【DIGDAGMUSIC+】音楽掘削作業と雑感 (6)Aris San - Boom Pam

 ギリシアに生まれイスラエルへ移住して歌手として大成功、ヤッファの夜の帝王と呼ばれるようになった Aris San はニューヨークへ移ってセレブに大人気のクラブ Sirocco のオーナーとなった。しかし、クラブにヤクの売人が出入りするようになり、それに関与したとして2年間ブタ箱に入るはめに。出所すると借金まみれだったためニューヨークから脱出、ハンガリーで撲殺されて謎の死を遂げた。

  そんな彼のヒット曲 BOOM PAM は、ギリシアの大衆音楽レベティカ・イスラエルのミズラヒームミュージック・アメリカのサーフサウンドが混ざり合っている。

 イスラエル時代に発表された曲だそうだが、ギリシア・イスラエル・アメリカを股にかけた Aris San らしい一曲だ。

 2014年夏のフジロックフェスティバルのため来日したイスラエルのサーフ・ロック・バンドBoom Pamのバンド名の由来はこの曲である。

 Aris Sanのハンガリーでの死亡については「実は死んでおらず隠れて生きている」などとエルヴィスばりの都市伝説もあったようだが、少なくとも彼の音は、今の若いイスラエル人たちとともに生きている。