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閉店・那覇市西町 嶺吉食堂

2013年の年末に閉店した那覇市西町の嶺吉食堂。
この煮つけはとにかく美味しかった。本当に美味しかった。
お店の立ち退きと店主夫妻の高齢化が閉店の理由だと聞いた。

一番のお気に入りは煮つけ定食(¥750)だった。

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大きなおさらにドーンと鎮座するもも肉。その後ろにかまぼこ、こんにゃくあつあげ、だいこん、にんじん、葉野菜。どれもよく味が染みていて美味しかった。箸を入れるとスッとはずれるお肉。サクときれる根菜類。適度に歯ごたえを残したレタスはどれをとっても丁寧な仕事ぶりが感じられた。

それもそのはず。閉店当時70を超えていた店主夫妻は、毎日朝早くから丁寧に仕込みをはじめ、よく煮えるようにと肉の切り方まで指定があったらしい。このお店の真似が簡単にできないゆえんの一つであろう。

お店の建物にも沖縄ならではの事情が

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忙しく動き回るおとーとおかーと店員たち。わたしがいつも「煮つけ」を頼むのを知っていたから、座ると同時にオーダーが入るお店でした。
閉店当初はそう遠くない将来再開することもある。。。かもしれないという噂もあったが、その後どうなったのだろうか。

そういえば、このお店の成り立ちも非常に興味深かった。
嶺吉食堂のFacebookで遠い昔に読んだ記憶が頼りだが(嘉手川学先生間違っていたら教えてください)実はここはもともと那覇の市有地だったらしい。戦後の混乱期にこの場所で食堂をしていた人がいて、その食堂にそばを下ろしていたのが嶺吉食堂のおとうだった。その食堂を譲り受けて始めたのが今の嶺吉食堂らしい。しかし、もともとは那覇市の市有地。特例でそのまま商売を続けることは許されたものの建て替えは許されなかったそう。そして時が流れて2013年、立ち退きということになったらしい。
(だれか詳しいことを知っている人がいたら連絡ください)

750円という当時としても破格の値段で食べさせてくれとはいわない。
その2倍でもいいから、あの味にもう一度会いたい。
いまは更地となった嶺吉食堂の跡地を眺めながらこの7年間何度そうつぶやいたことやら。嶺吉のオトー、オカー元気かなぁ。。。

お店データ
【閉店】てびち・煮付の店 嶺吉食堂 ミネヨシショクドウ
    住  所 沖縄県那覇市西1-24-2
    営業時間 10:00~※売り切れ次第終了
    定  休  日 日曜、旧盆、正月、旧正月

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