見出し画像

創業note(前編):「SYN, Inc.」っていう会社の「芯」について

はじめに

いわゆる創業noteを書こうと思う。「前編」と書いてあるとおり二部構成で、前編は「SYN, Inc. / 株式会社シン」っていう会社や「食」領域への想いについて後編は「Chompy / チョンピー」っていうプロダクトのことを書く。(長々とすみません!🙏)
一連のnoteは、社内外の人たちへのメッセージと思って書いてる。SYN社員はもちろん、これからSYNにジョインする人や投資家やChompyの利用者など、関わる人みんなに読んでもらえたら嬉しい。

ちなみに、「創業note」と言いつつSYNはつい先日に1周年を迎えてる。創業後2回目の資金調達をして、更に会社としてアクセルを踏んで行くので、ちゃんと書こうと思った。
調達後ということもあり、SYNは積極採用中だ。少しでも興味ある人は、ぜひ募集要項や見てみて欲しい。自分史上最高の仲間が集まってるので会って話してもらうとなにか良い刺激を与えられる気がする

(1周年記念イベントの時の写真)

画像1

では!つらつらと書いて行きますよ〜🙌

子供・孫に「あってよかった」と言われる、一生モノの事業を作りたいと思った

前職のDeNAで色々経験させてもらった。「事業を0から作れる人材になりたい」という僕のわがままな要望を汲み取り、保守本流の国内ゲーム事業ではなく、海外事業や新規事業などプロジェクト感の強いアサインばかりだった。
海外オフィスでの部門立ち上げ・社内起業・300人規模の組織リーダーと、プロジェクトの幅としてはトップクラスと思うし、当然その中で自分なりの学び・成長もあった。

(僕のキャリア概要は以下noteをご確認ください🙇‍♂️)

DeNAトラベルの譲渡案件が終わったタイミングが30歳過ぎ。そのタイミングで「何に向かって生きて行くか」というよくある節目の悩み?と向き合っていた。老後は畑いじりをしながらゆっくり過ごしたい気持ちはあるが、性格上チャレンジせずにはいられなかった。シンプルに、脂の乗り切った30代だからこそできる「一生モノ」のチャレンジをしようと思った自分が死ぬ瞬間にその事業を作れて誇らしいと思える事業作りにチャレンジしようと思った。

実は最近、結婚と妻の妊娠というイベントがあった(8月末が出産予定日!)。
そんな中、「死ぬ瞬間に良かったと思える事業とは?」という問いに対し、自然と想起されたのが、子供・孫から「あってよかった」と言われる事業だった。自分の世代はもちろんだが、後の世代にも価値を残せる事業を作ることができれば、子供や孫のような存在から感謝される事業を残すことができれば、それは何よりも誇らしく嬉しいことなのではと純粋に思えた。

(すくすくと育つ我が子👶🏻 その名はあずちゃん笑)

iOS の画像 (1)

仕事人間だった自分の人生観が変わったこと考えると、結婚・子供のインパクト、恐るべし・・・!笑

社会の「幸せの総量」を増やす「芯」のある事業が必要ではと思った

子供・孫を喜ばせたいとしても、そんな事業アイデアは僕がずっと関わってきたインターネット関連に絞ったとしてもいくらでもある。
そんな中、SYNの共同創業者でもある成田修造と過ごした時間やインプットは大きかった。ビジネスモデルの良し悪し・トレンドなどテクニカルなことが重要なのは間違いないが、それ以上に根っこの部分である「その事業や会社の存在意義」が何よりも大事だという話を起業前の半年間ぐらい度々行っていた。
同世代 (正確には2歳年下) にも関わらず、0から上場企業を生み出し前線で戦い続けている彼の導きは非常に大きい。それもあり、成田さんにはSYNの共同創業者になってもらってる。

(一緒に中国出張したメンバー。左から成田・門奈・宮本)

