これからは円安の時代

◆ 今日の前フリ ◆◇

選挙になると右も左も大騒ぎになって、ツイッターのタイムラインにも政治ネタがジャンジャン流れてくるようになります。その中で、看過してはならないデマについて今回は解説をしようと思います。

そのデマとは、MMTという現代貨幣理論でして、「税は財源ではない」とか、「国債をジャンジャン発行しても大丈夫」とか、だから消費税を廃止しろという結論に持って行くのが定型的なパターンです。

これ全部間違いですから。世界の経済学者でMMTがワークすると考えている人はひとりもいません。ハッキリ言ってトンデモ理論なんですよ。

この理論が正しいのか、通用するのかを考えるには極端な思考実験をしてみたら良いんです。れいわ新選組が言う、消費税廃止ができるのなら、そんなちっぽけな話にしないで、あらゆる税金を廃止したら良いんですよ。足りない分は国債をジャンジャン発行すれば良い、自国通貨建ての国債は決して破綻しないというのなら、国債を刷りまくって、国民一人あたり10億円の現金を給付したら良いんです。

そんなことをしたらどうなるか分かりますか?

日本に暮らす人全員に10億円の給付を行ったらどうなるか?日本という国の富の総量は変わらないのに、流通しているおカネだけが爆増するわけですよ。そうすると何が起こるか分かりますか?これは経済の基本的な知識になるんですが、富の総量(つまりおカネで買えるモノの総量)が変わらずに、交換するためのおカネだけが増える。それはつまりおカネの価値が下がるということで、結果は必ずインフレになります。

一人10億円を配ったら、全員が10億円を持っているということですから、100万円のダイヤだって買える人が激増するわけです。しかしお店に並んでいるダイヤの量は変わらないわけですね。つまり欲しい人とおカネはたくさんあるのに、売れるモノの量が変わらなければ、値段が騰がるに決まっているでしょ。

10億円を配ったら、牛丼一杯100万円とかになるんじゃありませんかね。

だから共産党が唱えている、最低時給を1500円にしろ!という主張も、これを実行したら全体の値段が騰がるだけでしょう。もしくは、1500円の価値のある仕事をする人だけが雇われて、そうでない人は失業することになると思います。ちなみに、韓国でも最低時給を急激に上げたんですが、韓国で起こったのは後者でしたね。

インフレの話に戻すと、今世界中でインフレが起こっているのは、新型コロナの経済対策で各国が量的緩和(Quantitative Easing、略してQE)をやっておカネを刷りまくったからなんです。日本でも一人10万円とかを配ったでしょ。あれだけで国内で12兆円というおカネが増えたんです。コロナ対策の総額では70兆円というおカネを新たに刷って、市場にバラ撒いたの。

アメリカや欧州はもっとバラ撒いたので、おカネの価値が下がってインフレになったんですよ。それが今、アメリカを悩ませているわけです。ジャンジャン物価が騰がって、ビッグマック一つの値段が800円近くになっているわけ。それじゃ生活が出来ないからということで、賃金もドンドン上がっていて、LAだと最低時給が16ドル(2160円)になっているんですね。

これを抑えるために、今度は市場に流通し過ぎたおカネを回収する量的引き締め(Quantitative Tightening)が行われているんですね。

もし日本で一人あたり10億円を配って、税金を廃止したら、凄まじいインフレになるでしょうし、そうなったら円の価値が暴落して1ドルが1000円以上になると思います。つまりれいわ新選組の主張は、経済に混乱を招くだけで誰も幸せにならないゴミ理論なんです。

そもそもあのような泡沫政党じゃ、法案提出だってできないんですから、政治の世界に於いてはミジンコみたいなモノなんですよ。彼らの主張する政策が実行されることは、万に一つもありませんから。

☆ これからは円安の時代

本稿を書いているのは6月5日の日曜日でして、為替相場は1ドル130円ほどです。私の記憶では、高校生の頃までは1ドルが230円とか240円だったんですよ。と思って調べてみたら、

円相場
http://yasuma-guitar.com/ensouba.html

やっぱり昭和59年までは1ドルが250円前後だったんですね。これが1985年のプラザ合意で、一気に200円になり、そこからは急激な円高がひたすら続き、私がアメリカに留学した年には1ドル79円というピークを迎えます。そして令和に入ってからはゆるやかな円安傾向になり、昨年末には110円程度になりました。それが3月からの急激な円安で130円を突破したわけですね。

為替というのは、国対国の経済力のバランサーなんですね。もっと簡単に言えば、ハンディキャップの向きと大きさを表しているわけです。経済が強い国には、相応のハンデを背負ってもらうことで、経済が弱い国とバランスを取らないと競争にならないわけですよ。その機能を為替が担っていると考えると理解しやすいでしょう。

