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オタクは石丸伸二に怒った方がいいし、オタクじゃなくても怒った方がいい【2024年東京都知事選挙】


●はじめに

いちいち言うことでもないかもしれないが、自分はただのいちオタクです。
そんな自分にも少ないながらオタク同士の交流とかはあって、で、そういう中でこういう政治とかの話題は嫌がられることがあるというのもわかっていますが、こういう話をするのに自分として言わないのもなんか違う気がするので、アカウントを分けるとかはしていません。嫌がられたらそれはもうしょうがないと思ってます。(あるいはそんなのは自意識過剰で、誰もなんにも気にもしていないかもしれないですが・・・)

あと、自分のスタンスを明らかにしておくべきだと思うので言っておきますと、今回の東京都知事選では自分はひまそらあかね氏を支持します。

●いちオタクとして頭に来ている

2024年、都知事選候補として立候補している石丸伸二氏にいちオタクとして自分は腹を立てています。
理由は、まるで漫画に詳しいかのような発言を繰り返していたのに、その実その漫画に対する知識は疑わしく、人気取りや票集めのためにオタクや若者にすり寄っていただけではないか?と思えるという点でその人間性、政治家としての資質がきわめて疑わしいと感じるからです。

で、そんな石丸氏が有力候補として人気を集めている様子とか見ていると、頭に来て仕方がないんですよ。

以下、なぜ私がそう思ったかを書きます。

●きっかけの動画

正直、これを全部見てもらえれば、ここで話題に上がっている「鬼滅の刃」「キングダム」「蒼天航路」あたりを履修しているオタクにはこれ以上読んでもらわなくても全部伝わると思うのですが、動画を見てない方や見ても別に・・・という方向けに説明します。

この動画は、同じく都知事選候補として立候補(この対談の時点では立候補表明前)したひまそらあかね(暇空茜)氏と石丸伸二氏の対談で、主にひまそら氏が漫画に関する質問を石丸氏にぶつけている、というものです。

そのやりとりを見て、私はこう思いました。


石丸氏は「鬼滅の刃」をまともに読んでいないか、読んでいたとしても全然愛着も何も無いとしか思えない。


詳しく説明します。

「鬼滅の刃」に関するやりとり

動画29:40頃~
ひまそら氏から「鬼滅の刃」に関する質問が始まります。
なお「鬼滅の刃」を読まれてますか?という暇空氏の確認に、石丸氏は「一通り読みましたけど」と回答した上でのやりとりとなっています。
内容を要約すると以下のような結果でした。

<要約>
・石丸氏の好きな上弦の鬼は猗窩座。
・猗窩座の別名(鬼になる前の人間としての名前)がわからない。別名があることを知らないまたは覚えていない。
・猗窩座以外の上弦の鬼の名前を聞かれて一人も言えない。
・作品のラスボスの名前「無惨」がうろ覚え。(姓の「鬼舞辻」は言えない)
・最終決戦で猗窩座と戦った二人が誰かわからない。(ちなみに竈門炭治郎と冨岡義勇)
・上弦の一人、童磨の話は出てきたが、(「氷のやつ」という言い方で、名前は言えない)戦った相手として胡蝶しのぶの名前しか出てこない。(栗花落カナヲと嘴平伊之助も参戦している)

どうでしょうか。難問、奇問の類だと思いましたか?
実際、この動画のコメントには「知識マウント」「くだらないクイズ」「自分も読んだがこんなの覚えていない」といった擁護コメントが並んでいます。
そして正直言います。「鬼滅の刃」を通して読んだことのある自分でも、これらの質問の中にはうろ覚えで答えられない部分もありました。

ですが、少なくとも上弦の鬼の名前が猗窩座以外一人も言えないとか、「鬼舞辻無惨」がうろ覚えなんてことは、作品を好きで全部読んだ人間ならほとんどあり得ないことなんですよ。
それは「桃太郎」を読んだという人が犬以外のお供の名前が言えないとか、「鬼ヶ島」の名称がうろ覚えとか、そんなレベルの話だと思います。

そんなの人によるだろって?

一理あるかもしれません。
これが一般的な読者なら、まだそう言えるかもしれません。
でも石丸伸二氏は違うでしょう。

Twitterのプロフィールに「マンガ賢者」と書き(※本記事作成時点)、インタビュー記事などでは「生涯で読んだマンガは2万冊以上」などとして漫画好きをアピールし、そして「鬼滅の刃」に関しては2023年度の「あきたかた二十歳のつどい」市長メッセージの中で取り上げたりしている人なんですよ。
並のオタクより作品に詳しいくらいでないと、おかしいと思いませんか?
これが欺瞞でなくて何なんでしょうか?