中国組

会社や事業の存在意義をどうセットするか。子供や孫世代まで続くような問いは何があり得るのか。
そんな事を日々悶々と考える中で、月並みだけど「幸せ」というキーワードが自分の中でグルグルと巡り始めた。日々の生活も人とのつながりも仕事も会社という存在自体も、結局は幸せになるための手段にすぎないと思う。究極的に、人は幸せになるために生きてると思った。

会社という存在も、長い目で見た時に社会や人を幸せにすることができていれば、その存在意義は認められ続けるんだろうとシンプルに思った。

とは言え「幸せ」は人によって違うし、結局は感じ方次第だったりする。
ただ、そんな難しく答えのないテーマに対して、真顔で議論できるチームとそこから生まれるプロダクトは世の中を1mmでも幸せにする可能性があると信じてる。将来そのサービスが大きくなり、1mmの幸せが幾万と積み重なった先に「あってよかった」と言われる事業があるのではと思う。

幸せを大事な軸の1つにしようと思ったきっかけになった研究結果がある。こちらの財団の理事をやっている北川さんに教えてもらった論文内のグラフだ。
ざっくりまとめると、1958年から1人当りGDPは向上しつづけているが幸福度は横ばい・高次の幸福を感じるには「愛」が重要という内容だ。人が理不尽に死ななくなってからは、生活のちょっとした便利さよりも人との温かいつながりの方が大事だっていう解釈をしたし、自分の過去の経験からもすごく納得感があった。

(こちらの論文内の幸福度と資本の関係性を示すグラフ)

幸福度

この辺をぐるぐる考えている中で、インターネット業界のはしくれとして思った。
世の中を便利に・効率的にするのに加え、幸せな世の中を作ろうというピュアな志が、普及開始から30年経ち成熟しつつあるインターネット業界に求められるのではと思う。

人の便利さ・楽さへの欲求は止められないしSYNもそこにしっかり向き合って行く。ただ、その先の「幸せ」がデザインされているかが大事だと思う。「新」しい技術を活用しつつも真心のこもった「芯」のあるサービスを作れる会社になりたいという想い、感情と機能を上手く「sync (融合する)」して行きたいという想いを、「SYN / シン」という社名に込めている

名称未設定

もう1人の共同創業者でCTOの八木さんとも創業前ラクーアで「幸せ」って大事ですよね〜って話したのも懐かしい。

事業テーマを決めで大事にした「共感」・「意義」・「夢」

気持ちの高まりはあったものの、事業テーマ決めは紆余曲折があった。事実、DeNAトラベルのプロジェクトが終わった時の2018年秋のFacebookポスト見ると、「ブロックチェーン」「音声」「MaaS」「インバウンド」とかなり幅広く検討していたようだ(バズワードだらけで恥ずかしい苦笑)。

過去の経験から、1ユーザーとして心から使いたいと思えるか/家族友人に薦めたいと思えるか(共感)・社会的に意味のある課題を解決できうるか/十分な規模や時間軸がともなうか(意義)・ワクワクできる夢を描けるか/日本から海外に向けて何か打ち出しうるか(夢)、の3点を大事にしようと思った
それぞれ原体験がある。DeNAでのゲーム事業・Anyca・DeNAトラベル、どれも熱中していたが今振り返ると3つのうちのどれかが欠けていた。そのため「一生やっていても楽しめそうだ」と感じきれない瞬間があったし、その時は幸せじゃなかったように思う。逆に3つが揃っていた瞬間は、腹の底からふつふつとパワーが湧き出てきた。

事業は上手く行かない時の方が多いし、理想と現実が乖離する瞬間がずっと続く。そんな時に、平静を保てるか・踏ん張りがきくかは個人としての動機付け・ゴール設定が全てだし、それが会社の存在意義や原点になると思ってる。

