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第198話 静かに見守る

帰宅した時は、笑顔で元気だった娘。

奥さんが帰宅して夕飯中。

突然泣き出した。

びっくりした。

涙の原因は、先日の模試の結果のようだ。

得意な数学の結果が、過去最低だったようだ。

悔しくて、悔しくて、涙が溢れたようだだった。

そんなとき、私は、かなり空気が読めない。

娘の気持ちも考えずに。

「大丈夫やろ。テスト悪くても。しゃーないやん。」

私は、本音で話した。

でも、本人からすれば、悔しくてしょうがないときに聞きたい言葉ではなかったかもしれない。

関西人のせいか、こんなときも、どうしても笑いで乗り切ろうとしてしまう。

娘は、15分ほど、泣いていた。

流石に私も無言。

静かに、夕食を食べながら、重苦しい雰囲気が続いた。

奥さんは、何故か、ずーっと、黙ったままだった。

涙も収まり、静かに勉強に戻った娘。

目を真っ赤にして、可愛そうだった。

でも、泣いて、心が少しだけ整理されたようで。

「悩んでも。しゃーないな。」

と独り言のようにつぶやいていた。

娘は、しばらくして塾に行った。

その後、奥さんと少しだけ話した。

奥さんは、自分で解決するのが一番だと、黙っていたようだ。

さすが。

母親というのは、凄いなーと感心した。

黙って、見守ることも、たまには、いい解決策になる。

なかなか難しいけど、受験までもう少し。

できる限り。

いらんこと言いそうになってしまうけど。

静かに、見守ることにしようと思う。


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