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2023刑法改正と時効

性犯罪に関する刑法が改正された。
まずはバンザイ。

施行日がまだわからないが、施行後の世界に自分を適応させなければならない。

憲法上、遡及処罰は禁止されるので、「いつの法律に基づいて犯罪の成否を判断するのか」の問いには「行為時の法が適用される」一択だ。

だが、2023年改正には公訴時効期間の延長が含まれている。
こちらはちょっと複雑だ。

まず、2023改正法の公訴時効の建付を説明する。
公訴時効期間が改正前より5年延びる(5年プラス効果)。
強制わいせつ罪は、現行の7年に、5年プラスして12年だ。
強制性交等罪あらため不同意性交等罪は、現行の10年に5年プラスして15年だ。
監護者性交等罪も現行の10年に5年プラスして15年だ。

そして、被害者が18歳未満の場合は、被害者18歳になった日から、上記の時効期間のカウントを始める(18歳カウント効果)。
たとえば、不同意性交等罪・監護者性交等罪は、33歳の誕生日に公訴時効にかかる。

次に、時効に関する2023年改正の適用範囲を述べる。
以下は改正案の中に書かれており、改正案と一体として可決されている。

施行日に公訴時効期間が満了している行為は、満了時で公訴時効が完成する。
2023年改正の影響は受けない。

施行日前の行為であって、施行日に公訴時効期間が満了していない行為は、5年プラス効果と、18歳カウント効果を適用する旨の規定が整備される。

つまり、
犯罪の成否は行為時の法で判断する
公訴時効期間については施行日に公訴時効が完成した行為は改正の影響なし、
施行日に公訴時効が完成していない行為は5年プラス効果、18歳カウント効果アリになる。
なお、5年プラス効果と、18歳カウント効果は今しがた私が勝手に命名した呼称である。後にエラい人がカッコいい名前をつけてくれるかもしれない。

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