マクロとミクロを混同しない

◆ 今日の前フリ ◆◇

日本ではコロナの終息が時間の問題になってきましたね。それなりに新規感染者はいるモノの、重症化した患者は全国で100人を切る状態が続いていまして、その程度のことを毎日報道する必要があるのか?そこにニュースバリューはあるのか?という状態です。

となると、私はライブセミナーをガンガン入れられるわけで、そのタイミングに合わせて最近考えている新しいネタをまとめ始めています。

もちろん今まで動画で配信していたレギュラーメニューをライブでやるということも、粛々と予定に入れているんですが、やっぱり新しいアジェンダの話もしたいじゃないですか。

どうせなら怪しい系の話も織り交ぜてやりたいなと思うわけです。でも怪しい系のワザを中心にすると、拒否反応を起こす人が一定数いたり、聴いてはいるんだけど実践しない人がいたりするんです。

これはなんとなくの感触ですが、怪しい系のワザってちゃんと使っている人が非常に少ないんですよね。2次会などであれこれ相談を受けることがあるんですが、

■ そんな悩みは怪しい系のこのワザで解決するでしょ?なんでやらないの?

ってことがあまりにも、あまりにも多いんですよ。で、ムリやりやらせると不承不承従うんですが、そんな態度でやるものだから切れ味が悪いんですよね。

ですから最近は、怪しい系を怪しい系ではないかのように、オブラートをかけて別な表現系を使ったりするんですよね。

そうすると今度は、

■ 今日のセミナーは怪しい系が少なかったですね

みたいに言われるんです。は?だから怪しい系っぽく無いように伝えただけで、本質は全部怪しい系の話なんですよ。だってこんな話は、どこにも科学原理主義的には、説明概念が無くて、エビデンスも無い話なんですから。

最近は昔に比べて、怪しい系への耐性が弱い人が多いみたいで、微妙に視点をズラしながら話さなきゃ伝わらなくなっているんだなと痛感しながら、アジェンダを書き進めています。

そもそも良書リストの怪しい系にリストされている本を、ほとんどの人が読まずにセミナーに来られるわけですから、伝え方を変えなきゃならないのは当然なんですけどね。10年前は、基本編セミナーでさえ、良書リストの半分くらいは読み終わっている人が大半だったんですけどね。

ですから今週末に開催予定の基本編も、怪しい系の導入部は、完全に何も知らない人を対象にしているつもりで話そうと思います。(その分、メインのアジェンダが削られるんですけどね)

☆ マクロとミクロを混同しない

議論というのは、対象となる物事によって、結論が全く異なる方向に行くモノです。対象となる物事が、マクロ視点(全体を見ているということ)のことなのか、ミクロ視点(少数の具体的なことを見ているということ)で、結論が異なるということです。

例えば、GDP成長率はその国全体の経済成長を表す指標なんですが、この数字を論じている時に、

■ そうは言っても私の年収は下がった(上がった)んです!

と言う人がいるんですよ。

私の経験では、サービスの顧客満足度の推移の話をしていて、前期に比べて数字が改善されているという報告をしたら、

■ でも○○という会社は先日クレームを付けてきたじゃないですか!

って言いだした営業の課長がいて、思わず「あんたバカなの?」と呟いてしまいました。

私は大きな流れであるマクロの世界を語っているの。つまりこれは船がどちらの方向に進んでいるのか?を語っているわけです。

それに対して、個別具体的な例というのは、波の影響で一時的に進路がブレたみたいな話なんですよ。両者は全く別の次元の話題なので、これをごちゃ混ぜにして話をしたらダメなんです。

そして議論というのは、上層部に行けば行くほど、マクロ視点でのものが多くなるんです。それが船の舵取りをするということですから。ミクロ視点というのは、足元を見るのと同じで、そこだけを見ていたら自分たちがどちらの方向に進んでいるのかの判断ができなくなるんです。

ですからマクロ視点で進んでいる方向を確認するのが先で、そこで正しい方向に進んでいることがハッキリしたら、それから足元に何があるのか、これはつまり現在進行形で発生している具体的問題を指すわけですが、これを確認するのです。

そのような議論に於いて、マクロ視点とミクロ視点を混同して議論をするような人は、二度とそのような会議には呼んでもらえません。

またマクロ視点からミクロ視点へと、会議が進行するわけですから、ミクロ視点の議論をする時には、直前まで話をしていたマクロ視点との接点を意識しながら、つまり大枠の方向性がどういう結論になったのかを意識しながら、個別具体的な話をしないとダメなんです。

例えば、全体の方向性としてつまりマクロ視点での結論として、物価高に合わせて値段を上げていこうという結論になったのに、その後のミクロ視点での個別具体的な話の時に、

■ ○○というお客さんからディスカウントのリクエストが来ているのですが

みたいなことを言っちゃダメなんです。

全体の方向性として価格を上げるということが決まったら、そこからは現場でそれを実現させるHOWを考えなきゃいけないの。もうこの件に関する議論は終わったの。

ここで個別具体的な話を持ち出すと、

■ その話はさっき結論が決まったでしょ?なんで蒸し返すわけ?

って言われちゃうんですよ。

それを言いたいのなら、マクロ視点で話をしている時に、まな板に載せなきゃならないんです。

同じ話をするのでも、議題に挙げるタイミングがズレると、それだけでおバカレッテルを貼られてしまい、これを剥がすのは難しいんですよ。

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