歴史を見ると、今次大戦でボロ負けした日本は、経済的にもボロボロになったわけで、戦勝国であるアメリカやイギリスと、経済で対等に戦ったら勝てるわけがないので、日本がハンデをもらったわけ。終戦直後の為替は1ドルが15円だったのが、1949年にはみなさんが知っているように1ドル360円と1/24になったんですね。

日本はそのハンデを上手く使って、アメリカにモノを輸出することで、経済を立て直したわけです。そうやって高度経済成長期が生まれたわけ。ところがベトナム戦争が大きな原因で、アメリカの経済力が下がってきた、つまり日本とアメリカの関係でいえば、格差が縮まって来たわけです。

そうすると今まで通りのハンデだとゲームにならなくなってきたわけですよ。そこで1971年にニクソンショックが起こって、360円が314円になったわけ。途中紆余曲折ありますが、基本的には日本の経済力がドンドン強くなって、ハンデがドンドン小さくなったのが平成までの流れなんです。

ところがバブル崩壊以後の日本は、失われた30年と言われるような長期低迷状態が続いて、逆にアメリカはGAFAのような巨大企業が伸びて、日本の方が弱くなってきたんですね。そこに日本の財政赤字が1200兆というGDP比では世界最悪の赤字国家になったという事実が重なって、ハンデをたくさんもらわなきゃならない状況になって来たというのが、今のステータスなんです。

経済活動の指標である株価を見ても、日本は未だにバブルで付けた最高値を一度も更新していないどころか、かすりもしないわけですよ。ところがアメリカは去年まで毎年最高値を更新し続けているわけですね。

この格差は日本の経済政策がドラスティックに変化しない限り、基調としては変化せず、日本はさらに弱く、アメリカはさらに強くなるんでしょう。となると、これからも円安というトレンドは変わらないことが予想されるわけです。

そんな時代に於いて、我々が豊かに、幸せに生きるためにどんなスキルを身に付けるのがベストなのかというと、これは圧倒的に「英語力」なんですよ。

円安が進むことで、どんなビジネスが伸びて、どんなビジネスがヤバくなるのかというと、

● 伸びるのは海外からのインバウンドと、輸出ビジネス

であって、

■ 辛い目に遭うのが輸入ビジネス

なんです。

ハンデをもらえるのですから、日本のモノを海外で売る時には有利になりますよね。ハンデをもらえるということは、日本の経済力が弱いということですから、海外の人の経済力の方が強いということで、そんな国の人が日本を訪れると、何もかもが安く感じるわけですよ。それが円安ということですから、これはつまりインバウンドが活況を呈するはずなんです。

そのどちらにも絶対に必要になるのは、海外とのコミュニケーションであり、英語はそのためのスタンダードツールなんですから、これができる人が有利になるに決まっているでしょ。

だからこれからの時代、20代で英語に困らないようにする、というのは非常に大事なポイントになります。ですから、英語を教えるビジネスはこれからもっと伸びるんじゃないですかね。ITのスキルとか、会計の知識とかは、英語をモノにした後の話ですよ。中国語とかフランス語とかの言語も、英語ができるようになった後で構いません。

だって世界のビジネス共通言語は英語なんですから。これをやらずに他の言語をやるのは、リターンという意味では劣後しますよ。

逆に言えば、英語プラスITとか、英語プラス会計とか、英語プラス中国語は、希少価値という点で大きなアドバンテージになるということです。私が高卒なのに、なんで年収1000万を超えたのかというと、英語プラスITができたからですよ。英語だけじゃダメ、ITだけなら他にもたくさんできる人はいた、でも両方ができる人は少なかったということです。

人生を戦略的に生きるというのは、そういうことを考えて、自分のゴールを設定するということですよ。

ちなみに、私のセミナーの受講生が、4ヶ月で英語力を伸ばすスクールをやっています。かなりスパルタなので、覚悟が必要ですがこれだけのボリュームをやれば飛躍的に伸びるだろうということが分かるプログラムです。

http://www.yukistyleeigobenkyo.com/line23/

受講料は安くありませんが、これくらいのおカネを出すという覚悟が無いと、忙しい社会人には難しいかも知れませんね。

ある程度自力で頑張れるという自信がある人は、TOEICに特化した

http://www.yukistyleeigobenkyo.com/yukitoeic5/

もアリかも知れません。

やり方は何でも良いから、人生の目標が明確になっていない、だけど人生を激変させたいという人は、とにかく英語から始めるのが、円安の時代には効果的だと思いますよ。

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