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黒人ハーフの子どもを持つ夫婦それぞれの思い

コロナをきっかけに職場での喫煙が禁止された。その為、喫煙者はみな近隣の喫煙所まで行き喫煙しているという。夫も毎日休憩時間に出掛け喫煙していた。そんなある日、社内ミーティングで、当該喫煙所からクレームがあったと伝えられた。どうやら、夫の会社のスタッフが毎日タバコを吸いに来ることでクレームが入ったらしい。未だに日本人同僚は、タバコを吸いに行っているが問題にならないことを考えると、どうやらクレームは夫一人に対してのものだったようだ。

一体誰が悪いのか?

始めに断わっておくが、一連の出来事について、夫は怒ってはいない。        こういうことに対して、不公平だとか、間違ってるとか言うステージは既に過ぎ去ってしまっている。

「まぁ、そうだろうな。」「しょうがない。」ある意味、不感症にならないとやっていけないようだ。            いちいち「日本人だけズルい。」とか言っても何も変わらないどころか、立場が悪くなるだけなのが現実だ。           その証拠に「どうしてもタバコを吸いたい人は違う会社に行って下さい」とミーティングでも言われたとのことでした。

恐らく、当該喫煙所を利用している人もしくは、管理している人が夫(というか黒人)を快く思わず会社に苦情を言ってきたのだろう。

共稼ぎとはいえ、家族を養っている成人男性が、タバコ一つで問題を大きくし、失業など一番避けたい事態だと思う。       日本では、殴られたり暴力を振るわれないだけでも本当にありがたいとさえ、言っていた。

ハーフの娘へ父の思い

日頃、こんなことが日常茶飯事な夫。

日本では、黒人を直接悪く言われることもないし(丁寧な言葉で見下される)、暴力も振るわれない。              でも差別はある。            これを娘達に理解してほしい。      日本で育っているから、うっかり自分を日本人と同じだと勘違いしたら必ず痛い目に合う。

自分は、もうこんな状況に慣れすぎたから良いアドバイスができない…。       だから、サポートはもちろんするけど、直接の声がけはしょうしょうからしてほしい、とのこと。

ハーフ娘へ母の思い

所謂、マジョリティ側の私。       一言私が娘に「気にしないで」「気にしすぎ」「気のせい」「がんばって」「我慢して」「そんな人、相手にしないで」「それは、そういうつもりじゃない」など言ったら、静かに心のシャッターを閉じるだろう。

私自身はアドバイザーというよりは、受け止めてあげられるサポーターになりたいと思っている。

夫は娘達が自分を日本人だと思うことは危険だと思っているようだが、紛れもなく日本人でありケニア人である。         同時に、アジア人であり黒人でもある。  そのことは、本人達も理解はしていると思うが、大坂なおみ選手の件でも明らかになったとおり、それが理解できていない人間が沢山いることを知った。

その辺りのことを娘と共に今後も学んでいきたいと思っている。

まとめ

今の日本は、黒人やハーフにとって、なにかと失望することばかりです。       

そんな中でも、良きサポーターとして、楽しい家庭を夫と共に築いていきたいと改めて堅い握手を交わしました。

(完)

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