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「民主主義体制の中の非民主主義的な主体」である「職業公務員」の行動原理
日本の地方自治体の職員は、いわゆる「職業公務員」です。民主主義社会における主権者は住民であり、その住民によって選ばれた首長が行政を担い、議員は行政の執行を監視する役割を担うわけですが、自治体職員はあくまで採用試験で選ばれた「職業公務員」であり、主権者ではありません。しかし、自治体職員がいなければ行政は回っていきません。
東京大学の金井利之教授は、この自治体職員のことを「民主主義体制の中の非民主主
自治体の「政策評価」の再評価を―その3 民間企業はアウトカムを測定しているのになぜ行政ではできないのか?―
1 民間企業はアウトカムを測定できるのになぜ行政ではできないのか?
今回は、自治体の政策評価へのよくある批判その2として、「民間企業はアウトカムを測定しているのになぜ行政ではできないのか?」という批判について考えてみたいと思います。
これはよく、民間企業の方が行政を批判する際に出てくる頻出フレーズですが、本当にそうなのでしょうか?
2 民間企業における評価基準
民間企業には、誤解を恐れずにい
自治体の「政策評価」の再評価を―その2 アウトプットばかり評価していては意味がない?―
1 自治体の政策評価へのよくある批判前回は、自治体の政策評価における指標設定の難しさについて述べましたが、今回はその続きです。
自治体の政策評価に対しては、以前から様々な批判がされています。ただ、それらの批判の中には、感情的なものや理論的でないものも散見されます。
よくある批判として、「アウトプットばかり評価していては意味がない」もしくは「アウトカムを測定しなければ意味がない」というものがあり