見出し画像

「絶対」なんていいたかないけど、絶対観たほうがいい、佐伯祐三展 at 大阪中之島美術館

佐伯祐三という日本人洋画家。

彼にかぎらず、日本人の洋画家は好みではないというか、どちらかというと苦手だったんだけど(重苦しい、憂鬱な感じで覆われていて)

今回(東京ステーションギャラリーにて)の展覧会で、すくなくとも佐伯祐三に関してはそのイメージが真逆に振れました。

佐伯祐三 - 自画像としての風景
at 東京ステーションギャラリー

今は大阪の中之島美術館で開催中。

やはり生で観たのが大きかったのか。

であれば、これまで観てきた(生ではなく)作品群もそれ(生鑑賞)で変わるのだろうか。

佐伯祐三に話をもどすと、とにかく色がいい。(いや、構図とか「文字」の表現、扱い方とか、他にもあるんだけど)

実際、この機会ですっかり好きになったので、早速「別冊太陽」の佐伯祐三特集号を取り寄せたところ、展覧会で感銘をうけた印象とはおおきく異なっていてがっくり。

とはいえ、そもそも印刷物で完全にオリジナルの色を再現できるわけもなく(CMYKに変換されるので)、その差異に我慢がならんということではないけれど。(それを折込済みで味わうことも出来るので)

別冊太陽はいい仕事してますよね。

最近だと他に井上有一の特集もすごくよかった。

そもそも彼は「書」のひとなので(はじまりは絵画であり、書のかたわら、絵も描いてはいたけれど)「色」についてはそれほど再現性を強く(厳密には)求める必要がないというのも幸いして。


衝撃だった「一字書」
『貧』

佐伯祐三にもどって

とくにこの『煉瓦焼』(れんがやき)に激しく魂を揺さぶられたんですが、これは絶対に(あまり「絶対」とか使いたくないんだけど)生で、現物に対峙することをすすめます。

その体験さえあれば、それを想起するきっかけとして、再現度が低い印刷物でもなんとかなるので。

佐伯祐三『煉瓦焼』

生で観たひとならすぐわかるけれど、赤系の色がまるで違う。

佐伯祐三の技術的な部分とその変遷、追い求めたスタイルの変遷もろもろは他にもいろいろあるけれど(あまりに短い活動期間にもかかわらず)

とくに現代のグラフィックデザイナー的なセンス、素養も感じられたことも大きな収穫でした。

佐伯祐三 - 自画像としての風景
at 東京ステーションギャラリー

例の感染症騒ぎからの「マスク強制」(基本的人権の侵害)が不快でしょうがなく、お気に入りでありながらすっかり足が遠のいていた東京ステーションギャラリーですが、それ(違法なマスク強要)もなくなり、また素晴らしい鑑賞体験を味わうことができて感謝です。

入場料も比較的、リーズナブルでありがたい。

大阪方面の方はぜひ、です。

わたしも金銭的余裕があれば、また喜んで足を運びたい。


ポップでかわいらしいグッズ販売もあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?