AITuber辺りの一考察

前提:

アイマスは3.0プロジェクトで、アイドルをIPとして、キャストの肉体を酷使することなく売りに出すことを検討している。
一方でラブライブ!側は蓮ノ空という形で、キャストにモーションキャプチャーを付ける形で、仮想のキャラによる配信を行っている。

当然これらが出てきた背景が数年前からのVTuber大手が既存の声優アイドルコンテンツを食う勢いで盛り上がっているところにあり、例えばにじさんじの周防サンゴが宣伝したら一気に志摩スペイン村がにぎわい出したとかって現象も起きている。VTuber普及の理由は一つじゃないのだろうけど、恐らくコロナ禍でリアルイベントがことごとく中止になって、家でネットをみるのが多くなったのもありそう。

ところで今のVTuberは表に見える部分はアニメ調で、演じているの(=魂)は人間、特に女性に依るところが大きい。これはLLMなどを使ったAIベースだと面白さが感じられないが人間だとアドリブとか面白いリアクションとかキャラクター性とかを出せるというのと、一方声優・地下アイドルガチ恋勢みたく、あわよくば中の人とお付き合いできるんじゃとか言った肉体的欲望もあると思われる(じゃなきゃVTuber当初のバ美肉おじさんから、中の人女性に移って行かなかったはず。あと中の人とあわよくばとか思っていなければ、彼氏発覚で炎上引退とかも無かったはず)

ただしこの状況だと、運営する会社側は3つのことを懸念するはず。
1. 情報流出、コンプライアンス違反など社会人としての問題
2. 彼氏発覚など、本人自身に関する問題
3. キャストに支払う給料、もしくはインセンティブ等
この辺りのリスクを踏まえると、運営側としてはキャストは無くしたいと考えているのではないか。

AITuberの核となるもの=Youtubeのコメント読み込み、雑談生成、キャラクター描画 ではない

既存のAITuber作ってみた系だと上のシステム連携をしたところで、面白さが出なくて詰まってるってのをよく見かける。これは一時期Twitter Botを作ってた自分からすると、同じ過ちに囚われていると感じる。恐らく売れてるVTuberの要素ってそれらの個々の技術ではなく、むしろそれを使う際のアドリブとか、キャラクター性の方が重要ではないか。下世話なことを言うと、あわよくば付き合えると思わせるような。AKBが会いに行けるアイドルって事で人気を博したように。声優アイドルがアイドルだけどオタク趣味もわかってくれそうとか思わせてくれたように。当然売れてるキャストからするとオタクは眼中に無い、ただの金蔓なんですけどね。

以上のことを考えると、特に中の人だとかライブイベントとかに行きやすい日本だと、AIが取って変わるっていうのはまだまだ時間がかかる。なので日本だと当分既存のVTuberが席巻するだろう。

一方個人的に気にしているのは日本ではなく中国とかの方で、彼らはなかなか日本にも来づらいしキャストが現地に行くわけでも無い。一方で原神やブルアカの躍進を見てると、日本のモバイルゲームの優位性はせいぜい声優ぐらいしか無いように見える。あとはイラストレータの個性か。ただ後者は昨今生成AI絡みの議論が起きてるように危うくなってきてるし、声優に関してもイントネーションを維持したまま他の言語に転送する技術ができれば別に日本人を起用する必要も無くなる(場合によっては人でなくてもいい)。これの一端が初音ミクにあると思っていて、元々藤田咲さんの歌声を音源として使えるようになったもので爆発的に売れたけど、肝心の藤田咲さんに多額の売上が入ったって話をあまり聞かない(生々しいので出してないだけかもしれないが)。なのでAITuberとかで既存の市場を荒らすとしたら、恐らく日本以外からやってくると個人的には考えている。

その際重要になるのが、作家による小説のオリジナリティというか、人間の癖とかわざと設定するものになると思う。きれいなものをきれいなまま出すのはLLMや生成AI辺りで出来てきてますが、人間が好むのはそこではない。人間を人間足らしめてるものは「◯◯ができる」だけでなく、「✗✗はできない」と言った未熟な部分も見ているんだと思う。

追記

・・ということを考えていたら、既に声優側が脅かされてる自体なってますね。現実は想像よりも早かった。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2405/10/news126.html

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