UIもシンプルで使いやすいです。

値段も無料のものから一番高いものでも$49とまずまずといったところ。

ただし、GDPRには対応していますが、CalOPPA(California Online Privacy Protection Act)などEU以外の国の法律には対応していないようなので、そこが大きなマイナス点。

TermsFeed

Privacy Policy 以外にも Terms of Use や Cookie Policy 、Disclaimer などいろいろ作成できるサイトです。

内容的にはしっかりしているものが出来上がりそうですが、結構有料オプションが多い。

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ある程度しっかりとした規約に仕上げようと思うとまずまずの金額になりそうです。あと、UIがあまりイケてないので入力プロセスが楽しくない。

PrivacyPolicies.com

こちらも上の TermsFeed とほぼ同じで、プライバシーポリシーだけでなくいろいろな規約に対応していて、料金も TermsFeed 同様オプションの選択によって変わるタイプです。

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このサイトは TermsFeed よりも見やすく、操作性も良かったので試しに全部記入して進めてみると、最終金額は$139になりました。もちろん選択するオプションによって金額は異なりますが、GDPR、CCPA、CalOPPAといったメジャーな保護法にすべて対応しようと思うと少なくとも$100(1万円超)はかかりそうです。

ちなみにこのサイトはCookie Consentと呼ばれる、サイトにCookie利用について許諾を求める(よくある)バナーを簡単に作成してJavaScriptをはき出してくれる無料サービスもやっています。全体的にポリシー作成は安くはないですが、なんでも揃っていて品質も確かのような気がするので選択肢としてはアリかと思います。

Cookiebot

Cookiebot はワンタイムジェネレーターではなく、サブスクリプションタイプになります。そしてクッキーポリシーをメインにしています。使用しているCookieのチェックやそれにもとづく規約の更新許諾バナー表示など総合的に月額制で対応してくれます。

クラスメソッド社が運営するDevelopers.IOはCookiebotを利用しているようです。

COOKIEFIRST

こちらもCookiebotとほぼ同じ内容のサブスクサービス。こちらの方がサイトがキレイで見やすいです。

Termly

こちらもサブスクリプションモデルのSaaSですが、プライバシーポリシーはじめ規約周りをほぼ全て網羅しています。料金は年間契約で月$10、月毎だと$20です。サブスクでもOKだから規約系全部一つのサービスに任せたい、というようなニーズには最適かもしれません。

iubenda

iubenda も Termly と同じく規約網羅系のSaaSですが、こちらはさらに包括的なソリューションを提供してくれる、リーガル系最強とも言えそうなサービスです。その分お値段も高めですが、大企業や全世界でユーザーが増加中のスタートアップなどには適切かもしれません。

Termageddon

こちらも規約全般のSaaSプロダクトです。iubenda よりは Termly に近い、お手頃価格帯。

WebsitePolicies

サイト自体はそこまで洗練されているわけではないですが、プライバシーポリシーのPremium版が$19.95と価格は良心的。しかも他のポリシーとバンドル購入すると追加のディスカウントを受けることができます。

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上の例であれば、クッキーポリシー、プライバシーポリシー、リファンドポリシー、利用規約をまとめて$49.95で作成することができます。

最初にアカウント登録が必要ですが、いろんなポリシーを途中まで作って保存することができるので、どんな項目を設定できるのかいろいろ試してから購入するか決めることができるので比較的試しやすいと感じました。

ただし、具体的にどの国のどの保護法に対応しているのかの明記がないのがマイナス点。まず問題ないとは思いますが、少し不安材料が残る感じです。

Avodocs

Avodocs は Y Combinator のW19卒のスタートアップで、スタートアップに必要なリーガルドキュメント全般を作成してくれるサービスです。

NDAや創業者間契約など、スタートアップには嬉しいドキュメントがいろいろ揃っていて、しかも今のところ無料で作成ができます

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UIはそこまでキレイとは言えませんが、入力はスムーズに進めることができました。試しにプライバシーポリシーを作ってみましたが、ちゃんとGDPRやCalOPPA、CCPAにも対応しており、問題なく使えるレベルでした。もちろん上位サービスと比較すると若干物足りないかもしれませんが、個人的には全然問題ないレベルのように感じました。無料なのでかなり有力な選択肢と言えそうです。ただしクッキーポリシーは残念ながら未対応なので今後に期待。

Avodocs は英語でグローバルにサービスを展開したいスタートアップにはかなり重宝するはず、要チェックです。

Shopify Free privacy policy generator

Shopify が提供する完全無料のPrivacy Policyジェネレーター。たぶん Shopify で作るお店向けのサービスなので、前提としてはウェブサイト用となります。

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Shopifyのフリートライアルをかなりおすすめしてきますが、単純にプライバシーポリシーのテンプレートだけをゲットすることができます。

フローとしては必要事項を入力して右下のボタンをクリックするとメールが送られてきて、その中にあるリンクをクリックするとポリシーの文章が表示される、という流れです。

ただ、必要事項が極端に少ないことからもわかる通り、ざっくりとしたテンプレートがもらえるだけで、細かな調整や内容設定はできないです。

Googleアナリティクスだけを導入してるシンプルなEコマースサイトとかなら十分だと思いますが、アプリケーションなどは不向きです。

あとWeb上ですぐ表示できるはずのところを、メールアドレスを入力させてメールで送るという手口が若干やらしさを感じます。まあ無料なので文句全然言えませんが。

GDPR Privacy Policy Generator

GDPR対応さえできればいい、というニーズの場合はここで無料でさくっと作れるようです。ただ、昨今でGDPRだけだと少し不安なのでCalOPPAなど他の国や地域の法にも対応できるポリシーがベターかと思います。

Privacy Policy Generator by LiveChat

シンプルなウェブサイト&アプリ向けジェネレーター。GDPRにも対応。

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自分は結局何を使ったか

結論からいうと以下の2つを使いました。

- PrivacyPolicies.com
- Avodocs

といってもたぶん9割は PrivacyPolicies.com のものを採用したので、実際には Avodocs で作成された規約の一部分を追加した、という感じです。ただ、内容的には8割以上同じで、書き方やそれによる文章の長さが違っただけなので、Avodocs だけでも十分通用する規約が作れるように思います。ちなみに Avodocs は無料、PrivacyPolicies.com の方は$139でした。

今回自分はサブスクリプションは敬遠しましたが、今後いろいろなデータ保護法が出てくるとなれば毎回毎回それらに対応するより素直にリーガル系SaaSを使った方が賢いやり方かもしれません。ここら辺は自分のサービスへのコミット具合や予算に応じて決定する方が良さそうです。

ちなみに PrivacyPolicies ではプライバシーポリシーの他にクッキーポリシーも作成し、こちらは$33でした。クッキーポリシーは Avodocs に(今のところ)ないのでやむなし。

逆に Avodocs では Terms of Service(利用規約)を作成しました。こちらは予想以上に素晴らしく、重宝しました。これが無料で作れるとは驚きです。

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おまけ(日本語版)

KIYAC

こちらはまだまだ新しいサービスのようで、対応する規約の数は多くありませんが、日本語でプライバシーポリシーや利用規約をジェネレートしてくれる数少ないサービスの一つです。