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第146話 クリスマス

今日は、クリスマス。

早朝から、娘の部屋に侵入。

プレゼントを枕元に置きに。

まだ5時台。

外は真っ暗。中も真っ暗。

照明は、気づかれるとまずいので、真っ暗のまま。

神経を研ぎ澄まし、侵入。

スリッパの音がする。

スリッパを脱ぐ。

娘のベッドに近づく。 

頭の位置がわからない。

少し目が慣れて、うっすら見えるように。

目を凝らすと、先客の跡が。

もう一人のサンタが、先に置いている。

先越された、なかなかやるやん。

その横にそっと置く。

音を立てないよう、娘の部屋から退出。

起きてない、気づかれずに、サンタのミッション完了。

それから、すっかり目が覚めて、眠れなくなる。

リビングで、朝ごはんの準備。

朝ごはんを食べていると、もう一人のサンタが起きてきた。

『プレゼント置いた?』

聞いてきたので、答える。

『もちろん』

もう一人のサンタが言うには、私の任務の音がうるさかったという。

静かに置いていたつもりが、音が響いていたという。

あかん、気づかれていたかも。

そういうもう一人のサンタも、間違えて、娘の頭の、上にプレゼントを置いてしまったという。

お互いの失敗に、一通り笑ったところで。

娘が起きてきた。

満面の笑みを浮かべ、プレゼントを抱いて、起きてきた。

小さい頃の面影が、蘇る。

よかった、喜んでくれた。

今日は、いつもより騒がしい朝だった。

これやから、やっぱり、サンタは、やめられまへんなー。

来年も、またサンタができるように、健康で、生きていこう。

幸せなクリスマス。

めでたし、めでたし。

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