TEACHER Interview 04 浅野 礼美子さん
2020.4.29
#インタビュー・対談 #地域のこと #冊子YAWARAGI掲載
これまで自分が学び、体得してきた
金融や経済の知識を広く伝えたい
経済情報学部専任講師
浅野 礼美子 さん
[あさの・れみこ]
岐阜県本巣市出身。金融機関に就職の後、名古屋市立大学経済学研究科で経済学を体系的に学び直すとともに、金融知識の普及活動に力を注ぐ。2019年4月より本学に赴任。
フランスへの短期留学で
視野が広がった
ー経済学部の先生になられたのはどういった経緯からでしょうか。
私は祖父母が教員だったこともあり、大学では家庭科の教員を目指して食物学を専攻していました。
ー家庭科と経済とは、全然違いますね。
そうなんです。学生の頃に、フランス語を勉強するために短期留学をして、外の世界を見たことで意識が変わりました。
ー留学をしたことで視野が広がり、大きな転機になったんですね。
当時はいわゆるバブル期で金融業界が華やかな時代。帰国後、将来の生活と職業について考えたときに金融機関に興味が湧き、まったく進路を変えて証券会社に就職したのです。
ー就職してみていかがでしたか。
本社勤務を経て、営業職に就いたときは、毎朝5紙の新聞を読むのが日課でした。また、社内の勉強会や研修でも金融・掲載情報の見方などを学び、「金融や経済って、面白い!」と、あっという間にのめり込みました。
ーとても忙しかったのではないですか。
24時間絶え間なく動く金融市場を意識しながら、ハードに働き、夢の中にも株価が出てくるほどでした。
ー夢の中でも株価が…!
でも、私はそういった毎日がすごく面白くて、「天職だ!」と思っていました。
大学院で経済を学び直し、
その金融知識を普及
ーそこから先生に転職されたのは、きっかけがあったのでしょうか。
仕事で忙しい中で将来のことを考えて立ち止まったとき、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格や身に付けてきた知識を活かし、もっと一般の方や学生に金融知識を伝えたいと思うようになりました。
ー専門的な金融の知識を一般の方のために活かそうと思われたんですね。
そこで会社を退職し、NPO法人に所属して金融知識の普及活動を始めました。また、金融や経済について基礎から体系的に学び直したいと名古屋市立大学経済学研究科に入学しました。
ー大学院では、どんな学びが得られましたか。
経済学には確立されたファイナンス理論があり、それに則って投資するべきだということや、企業は利益を追求するだけでなく、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たす必要があることなど、多くのことを学びました。
“知的好奇心”を大切に
ー授業ではどのようなことを行うのでしょうか。
授業は普段私がスクラップしている新聞記事の中からテーマを選び、実例を交えながら行っています。
ー学生たちの様子はどうですか。
学生たちはスマホを活用して情報を集めることが得意です。でも、さらにその情報を分析し、いかに実生活に活かすかを考え、知的好奇心や気づきから学ぶことが大切だと思います。
ー本校の学生にはどんな印象を持っていますか。
この大学の学生は就職に対する意識が高く、就職課でファイナンシャルプランナーの資格取得のサポートをしてくれることもあり、2年生で2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取った学生もいます。将来設計を考えている堅実な学生も多く、とても頼もしいと思っています。
[学生が提出する授業レポート]
実務教育も兼ねて、学生たちには毎回の授業終了後にレポートを提出してもらうようにしています。このレポートには、授業で学んだことの要約、新聞記事の内容に対する意見の記述など、複数の課題を設定しています。どのレポートもしっかりと書き込んであり、そこから私自身が学ぶこともあります。
ー岐阜への想いー
私は岐阜で生まれ育ったのですが、以前、東京に住んでいたことがあり、岐阜に戻ってきて、やはり自然が豊かで空気が美味しいところがよいと実感しています。
岐阜の人は全国的にみて貯蓄率が高いので、地域への貢献として、金融や投資についての一般・学生向けの講座を開催する機会などが持てたらよいなと思っています。