守りのアクセサリー

うちの両親は不仲だった。
父親は酒を飲んで暴れ、はじめは色々と従っていた母だったけど嫌気がさしたのか、後に2人はあまり口を聞かなくなった。
お互い干渉しないようにと話したと聞いた時は、幼心によくわからない言葉だったけど、悲しかった。

それでも私は2人に仲良くいてほしくて、毎日寝る時、おもちゃの指輪を握りしめて、祈った。
お父さんとお母さんが仲良くなりますように。
どのくらい続けたかは覚えてない。
でも、祈り続けてたら、少し仲良くなった気がして、祈りは通じたと思った。

そんな家庭環境から抜け出したかったこともあって、私は高校卒業後、上京した。
憧れでいっぱいだっはずの東京生活。

上京して間もなく、原宿に行った。
だけど、当時の私には1人で竹下通りを歩くのはたぶんまだ早かった。
ストリートショップみたいなお店の前で客寄せをしている黒人の店員さんが怖くてたまらない。
ティッシュ配りのキャッチから、私だけティッシュをもらえない、きっと田舎者だと思われてる。周りの人がみんなオシャレに見える。
今考えると、すべてどうでもいいことで、我ながらかわいらしいなと思うけど、当時の私からすると、その原宿での見るもの全てが、自分の自信を無くし、恐怖に陥れらるものだった。

東京に来たのは間違いだった。
これからどうしよう、やっていけないかもしれない。
と本当に思った。

そんな時、田舎にいる時から雑誌などでよく見ていた、とあるアパレルブランドのお店を見つけて、勇気を出してお店に入った。
そこで、ある動物をモチーフにしたネックレスが目に留まった。
たぶん5000円くらいだったと思う。
その値段は当時の私にしたら大金だし、自分でアクセサリーを買ったことなんてなかったけど、私はそれを購入した。
そして、そのネックレスに誓った。
このネックレスをお守りにして、東京で頑張ろうと。

それから私はそのネックレスを肌身離さず、お風呂に入る時も寝る時も外さず、ずっとつけた。
約7年間、私を守ってくれたと思う。
7年後、もうネックレスが、私は役目を終えましたよと言わんばかりの出来事があり、そのとき外すことに決めた。

アクセサリーとの不思議な話。
長くなったので続きはまた書きます。

おやすみなさい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?