名称未設定

上記観点で色々な情報収集や試行錯誤を進める中で行き着いたのが「食」であり「Chompy」だった

「①共感」:食はすごく身近で日常だからこそ小さなペインに溢れてると思った

事業テーマを考える中で、ふと自分の生活を振り返ってみた。自分の生活の中で意図的にお金を使っているのがほぼほぼ「食」に関するものだということに気付いた。食べるのが大好きというのもあり、身近なワクワクする消費はほぼ食と言っても良いなと感じた。
家賃や携帯料金やサブスクなど実際の支出は色々な所でしているが、大げさな趣味のない僕にとって、日々の生活における「食」の存在の大きさに少し驚いた(みなさんもクレカ明細見ていただくと思うかも?)。

事業を作る時の「ペイン」の捉え方ってすごく難しいと思う。AmazonやGoogleが無い時に、「Amazon / Google無いと不便だわー」とは当然思わないわけで。やはり一定の「世の中こうあるべき」という Will が必要だと思う。

日常の食生活に関する僕の素朴な Will は「PARIYAとかPARIYA的お惣菜屋の食べ物がもっと入手しやすくなれば良いのに」っていう所だった。共働きで晩ごはんが作業的になっていた我々夫婦にとって、PARIYAを買って家で食べる体験は忙しい生活の中で「日常の豊かさ」の象徴だった。
ただ、自宅最寄りの目黒駅付近にPARIYAは無いし、近しい満足感を得られるお惣菜屋さんも見付けられていない。スーパーのお惣菜もなんとなく高まらない&量が多いので、使いこなせてない。

画像7

これぐらいのペインって全国津々浦々・老若男女、めちゃめちゃあるよなと思った。晩ごはんに限らず、DeNAのヒカリエ時代のランチ生活は正直かなり満足度低かった。あんなに立地の良いところにいながら、週に数回は立ち食いそば屋に行っていた気がする。

立ち食いそばは好きで行ってるのだが、日々の生活で実はかなり限られた選択肢の中から消極的に食に関する意思決定をしていないか、もっと豊かに食と向き合うことはできないか、そんな個人としてのモヤモヤを感じた。

「②意義」:日本の「食」には光と影があるし、影の部分がこれから大きくなると思った

日本の「食」はすごい。和食は世界文化遺産に登録され、ミシュランの星付きのレストラン数も日本は上位を独占状態だ。インバウンド客の来日の主な目的は食にまつわるものだし、日本品質を海外で再現できているチェーン店は現地で大人気だ。

(ミシュランランキングでも存在感バリバリな日本)

ミシュラン②

日本の「ハレの食」は過去にないぐらい世界で高い評価を受けているし、今後もこの傾向は当分続くと思う。様々な食文化を多様かつ繊細に混ぜ合わせてきた先人たちの資産は、そう簡単に模倣も毀損もしないからだ。

(5大味覚の1つの「Umami」を発見したのも日本人)

画像19

一方、日本人の日常を支える「ケの食」はどうだろう。我々夫婦のようなライフスタイルやニーズの変化・多様化に対し、いま提供されているサービスは十分とは言えない気がする。

(急激に変化する世帯構成)

共働き世帯

創業の際に共働き世帯のお母さんにアンケートとインタビューを実施した。ここ10年でライフスタイルが最も変化している世帯セグメントだと思ったし、自分が直感的にイメージしづらかったからだ。
そのアンケートとインタビューを通じて、従来の「お母さん像」に苦しめられるお母さんの様子と、多様な食文化が着実に失われていく気配を感じた。

(700食分のお食事日記の写真:一部抜粋)

画像5

分刻みのスケジュールで家族のためにやりくりをしているにも関わらず、「妻として・母として・会社員として、全てにおいて不合格なんです。」という発言をしたお母さんがいた。聞いているこちらが涙ぐむような感覚を覚えたし、自分や周囲の人にも起きうる身近な「負」だと思った。
実際、食事日記でシェアされる食事の中身は、時間と余裕がない事により全体的に簡素なものになっていると感じた。多くのお母さんにとって食事や料理は「こなさなければいけないタスク」だったし、食が本来もつ楽しさ・ワクワク感は持ちづらい状況だなと思った。

