見出し画像

5. Halftime 徹底解説


Track.5
Halftime


まえおき

 
 タイトルのHalftime(ハーフタイム)は言うまでもなくバスケットボールやサッカーなどの試合の真ん中に来る休憩の時間の事を指す言葉である。合計10曲収録されているこのアルバムの中で5曲目に位置しているし、レコードで聴く際はひっくり返さないと次の曲が聴けないので、どうしても無音の時間が産まれ、まさにハーフタイムを味わえるのである。 
 しかし、この曲はIllmaticがリリースされる2年前の1992年、低予算映画である「Zebrahead」のサントラ様に作成した曲なのである。その時からアルバムの真ん中に位置する事を考えてたかは定かではないが、結果的にアルバムにとって良い働きをしている曲になったのは間違いない。ちなみに良く知られている事実だが、この頃はまだ「Nasty Nas」として活躍していた。
 ビートを手掛けているのはNASがかなりお世話になったLarge Professorであり、映画のサントラへの参加もLargeが紹介したらしい。さらに、LargeとNASがスタジオでチルしてる時、Largeがすでに作り終えたビートの上にラップを載せてるNASの様を見て、「遂に自分の時代が来る」という強い意思を感じたと、Largeが後のXXLでのインタビューで語っていた事も知られている。
 この曲は、大物のラッパーになる事を夢見て、チャンスを掴もうとしているNASの魂が強く乗っかっている曲である事を踏まえて、早速解説に入って行く。

Zebrahead

ここから先は

5,043字 / 5画像
このマガジンを読む事によりNASのIllmaticという超名作アルバムの理解が深まり、HipHopをより愛する事が出来ます。 全ての曲をここで読んで頂く事が可能となります。

ここでは本場アメリカのHipHip曲を徹底的に解説していくマガジンです。 和訳だけに留まらず、スラングやニュアンス、黒人文化や裏に隠された…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?