重要なのは、個別の質問回答ではありません。
重要なのは、石丸氏がこういう嘘をつく人間、100000000歩譲って健忘症などの記憶力に問題がある人間ではないかということです。


なお動画では、「鬼滅の刃」以外の作品についても全然答えられていない様子が見られますが、他の作品については私は詳しくないので言及は控えます。
ちなみに、石丸氏は自身のTwitterでこの動画について一切触れていません。本記事作成時点で84万再生もされているのに・・・

<参考記事>

<参考動画>

●秋葉原演説

石丸氏は6/16日にJR秋葉原駅前で街頭演説を行っています。
そもそも事前運動じゃねえのかという話は今は置いておきます。
演説の内容を報じた記事もいくつか出ていますが、動画があったので参考に載せておきます。

このときの演説にも漫画、アニメからの引用と思しき部分がいくつかありましたので以下にピックアップします。

2:20頃~ 秋葉原よ、私は帰ってきた(「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」より)
27:58頃~ ドラゴンボールの話からタイムチェンバー(精神と時の部屋)の話
37:17頃~ 動け、動け、動け、動いてよ(「新世紀エヴァンゲリオン」より)

ドラゴンボールの話は、特に違和感などはありませんでした。単にアメリカでそういう話題が出た、というのと「精神と時の部屋」って向こうで「タイムチェンバー」って言う・・・という話かと思います。
ですがガンダムとエヴァの引用に関しては違和感があります。

引用の違和感

まずガンダムの引用に関してですが、これは簡単に言うとアナベル・ガトーという軍人のセリフで、かつての戦争で敵軍(地球連邦軍)に占領された宇宙要塞ソロモンで観艦式を行う地球連邦軍に対して核攻撃を仕掛けるためガトーが襲撃する時のセリフです。

「帰ってきた」と言いますが、石丸氏は秋葉原で働いていた経験でもあるのでしょうか?それとも心の故郷、みたいなことですか?
仮にいずれかであったとして、(フィクションとは言え)戦争で軍人が復讐の狼煙を上げるシーンのセリフの引用が、政治家の挨拶としてふさわしいのでしょうか?

そしてエヴァに関してですが、これはTVシリーズ第19話で主人公の碇シンジがエヴァで敵(使徒)との交戦中、エヴァのエネルギーが切れて動けなくなってしまった時に必死に叫ぶセリフです。エヴァはこのあと、シンジに応えるかのように再起動し、暴走。敵(使徒)を倒し、捕食します。
ちなみに次の第20話では、シンジくんはエヴァの中に取り込まれてしまい、あわや戻ってこられないところでした。

「東京を動かそう」が演説時のキャッチコピーだったようで、それに合わせた石丸氏の引用だったのかと思いますが、果たしてふさわしい引用でしょうか・・・東京を暴走させたいんですか?

難癖と言われればそれまでかもしれませんし、エヴァやスターダスト・メモリーを見たことないんじゃないかとまでは思いませんが、自分には「内容をよく考えずに有名なセリフを引用したんじゃないか」くらいにしか感じられませんでした。

●石丸伸二はオタクを、作品を舐めているし、ひいては市民を、有権者を舐めているんじゃないか。

自分が感じたようにもし石丸氏が漫画やアニメの話を、実際は詳しくもないくせに詳しいフリをしてオタクや若者からの人気集め・票集めのために利用していたのであれば、それはオタクや若者はもちろん、話題に挙げた作品をも舐めているということに他なりません。


「鬼滅の刃」や漫画、アニメが好きなオタクの皆さん。
あなたがた、いや我々は、あんな薄っぺらい漫画やアニメの知識・理解で取り入ることのできる、与し易い存在だと思われているんですよ。舐められているんですよ。そして作品そのものは、道具かなんかだと思われているんですよ。
それは広く選挙や政治に関わる市民・有権者をも舐めているということになりませんか?


私は、以上のような理由で石丸伸二氏だけは信用できませんし、応援できません。
もし、こういったことを知らずに、身近に石丸氏を「なんとなくのイメージで」応援しているような人がいるなら、このことを伝えてください。
ネットの片隅で吠えている、オタクの戯言と思ってくれてもいい。
誰かに伝える気になれなくても、もしこの記事を読んで少しでもあれ?と思ったことがあれば、この件に関心を持ってください。
誰か一人でもそうしてくれたなら、これを書いた意味も0では無かったと思えます。

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