当然、飲食業界も黙ってこの状況を見てるわけじゃない。事実、出来合いの食事を自宅で食べる「中食市場」はコンスタントに成長し続けてる(成長を牽引してるのはコンビニ・スーパーだ)。
ただ、先のアンケート結果やインタビュー内容を踏まえると、ユーザーのニーズや課題の変化に対し、今の食の流通だけでは不十分なのは明らかだと思う。

(中食市場の大半はスーパー・コンビニ。直近の成長はほぼほぼコンビニ)

画像10

一気に話を郊外/地方・高齢者に振ると、そこにもわかりやすい「負」がある。買物難民と言われる日常的な食材の買物に大きな困難が伴う方々が多く存在し、その数が急速に増えていっている。
店舗型の流通プレイヤーの店舗数も頭打ちなため、今のまま行けばこの先数十年かけて食の流通はどんどん不便になって行くと思う。

(高齢者の買い物難民は高齢化に伴い急増中)

買い物難民

(劣化し始める店舗流通)

コンビニ店舗数

「ハレの食」はインバウンドもあり発展し続けると思うが、日常の食生活には全国津々浦々・老若男女の小さな負が日に日に大きくなっていると思うし、これから加速して行くと思う。
こんな状況の中、多くの人の日常の食生活に豊かさを提供できたら純粋に嬉しいし「あってよかった」と言われる事業に間違いなくなると思う。これがSYNの「芯」ド真ん中だ。

「③夢」:世界No.1の日本の「食」の発展に貢献できたり世界に発信できたりしたら最高な人生じゃないか

創業の時に見て、それ以来好きで何回も見直してるNetflixの動画がある。「ストリート・グルメを求めて」だ。是非、ここまで読んでくれた人にはシリーズ1のタイ/バンコク編だけでも良いので観てほしい。

(アジアの屋台街から超人気店になるまでのドキュメンタリー)

画像14

この動画を見て思ったことは、「食」の多様性の素晴らしさと、その多様性を支えるチャレンジの尊さだ。

タイ/バンコク編がまさにだが、貧しい生活の中で唯一の特技?といってよい料理をすることで生計を立てながら、料理の才能が目覚め一気にミシュラン星付きのお店にまで駆け上がって行く。「屋台」という気軽に開業できるフォーマットと、「おいしいものを届けたい」という料理人の情熱と技術と、いろんな「おいしい」を受け止める食の多様性が重なって起きた奇跡だなと思った。

日本の豊かな食文化も、純粋な料理への想いと料理人のチャレンジの積み重ねだと思うと、何か感動するものがあった。
Chompyを通じて新しい「食」が生まれたり、その「食」が日本全国や世界中に広がって行くお手伝いができる、そんな事業が作れればそれは「一生モノの事業」と言ってよい気がした。

まとめ📝

共感・意義・夢が一直線でつながったため、「食」の領域に決めた。

名称未設定

その中で、日本の多様な食体験を多様に届けるために、次世代のフードインフラを作る。最終的に、日常の食生活を豊かにして、日本の食文化の発展にも貢献して行く。これがChompyを通じて実現したいビジョンだ。
(詳細は後編で😎)

名称未設定

最後に (絶賛採用中です!🙌)

創業note、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!少しでもSYNの理解や興味につながれば幸いです😊
次回は「Chompy / チョンピー」という事業を始めた理由や目指す方向性についてnote書きますのでお楽しみに!

最後に宣伝をさせてください!
SYNは2回目の資金調達を完了し、絶賛採用を強化中です!特に、食に興味のあるプロダクト人材、ぜひぜひ応募お待ちしております〜

会社HP
求人一覧
ミートアップイベント

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?